2010年04月02日 (金) 掲載
カリブ海の小島、ジャマイカでレゲエのスタイルが確立されたのは1970年代初頭のこと。それから40年ほどの月日が経った現在、レゲエの魅力は世界各地に伝わり、それぞれの町で独自の発展を遂げている。
日本における“レゲエ・タウン”としては横浜や大阪といった町の名を挙げることができるが、もちろん東京だって負けていない。“レゲエの神様”であるボブ・マーリーが東京で来日公演を行ったのは79年のことだったが、それ以降、レゲエ人口はジワジワと増加。2000年代以降は、日本各地で日本人ダンスホール・レゲエ・アーティストが高い人気を得たこともあり、渋谷のCLUB ASIAやAMATE-RAXIといったクラブではコンスタントにレゲエのパーティーが行われ、毎回満員御礼状態。なかには数千・数万人規模のパーティーが行われることもあり、まさに本国ジャマイカにも負けない盛り上がりを見せている状況だ。
ダンスホール・レゲエのスタイルが東京に根付いたのは、90年代初頭以降のことである。それ以前にもいくつかのレゲエ・クラブがオープンし、いくつかのクルーやアーティストが奮闘していたものの、いずれの活動もアンダーグラウンドなものに限られていた。それが90年代以降になってから徐々に一般化し、2000年代に入ってから大爆発した形だ。
そうした東京ダンスホール・レゲエ・シーン黎明期の流れを追ったのが、2010年4月10日に刊行される証言集『関東ラガマフィン』。こちらは80~90年代のシーンの状況を当事者(RANKIN TAXIやBOY-KENら、日本ダンスホール・シーンの立役者たち)による貴重な証言と共に探るもので、東京のみならず横浜や湘南といった他地域のシーンも紹介している。本書の筆者としては多少手前味噌ではあるが、本邦初登場のエピソードも数多く含まれており、この一冊で活況を呈する日本ダンスホール・シーンのルーツを知ることができるはずだ。また、東京クラブ・シーンをダンスホール視点から紹介する、一種の若者文化史としても読むことができるのではないかと思う。
とはいえ、やはりダンスホール・レゲエは“現場発”の音楽。以下では、東京ダンスホール・シーンにおいて中心的役割を担うスポットを紹介する。
1987年にオープンした老舗レゲエ・クラブ。外国人観光客も多い六本木からほど近い西麻布に位置し、毎夜さまざまな人々で賑わう。このクラブの売りは、壁一面を埋め尽くす巨大サウンドシステム。ベテラン、若手のクルーが入り乱れ、毎夜熱いプレイを繰り広げている。最新ダンスホール・レゲエから70~90年代のレゲエまで、新旧のジャマイカン・ミュージックを堪能できるはずだ。
(『CLUB JAMAICA』ヴェニュー情報はこちら)
5月で4周年を迎えるクラブ。プロデュースを手がけているのは、日本国外でも積極的な活動を展開している女性クルー、HEMO+MOOFIRE。彼女たちのセンスが端々から窺える店内は、女性も馴染みやすい雰囲気だ。最新ダンスホール・レゲエのみならず、トリニダード・トバゴのカーニヴァル・ミュージック“ソカ”のパーティーも盛んに行われている。
(『CLUB CACTUS』ヴェニュー情報はこちら)
新宿には小規模のレゲエ・クラブ、GARAMもあるが、渋いルーツ・レゲエやダブを堪能したければここ。よく整備された巨大サウンドシステムからは、毎夜極太のベースラインが鳴り響いている。ライヴが行われることもあり、古き良き雰囲気を残す東京のレゲエ・クラブである。
(『OPEN』ヴェニュー情報はこちら)
渋谷のレゲエ愛好家たちのたまり場でもあるレコードショップ。最新シングルから名曲まで、7インチの品揃えはかなりのもの。日本人アーティストの作品も揃っており、東京レゲエ・シーンの中心を担っている。なお、道を挟んだ向かいのビルにはレゲエのヴィンテージ・シングルから各種アイランド・ミュージックまでを揃えたレコードショップ、Coco-Isle Music Marketも。
(『ROCKERS ISLAND』ヴェニュー情報はこちら) (『Coco-Isle Music Market』ヴェニュー情報はこちら)
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