2010年02月16日 (火) 掲載
西麻布のクラブ『Space Lab YELLOW』(イエロー)の跡地に、『eleven』がオープンする。運営スタッフはの6割が、もともとイエローで働いていたメンバーだ。オープニングの2010年2月18日には、1年8ヶ月前にイエローの幕引きをしたフランソワ K.が登場。“イエロー復活”への期待は高まっている。そんな『eleven』のディレクターであり、企画・広報をつとめる市川祐子に、『eleven』オープニングに関して話を聞いた。
『eleven』は『Space Lab YELLOW』の復活と考えて良いのでしょうか?
市川:基本的にスタッフはもともとイエローにいた者が6、7割です。いったんは解散しましたが、それでもやはり自分たちでクラブをやりたいというスタッフが集まり、場所を探し続けていました。それぞれのスタッフはバイトなどしながら生活していたのですが、去年の夏くらいに、元イエローの物件が動くらしいという噂を聴き、行動をはじめ、なんとか契約にまでこぎつけました。
私たちのやりたいことを言葉で表現するのは難しいのですが、イエローがあった時と同じような場所を皆が目指していると思います。こんなお店があれば良いなという共通認識があるので、敢えてどんなスペースにするかなど話し合うことがなかったのですが、たぶんお互いにやりたいことはわかっていて、お客さんもおそらくそうなんでしょうね。名前が、イエローから『eleven』に変わって、もちろん新しいこともやっていかないといけないし、古いままでずっと停滞していては意味がないと思っています。
音楽的には、イエローが閉まったことによって、例えば、東京のダンスミュージックシーンではディープハウスが弱くなり、『ミニマル』がより主流になりましたが、どちらもバランス良くやっていきたいですね。流行のものだけではなく、いろんなものを取り入れていきたいと思っていて、ジャンルではなく、雰囲気的なところで皆が求めているものを表現したいと思っています。
店名の『eleven』には、どのような意味があるのでしょうか?なぜ『イエロー』ではないのですか?
市川:諸事情でイエローという名前が使えない、という理由がまずありました。それからいったん終わったものだし、お客さんからはきっと前のイエローの方が良かったよね、って言われるでしょうし、だったらもう最初から全然別のお店として、別の場所で、名前も新しくして、心機一転やっていこう、と。それに、もうここに戻れるとは思っていなかったので別の場所を探していたのですが、たまたまここに戻れることになったんです。
『eleven』という名前は、ちょうどここの住所が1-10-11というのと、私を含めたフルタイムのスタッフ人数が11人なんです(笑)。それで、いろいろ調べていたら、“go to eleven”っていう言い回しが英語であるんですよね。音のボリュームを10以上に振り切っちゃうということで、力を最大限に発揮する、っていう慣用表現があるというのを知って、いいんじゃないかということになりました。
イエローのイメージや思い出が、それぞれのスタッフに残っているので、なかなか全員一致の名前には辿り着かず、だったら、単語自体にはあまり深い意味がなく、重すぎない方が良いのかなとも思いました。
ほかのクラブとはどのように差をつけていくのでしょうか?
市川:お店としてはイベントスペースなのですが、クラブスタイルの営業もしていきたいと思っています。スタッフが良く口にするのは、アンダーグラウンドであり続けたい、ということ。ただ、何がアンダーグラウンドで何がメジャーかという判断は今すごく難しい。例えば、お店のフライヤーやマンスリーを作るか議論したのですが、そういうものを使わない方がアンダーグラウンドじゃないかという意見もあったけど、個人的には逆で、ウェブだったりツイッターみたいなメディアの方がメジャーで、フライヤーの方がアンダーグランドなんじゃないかと思うし、その辺もそれぞれ感覚の違いなので、アンダーグランドって言っても、皆が同じものを想像するとは限らないですけどね。
できるかぎり自分たちの好きな音楽をやっていきたい。ビジネスビジネスになってしまっても面白くないし、夜の遊び場なので、コンサートを見るだけの場所でもありません。お客さんも、お店のスタッフも大切だし、音楽もお酒もっていう風になるので、これ、って固く決めてしまうのではなくて、ある程度柔軟に、変化をつけてやっていく方が良いのかな、って思っています。
それから、レジデントDJを育てていければいいねって話しています。今はリリースがないとなかなか人気に結びつきにくかったりしますが、コツコツとDJで人気が出てきている人もいると思うので、そういう人たちとも一緒にやっていきたいと考えています。
どんな方々ですか?
市川:気になる人は何人かいるんですが、今はふせておきます(笑)。
これからの展開に期待していることを教えてください。
市川:皆さんからすごく期待されていて嬉しい反面プレッシャーでもありますね。一度来ただけで、やっぱりイエローの方が良かった、もう行かないということではなく、一緒に良いお店を作っていこうと思ってもらえれば嬉しいです。5年後くらいに、すごい良いお店だと言ってもらえるようになっていればいいんじゃないかと思っているので、お客さんにも長い目で見守っていただきたいです。
今後の予定を教えてください。
市川:2010年3月7日(日)には、ハイチ救済パーティとして、ハイチ出身アーティストJephte Guillameが来日。日本からは須永辰緒さん、テイ・トウワさん等が出演してくれます。ドアチャージ2000円は全て寄付されますので、ぜひみなさんにも参加していただきたいです。3月12日(金)はヨーロッパからAnthony CollinsとLauhausu、3月13日(土)はデトロイトからTheo Parrishを迎える予定です。その後も3月19日(金)にはMark E、3月20日(土)は、田中フミヤレジンデントCHAOSにSammy Dee、3月21日(日)はRob Smith、3月26日(金)はQ’HEY、MAYURIレジデントのREBOOTなどが予定されていますので、お楽しみに。
eleven
(ヴェニューはこちら)
オープニングイベントは以下の通り。
『Rhythm of Life eleven opening party』
日時:2010年2月18日(木)
開場:22時00分
料金:4000円-1Drink
DJ:Francois K.(Deep Space/Wave Music)
『The Dawn of a New Beginning eleven opening weekend party』
copresented by Real Grooves and Chaos
日時:2010年2月19日(金)
開場:22時00分
料金:3500円-1Drink/3000円-1Drink(with flyer)
ライブ:Guti(Desolat/Argentina)
DJ:Fumiya Tanaka(Sundance/op.disc)、MX(blackmaps、Real Grooves、Tripster)
Lounge:Kiccio(threeriver)、Ozmzo aka Sammy(Real Grooves)、Sisi(Timothy Really、Real Grooves)、Ryuji Suganuma(Freebase)
『SHELTER eleven opening weekend party』
日時:2010年2月20日(土)
開場:22時00分
料金:4000円-1Drink/3500円-1D(with flyer)
DJ:Timmy Regisford(The Shelter/NY)、Tomoyuki Yasuda(Voice of Voice Tokyo/Wave Music)
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