東京でカナダを味わえる店 番外編

目前に迫ったバンクーバー冬季オリンピックの開催国、カナダを少しでも知ろうと始めた『東京でカナダを味わえる店』も、今回が最終回。最後は、カナダの首都オタワで生まれた食『ビーバーテイルズ』を取り上げる。ビーバーはカナダの森林地帯にある湖沼河川に多く住み、植民地時代にはその上質な毛皮で交易を栄えさせ、現在ではカナダのナショナル・アニマルとして5セント硬貨の裏面に描かれているほど、国民に親しまれている動物だ。そんなビーバーのしっぽによく似た『ビーバーテイルズ』は、カナダでは子供にも大人にも大人気のおやつなのだが、日本ではまたしてもほとんど知られていない。だが、うれしいことにこれに似た揚げ菓子を食べられる場所が、山梨県の八ケ岳リゾートアウトレットにある。東京の店ではないが、都心からわずか2時間で行ける距離は週末に出かけるのにぴったりだ。しかも、日本で食べられる貴重なスポットなので、番外編として特別に紹介する。

『ビーバーテイルズ』でビーバーのしっぽの形を知る

『ビーバーテイルズ』は、ビーバーのしっぽ（Beaver Tail）によく似た、長さ20cmくらいの薄くて平たい揚げドーナツである。アツアツの甘い生地に砂糖やチョコレートなどをトッピングしてサーブされ、たいていテイクアウト商品として売られている。その始まりは、1978年にオタワでBeaverTails Canada Inc.を起業したフッカー夫妻が、ホームレシピであったビーバーテイルズを街の市場、バイワード・マーケットで売ったことにある。90年代にカナダ全土と海外に出店を続けたことで広く知られるようになったが、現在は本部をモントリオールに移し、カナダ国内のビジネスに注力しているという。

店から漂ってくる甘い匂いに釣られて、気づくとかじりついている、『ビーバーテイルズ』はそんな手頃なスナックだ。初めて目にした瞬間は、その大きさに驚き、完食をあきらめることだろう。だが、想像するほど油っぽくはなく、温かくてさくっとした生地のおいしさに、あっという間に平らげてしまうのだ。トッピングは、シンプルに砂糖だけ、砂糖にレモンを絞ったもの、チョコレートペーストなどが人気だが、お腹の好き具合に合わせて、バナナのスライスが入ったものなど、様々なバリエーションから選べるところもまた人気の理由だ。

2009年には、『ビーバーテイルズ』が北米のメディアにおいて大きな注目を浴びる機会があった。バラク・オバマ米大統領が初めてオタワを公式訪問したときに、振る舞われた『ビーバーテイルズ』を気に入り、空港に向かう途中、ビーバーテイルズを買うためにわざわざバイワード・マーケットに立ち寄ったのだ。それを光栄に思ったビーバーテイルズの本家、BeaverTails Canadaは、『オバマ・テイル』というメニューを作ったのだった。

Cafe Back Countryで食べる

2006年のオープン時から、『ロコビーズ』という名前で販売している、日本でとても珍しいカフェ。イタリアの優良メーカー『ラバッツア』の豆を使った店自慢のコーヒーにぴったりの軽食だと考え、メニューに入れることを決めたと言う。こちらでは、まずは人気のトッピング『メイプルシロップ』や基本の『シナモンシュガー』でカナダ気分を味わうこと。続いて、カナダにはない『黒蜜きなこ』や『紅玉シナモン』、『生ハムとクリームチーズ』を試すのがおすすめだ。ほとんどの客が、「思ったより油っぽくない」となかなか好評。また、カナダで食べたことがある日本人やカナダ人からは「カナダで食べるよりもおいしい」と評判だと言う。

山小屋のような温もりあふれる店内でのんびり休憩するにも、ショッピングの合間にテイクアウトで利用するのもいい。他には、八ケ岳高原の牛乳を使用して作られるカフェラテなど、アレンジコーヒーも人気だ。また、2月5日（金）から2月15日（月）まで開催されるスーパーアウトレットセール期間中は、『チョコアーモンド』と『キャラメル・チョコアーモンド』の2種を通常430円のところ、50円引きで提供する。寒い冬にぴったりのチョコレートトッピングを1つと言わず、2つ頬張ってしまおう。

Cafe Back Country
場所：八ヶ岳リゾートアウトレット内
電話：0551-20-5454（八ヶ岳リゾートアウトレット インフォメーション）
営業時間：八ヶ岳リゾートアウトレットの営業に準ずる
ウェブ：www.yatsugatake-outlet.com

八ケ岳リゾートアウトレットでバンクーバーにトリップしよう

Cafe Back Countryがある八ケ岳リゾートアウトレットは、2001年に山梨の小淵沢にオープンした“自然調和型”のショッピングモール。まず注目してほしいのは、東京ドーム約2.3個分という広大な敷地のどのエリアからも八ケ岳や南アルプスを望めること。その環境はまるで、街のすぐ後ろに雄大な山々がそびえるバンクーバーだ。場内は、高感度なファッションブランドはもちろん、雑貨、スポーツ用品、アウトドア用品、レストランまでが全70店舗と、ゆったりと買い物を楽しむことができる上質な空間に仕上がっている。疲れたら、ログハウス風に演出されたレストランやカフェで休憩しよう。地元および近郊の食材と水を使って作られた、とっておきの料理の数々が、疲れを癒してくれるに違いない。アクセスは中央自動車道『小淵沢IC』より約5分、またはJR中央本線小淵沢駅より無料シャトルバスで10分。忙しい日常からすっかり離れてリフレッシュしたいときに、おすすめのスポットだ。

八ケ岳リゾートアウトレット
住所：山梨県北杜市小淵沢町4000
電話：0551-20-5454
営業時間：（夏期）10時から20時まで（冬期）10時から18時まで、土日祝は19時まで　年中無休
ウェブ：www.yatsugatake-outlet.com