東京でカナダを味わえる店 第2

『プティン』がベッカーズにある理由を徹底解明

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東京でカナダを味わえる店 第2回

プーティーン(ベーコン&チーズ、グレービーソース、ミートソース)

東京でカナダを味わえる店の2回目は、第1回目の『ベーグル』よりもディープな食『プティン』を取り上げる。この名前を聞いてピンと来る人は少ないであろう。プティン(Poutine)とは、主にカナダのケベック州で食べられている家庭料理、またファーストフードとも言える料理で、揚げたてのフライドポテトの山に、グレービーソースと“カード”と呼ばれるモツァレラに似たチーズをかけただけの食べ物である。聞いただけでもそのカロリーの高さが想像できるが、これがとてもおいしく、一度食べるとリピートせずにはいられない不思議な食べ物なのだ。実際、ケベックにはプティンの専門店はもちろん、ファーストフードチェーンやレストランのサイドメニューにも、当然のようにプティンがあり、ごはんやおやつ、そして夜遊び後の1皿として朝から晩まで食べられている。

このプティン、東京で食べることはできるのか。というのも、プティンは一旦ケベックの外に出てしまうと、カナダ人にも知られていない場合が多い。単純にフライドポテトにグレービーソースとチーズをトッピングしたものであれば、アイリッシュパブなどでも食べることができる。ここではあえて“プティン”の名前でメニューに載せている店を探した。そうして見つけたのが、ベッカーズであった。JRの駅構内や周辺という抜群の立地で、手作り感いっぱいのハンバーガーやサンドを提供するベッカーズ。だが、ベッカーズがカナダに縁がある店だと聞いたことはなく、メニュー名も微妙に違う“プーティーン”である。これはケベックのプティンなのか。なぜ、ベッカーズにあるのか。経営するジェイアール東日本フードビジネス株式会社の森販促・宣伝担当に話を聞いた。

“ベッカーズにプティン”の謎、ここに解明

初めに、プーティーンはいつからメニューにあるのですか?

:2000年の冬に販売をスタートしました。

日本でプーティーンを知っている人は本当に少ないと思います。どういった経緯で、プーティーンをメニューに加えることになったのですか?

:2000年春に、当社社員が米国ポテト協会日本代表事務所を通じて、米国視察研修に招待された際に、現地で工場やレストラン、農場の見学し、農家の方々と交流を図る中で、日本で見たことがないフレンチフライにチーズとソースをかけた料理に出会いました。それがきっかけです。

これは商品化できるのではないかと思って、帰国後、商品開発チームに紹介し調査したところ、カナダの家庭料理プティンであることがわかりました。当時、ファーストフードでポテトと言えば、フレンチフライかベイクドポテトくらいしかなかったものですから、シンプルなオペレーションで、ソースを変えるだけでバリエーションを作れることはポイントでした。社内で行った試作品の試食結果も好評でしたので、商品化することになりまして、まずは期間限定で販売を開始し、現在ではベッカーズのサイドメニュー人気商品として、グランドメニューに入っています。

初めてベッカーズでプティンを目にしたとき、プーティーンという名前が気になりました。ケベックではたいていプティン、またはプツィンと呼ばれているのですが、メニュー名をプーティーンにした理由は何ですか?

:ローマ字(POUTINE)で表記したときに読みやすいように、プーティーンとしました。

なるほど。では次にソースの種類について教えてください。なぜ基本のグレービーソース、ミートソース、ベーコン&チーズの3種類を選んだのですか?

:発売当初はグレービーソースとミートソース、そしてカレーソースの3種類でした。以来、20種類程度のメニューを開発して参りましたが、現在の3種は中でも人気が高いため、グランドメニューになっています。

プティンの基本であるグレービーソースの味付けが、標準的なものよりもやや濃いように感じました。これには何か特別な狙いがあるのですか?

:味付けには好みがありますね。そこで、ベッカーズのグレービーソースには隠し味として薄口醤油を入れ、日本人が好む旨味を感じてもらえるような味付けにしています。

これは日本独自ソースのプーティーンということですね。お客さまの反応はどうですか?

:小腹が空いたときに食べるお客さまが多いようです。コアなファンも多く、サイドメニューの中で最も人気のある商品のひとつです。カナダに旅行に行かれたお客さまや、日本に来られたカナダ人のお客さまから問い合わせをいただいたこともあります。

それはうれしいですね。日本でも人気商品だとは思っていませんでした。では、最後にお伺いします。東京でベッカーズよりおいしいプティンを食べられる店をご存知ですか?

:いいえ。存じておりません。

ではプーティーンを食べたくなったら、ベッカーズに行くしかありませんね。どうもありがとうございました。

:今後もお客さまのニーズにあった商品を提案していきたいと考えております。ありがとうございました。

『プーティーン』を食べに行こう

都内のベッカーズ店舗はこちら

中目黒駅前店(東横線中目黒駅前山手通り沿い) 電話:03-3760-0581
*2010年2月28日閉店*

田町店(田町駅構内) 電話:03-5418-5103

秋葉原店(秋葉原駅電気街口改札左) 電話:03-3251-4138

御徒町店(御徒町駅南口改札右) 電話:03-5812-7215

飯田橋東口店(飯田橋駅東口改札左) 電話:03-3261-6868

三鷹店(三鷹駅北口ロータリー前) 電話:0422-44-6361

赤羽店(赤羽駅南口改札内) 電話:03-5249-3066

八王子店(八王子駅構内) 電話:042-628-0628

グランデュオ蒲田店(蒲田駅構内 グランデュオ蒲田東館1階) 電話:03-5713-6367

池袋東口店(JR池袋駅東口改札外) 電話:03-5953-2077

ウェブ:www.jefb.co.jp/beckers/

テキスト 道辻麻依
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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