東京ナイトクラビング

東京クラブシーン事情とおすすめクラブの紹介

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東京ナイトクラビング

Photo by Eliu*

東京はアメリカやヨーロッパの大都市と同様に、毎週末ワールド・クラスのDJたちが押し寄せて来るという贅沢が味わえる街。当たり前のように、全てのクラブには最高峰の機材が設置されている。だからまともなクラブを選べば、良い音楽を、優れた音質で、設備の整った場所で楽しめるようになっている。音楽的な好みが定まっている人は、Higher FrequencyClubberiaといった情報サイトをチェックしてみれば、自分の行きたいパーティーを見つけることができるはずだ。

東京のナイト・ライフが他の街と違っているであろう点を挙げると、1)クラブで寝てる人がたくさんいる、2)タバコの煙が充満している、3)写真付きIDで20歳以上であることを証明しないと入れない、4)一度店を出たら中に戻れない。以上のことは覚悟しておいた方がいい。

でもどういうわけか、大多数の人にとってクラブに遊びに行くことは一般的な週末の過ごし方ではないようだ。街の規模と人口の多さを考えると、東京のクラブ・シーンは比較的小さい。新宿リキッドルームやマニアック・ラヴ、イエローといった90年代の伝説的クラブはみんなここ数年の間に様々な理由から閉店してしまっていて、今はまるでみんなが、新たな画期的クラブの出現を待っているかのような状態である。

だから、今のシーンはかつてほどエキサイティングではないという意見に同意する人は多いだろう。かといって、パーティー・マニアや音楽フリークたちが姿を消してしまったわけではない。では、彼らはどこへ行ったのか?

現在のクラブ・シーンは渋谷を中心に形成されていて、代官山、恵比寿、青山などに店が点在している。ウームエアーユニットアゲハ などが最もよく知られるクラブで、規模も大きい。ヒップホップやレゲエが好きなら、ナッツやハーレム、ヴエノスなどに出向いてみるのもいいかもしれない。ルームやJZブラットはジャズ好きにおすすめ。リキッドロフトミクロコスモス のようなラウンジも、週末の夜には踊れるプログラムを用意している。がっちり踊りたいという向きにはモジュールやループがいいだろう。オルガン・バーやコアラ、オースといった小さくてローカルなスポットも、良質な音楽と会話の両方を楽しむには理想的な場所だ。六本木ヒルズの52階にあるマド・ラウンジ も素晴らしい眺めとお酒とビートを同時に楽しむには打ってつけだ。

しかし、あなたの東京での夜を最も特別なものにしてくれるのは、地元のお客さんたちだ。私たち(東京の日本人)は世界でも最も音楽好きな客として知られている。それは、かつて「レコード・コレクターのパラダイス」と呼ばれたこの街に、まだ多くのレコード屋が残っているという事実にも現れているだろう。

東京のオーディエンスは昔から、少し風変わりで実験的で、ぶっ飛んだ音楽に対してオープンだった。私たちは好きな音楽を研究し、豊富な知識を持っているようだ。それを海外のDJやミュージシャンが喜び、より長いプレイをしてくれしたり、普段とは違うセットをプレイしてくれることも少なくない。そして地元のDJにも、世界には知られていない素晴らしい才能がたくさんいる。だからぜひともここは日本人のようにオープンな姿勢で、夜を楽しんでみて欲しい。

Air

かつてクラブ・イエローでプレイしていた大物ハウスDJたちが現在プレイしているハコ。ここ1年ほどでかなり音質も改善され、東京のベスト・クラブの一つになっている。ローカルとインターナショナル両方のパーティーが開催されていて、週末は大半がハウスかテクノかエレクトロ。客層はファッション系と音楽好きが混在している。
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Womb

イビサのスペースか、フランクフルトのコクーンか、あるいはロンドンのファブリックの東京版。有名DJばかり、観光客がいっぱい、週末はいつも混み混み。いわゆるスーパー・クラブで、善くも悪くもそのイメージ通り。巨大なミラーボールとレーザーは素晴らしいが、音響は改善の余地がある。詳細はこちら

Unit

ライブ・ヴェニューとしてもクラブとしても、幅広くも趣味のいいラインナップを提供している。かなり広めのカフェ&バーが併設されており、朝まで営業している。さらに地下に下りるとSaloonというもう一つのクラブ・スペースもある。全体的によくバランスのとれた設備で、トレンディーな代官山のど真ん中にある。 詳細はこちら

Ageha

都心部からはバスに乗っていかなければならない距離の、東京湾沿いの新木場にある。東京では、それくらい離れないとこれほど大きな設備は建てられないということ。巨大なアリーナは2400人収容。他にも屋外のテントやプール(泳げないけど)を含む三つのスペースがある。その間には食べ物の屋台などもあってちょっとしたフェスティバル会場のよう。とてもコマーシャルだけど、楽しめる場所。 詳細はこちら

LIQUIDROOM/ Liquid Loft

数年前、新宿から恵比寿に移動してからはほとんどライブ会場として運営されているため、メイン・スペースは深夜になると閉まってしまう(しかし、稀に深夜に営業されるときは、ここが東京で一番のクラブかもしれない)。その代わり、2階のラウンジ・スペースであるリキッドロフトでは夜更かしさんのための様々なイベントが開かれている。東京ファッション界のスター・デザイナー、TOGAの古田泰子がデザインした居心地のいいインテリアで寛ごう。 詳細はこちら

Microcosmos

東京のクラブ・リストに加わった最も新しい店の一つ。昼間は凝った内装の広々としたカフェ、でも夜になると黒いカーテンが引かれ、テーブルが動かされ、そこにダンスフロアが出現。フランソワやダニー、デリックといったサプライズなDJが、通常とはひと味違ったゆったりとしたセットを聞かせてくれることも多々あり。 詳細はこちら

テキスト 浅沼優子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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