世界の奇妙な博物館 15

変わった展示品から、見世物レベルの収蔵品まで。世界の奇妙な博物館へようこそ

世界の奇妙な博物館 15選

Celander / Wikipedia

新しい文化的体験がしたいなら、いますぐ電車や飛行機に乗って、行ったことのない場所を訪れるのがいちばん。ただ、あまりに堅苦しいカルチャーにばかり触れていると、ちょっと息苦しくなることもある。たとえば戦争の記念碑とか、ルネッサンス期の芸術品とか、ジュラ紀の化石とか……そんなものばかり眺めていたら、しまいにはオーディオガイドをつけたまま、近くの窓から飛び下りたくなってしまう。高い入場料を払う博物館めぐりに飽きたら、ちょっと目先を変えて、奇妙な博物館巡りをしてみるのはどうだろう?


アイスランドペニス博物館(Icelandic Phallological Museum)

フーサヴィク/アイスランド

M.O.

うん、規模と荘厳さを考えると、とても「自然史博物館」とは言えない。しかし、200点以上の「ペニス、および “陰茎部位“」のコレクションを集めたこの博物館は、アイスランド国内でもかなりの重要スポットといってさしつかえないだろう。セリネズミにセイウチ、ヒトの秘部の標本が並ぶなか、一番の目玉は全長6フィートのクジラのペニスだ。ガラスケースに入って館内中央に鎮座している姿はまさに圧巻。すごいの一言に尽きる。

Icelandic Phallological Museum
時間:12時00分〜18時00分(5月20日〜9月10日のみ。期間内無休)
料金:入館料 1000アイスランド クローナ
住所:Hedinsbraut 3a, 640 Husavik
電話:+354 566 8668
ウェブ:http://www.phallus.is/



新横浜ラーメン博物館

新横浜/日本



とんでもないものをしれっと作ってしまうのが日本という国だ。音速並みに走る電車や、ケバブを作るロボット、そしてなぜか国内に二カ所もあるラーメン専門博物館。大阪にある、インスタントラーメンの発明者、安藤百福の『インスタントラーメン発明記念館』も人気だが、ここで取り上げるのは新横浜のほう。東京の下町が再現された面白い設定の博物館、というよりアミューズメントパークだ。ちなみに、日本でインスタントラーメンが発明されたのは1958年。

新横浜ラーメン博物館の詳しい情報はこちら



ニンジン博物館(Carrot Museum)

リエージュ/ベルギー

ベルギーがヨーロッパ一退屈な国だと言われるようになったのはどういうわけだったか……。とにかく、このオレンジのとんがり野菜の博物館では、その悪評は改善できないだろう。まあ、ありがたいことに、ここの展示物であれば、あっという間に見終わるのが救いか。館内はありえないほど狭く、客はキャビネットのハンドルを回してコンベヤベルトの展示品を見るだけ。いいね。

Carrot Museum
住所:Berlotte, Eyantten, Liege
休み:無休
料金:入館料 無料



ブリティッシュ芝刈り機博物館(British Lawnmower Museum)

サウスポート/イギリス

伸び放題の庭の雑草と人類との壮絶なバトルの歴史を俯瞰できるという、限りなくニッチなテーマの博物館。昔懐かしのグラスチョッパーから、最先端のソーラーパワー自動芝刈りロボットまで、サウスポートが誇る自慢の収蔵品がずらりと並ぶ。そんなものを観にわざわざマージーサイドまで出かけるかって? そんな人には、博物館公式DVDがオンラインで購入可能(13ポンド)。不眠症に悩む人にはおすすめ。

British Lawnmower Museum
住所:106-114 Shakespeare Street, Southport
電話:+44 0170450136
時間:9時00分〜17時30分
休み:日曜日
料金:入館料 大人2ポンド、子ども1ポンド
ウェブ:http://www.lawnmowerworld.co.uk/



バッドアート美術館(Museum of Bad Art)

マサチューセッツ/アメリカ

世界中のダメ芸術家にかすかな希望を与えてくれるのは、「ヘタすぎて無視できない」作品ばかりを集めたボストンのアンチ芸術美術館。いわゆる“アートギャラリー”のお高くとまった雰囲気はゼロ。来館者はポストモダン的な解釈を求められることも、パトロン的なまなざしを要求されることもない。ただ、眺めてニヤッとしたら、次の駄作へすすめばいいだけなのだ。

Museum of Bad Art
住所:Dedham Community Theatre, 580 High Street, Deadham, Massachusetts
電話:+1 781 444 6757
時間:14時00分〜21時00分
休み:金曜日、土曜日
料金:入館料 無料
ウェブ:http://www.museumofbadart.org/



ペッツ博物館(Museum of Pez Memorabilia)

カリフォルニア/アメリカ

食文化という観点からみれば、1927年に初めて『ペッツ』のカラフルで粉っぽいラムネが商品棚に並んだときとは比べ物にならないくらい、現在の菓子は進化している。それでも、キャラクターの頭がくっついたプラスチック容器のお菓子の魅力は色あせない。カリフォルニアにあるこの博物館には、何百種類ものペッツ容器が展示されているとともに、ペッツ・カンパニーの詳細な歴史を知ることもできる。

Museum of Pez Memorabilia
住所:214 California Drive, Burlingame, California
電話:+1 650 347 2301
時間:10時00分〜18時00分
休み:日曜日、月曜日
料金:入館料 大人3ドル、子ども、シニア1ドル
ウェブ:http://www.burlingamepezmuseum.com/



ランチボックス博物館(The Lunchbox Museum)

ジョージア/アメリカ

ハイ、ご名答。ここは弁当箱ばかりを集めた博物館だ。小学生のステータスシンボルとも言える弁当箱。弁当を理由に同級生にいじめられた人もいただろう。展示されている1,500個以上のランチボックスには、ウッドペッカーからスポック博士まで、20世紀アメリカのポップカルチャーを代表するあらゆるキャラクターが描かれている。え? 弁当箱なんかに興味はない? 心配しないで、見応え抜群のフラスコの展示も一緒に行われていますから。

The Lunchbox Museum
住所:10th Ave. Columbus, Georgia
電話:+1 706 332 6378
時間:10時00分〜18時00分(日曜日は12時から)
休み:月曜日、火曜日
料金:入館料 5.318ドル
ウェブ:http://www.lunchboxmuseum.com/



インターナショナルトイレ博物館(International Museum of Toilets)

ニューデリー/インド

世の中にはありとあらゆる家庭用品の博物館が存在する。だったらトイレ専門の博物館があったって不思議はない、でしょ? 20世紀の斬新なデザインモデルから、紀元前2500年原始時代当時のものまでさまざまな便器が並ぶ。もし他に予定がないなら、このちょっとシュールな公衆衛生の歴史旅へ、ぜひどうぞ。あなたのオフィスの薄汚れたトイレが、素晴らしいものに思えてくるはず。

International Museum of Toilets
住所:Sulabh Complex, Mahavir Enclave, Palam Debri Road, New Delhi
電話:+91 11 250 315 1819
時間:10時00分〜17時00分
休み:日曜日
料金:入館料 無料
ウェブ:http://www.sulabhtoiletmuseum.org/



有刺鉄線博物館(Barbed Wire Museum)

カンザス/アメリカ



「西部を開拓したのは六連発銃だとか言うヤツもいるが、そんなはずはねぇ」とかなんとか言うのが、ここの博物館のスタッフのいかにもマッチョな宣伝文句。まあ、言ってしまえば、「痛っ!」と飛び跳ねたくなるようなフェンス素材を集めた博物館だ。館内には2,000種類以上もの有刺鉄線から、初期の技法を実演するジオラマまで揃っている。入場は無料。だが破傷風の予防接種は受けておいた方がいいかもしれない。

Barbed Wire Museum
住所:120 West 1st Street, LaCrosse, Kansas
電話:(+1 785 222 9900)
時間:10時00分〜16時30分(5月〜9月は 13時00分〜16時30分)
休み:日曜日
入館料:無料
ウェブ:http://www.rushcounty.org/barbedwiremuseum/



伊賀流忍者博物館

三重/日本

hide-sp / Wikipedia



ちょっと待て。ニンジャって謎の秘密主義集団だろう? いったいどうやって秘密道具をかき集めてガラスケースに展示できるんだ?……という疑問を別にすれば、忍者装束から、刀、手裏剣まで、400点以上もの収蔵品はめちゃくちゃかっこいい。追加料金を払えば、手裏剣撃ち体験もできる。

伊賀流忍者博物館
住所:三重県伊賀市上野丸之内117
時間:9時00分〜17時00分
休み:無休
料金:入館料 大人700円、子ども400円
ウェブ:http://www.iganinja.jp/



塩胡椒入れ博物館(Museum of Salt and Pepper Shakers)

テネシー/アメリカ

たいていの人は、何にも考えずに例の小さな容器を手に取って、ディナーの皿にぱらぱらと塩胡椒をふる。でもなかには塩胡椒入れのあがなえない魅力に夢中になってしまう人もいるらしい。アメリカ南東部、夫婦経営のこの博物館には、2万点以上の塩胡椒入れコレクションが所蔵されている。これまた見事な胡椒引きのコレクションも見逃さないで。

Museum of Salt and Pepper Shakers
住所:Winery Square, Gatlinburg, Tennessee
電話:+1 888 778 1802
時間:10時00分〜16時00分
休み:無休
料金:入館料 大人3ドル、子ども無料
ウェブ:http://thesaltandpeppershakermuseum.com/



不朽の美博物館(Museum of Enduring Beauty)

マラッカ/マレーシア

世界各国の異文化における肉体美についての概念を表した装飾品や道具を展示している博物館。なかには纏足用の靴や、首長族が使う巻き物など、かなりグロテスクなものも。気分が悪くなるという人もいるだろうが、こうした肉体改造の道具と、西洋の現代社会が我々に求める理想の肉体美との関係について考えずにはいられない。

Museum of Enduring Beauty
住所:Kota Road, Malacca
電話:+60 6282 6526
時間:9時30分〜17時00分  休み:月曜日
料金:入館料:大人2リンギ、子供0.5リンギ



目黒寄生虫館

東京/日本



サナダムシの生態を知りたい? アタマジラミの日常生活が気になってウズウズする? そんなあなたにはこちらの博物館がおすすめだ。寄生虫に関することだけが集まった収蔵品を前に、その好奇心はきっと満たされるはず。300種以上もの寄生生物の展示の他、寄生虫学に関する6,000部以上の書籍や雑誌記事が閲覧可能。超おすすめ……そういう趣味がある人には。

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犬の首輪博物館(The Dog Collar Museum)

ケント/イギリス

Basher Eyre / Wikipedia



人間さまのファッションは日ごとに派手になっていくのに、お犬さまのファッションは昔より質素になったものだ。少なくともロンドン郊外ケントにあるリーズ城内の常設展示室を眺めているとそう思える。ここで閲覧できる100個以上におよぶ古代の犬の首輪の多くには、貴金属や宝石が使われているのだ。でも、皮肉なことに犬は入館禁止だとか。残念。

The Dog Collar Museum
時間:11時00分〜17時00分(11月〜5月は15時まで)
休み:無休
料金:入館料:大人18.50ポンド、子ども11ポンド、シニア16ポンド
(リーズ城および敷地内の見学料を含む)



アヴァノス髪の毛博物館(Avanos Hair Museum)

カッパドキア/トルコ

カッパドキア郊外、一見ごく普通の陶器店の地下には、狭く薄暗い洞窟がある。洞窟の壁には1万6,000人を越える女性の髪がぶら下がり、それぞれにメモがつけられている。まるで連続殺人鬼ものの映画のワンシーンのようだが、実はこの地域ではかなり有名なアトラクション施設。世界最多の人毛コレクションはギネスにも記録されているほど。ゾッとする? そりゃまあ、ちょっとはね。

Avanos Hair Museum
住所:Chez Galip Pottery, Avanos, Cappadocia
電話:+90 384 511 5758
時間:9時00分〜19時00分
料金:入館料 無料

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テキスト 各都市タイムアウトのライター
翻訳 玉居子泰子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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