2010年01月26日 (火) 掲載
東京でカナダを味わえる店も2回が過ぎたところで、『ベーグル』や『プティン』よりは知られているものの、まだまだ認知度が低い『アイスワイン』を取り上げる。人気の観光地であるナイアガラの滝から、車で北に30分ほど行ったところにあるナイアガラ・オン・ザ・レイク。滝周辺の混雑とは打って変わって、果てしなく広がるぶどう畑とワインメーカーの建物という景色が延々と続く静かな土地がアイスワインの世界有数の産地であることをご存知だろうか。アイスワインは、昔は“貴族のワイン”と呼ばれ、現在でも大量生産ができない高級品ではあるが、さすがに貴族でなくても飲むチャンスを得られるようになった。もちろん東京には、アイスワインを味わえるスポットがたくさんある。特にお勧めしたいのは、甘いものとワインが苦手な方。ただし、一度を口にしたら、やめられなくなること間違いなしなので、覚悟を決めて出かけて欲しい。
アイスワインが誕生したのは、18世紀後半のドイツ。予想外の霜に襲われ、収穫されずに放置されたぶどうがそのまま凍ってしまったときに、処分に踏み切れなかった農民が造った少量のワインが最初のアイスワインだと言われている。やがて、一部の貴族の間で好まれるようになり、ワインメーカーはよりアイスワイン造りに適した土地を求め、カナダに移住。高品質なぶどうの生産に適し、冬の寒さが安定しているナイアガラ地区にて、アイスワイン生産が始まった。
現在では、アイスワイン用のぶどうは熟した秋には収穫されず、冬になり気温がマイナス8度を下回った朝、自然に凍ったぶどうだけが選んで摘まれ、搾られる。自然に水分を失ったぶどう1房から穫れる果汁は、わずかスプーン1杯程度。甘みと香りが凝縮された果汁は通常のワインの8倍である6ヶ月という時間をかけて発酵させられ、ようやくアイスワインができあがる。
高い香りと豊かな甘さ、そして濃厚なとろみがあるアイスワインは、通常のワイングラスより小さく細いグラスにサーブされ、口の中に含む時間を長く保つのがよく知られた飲み方だ。多くの人がこの時間の優美さに酔う。また、最近ではアイスワインの基本である薄い琥珀色をした白ワインのほかに、わずかではあるが赤ワインを生産するメーカーも出てきて、その色の美しさに新たな注目が集まっている。ボトルも、通常のワインよりもほっそりとしていてスタイリッシュ。結婚式の引き出物など、特別な贈り物にぴったりだ。
株式会社イレブン インターナショナルが運営するカナディアン アイスワイン ギャラリー CIGは、ナイアガラ・オン・ザ・レイクで行われるワインコンクールで大賞を受賞したワイナリー8社からなるアイスワイン専門のレーベルである。圧倒的な品質の高さと人気を誇るピリテリー・エステート・ワイナリーをはじめ、取り扱うワインにはすべて高品質製品の証であるVQA(カナダワイン協定)付き。アイスワインに詳しくなくても、安心して良質なものを購入できるところがうれしい。
カナディアン アイス ワイン ギャラリーのワインは、オンラインショップのほか、伊勢丹各店をはじめとする主要百貨店のワイン売り場など、たくさんの場所で購入が可能である。アイスワインはもともと生産高が低く、希少な製品なのだが、こちらでは契約ワイナリーの協力により、すべてのお客様に届けることができるよう、安定供給に務めているとのこと。価格は1本8,000円から12,000円のものが多く、本場カナダと変わらない値段で購入できることもうれしい限り。これからの時期は、バレンタインに向け試飲販売が多く行われるので、まず試したいという方はぜひ出かけよう。
カナディアン アイスワイン ギャラリーCIG
ウェブ:www.cig-jp.com/
株式会社イレブン インターナショナル
電話:06-6947-2507
2月25日(木)に開催される東京ワインコンプレックスは、シャンパンからデザートワインまで、20社のインポーターによる最新ワインおよそ400アイテム以上が世界中から集合するイベントだ。もともとはレストランなど業者だけを対象に行っていたのだが、一般にも開放されるようになって、4回目。試飲のほか、人気レストランがワインに合う食事を提供したり、購入したワインを後日配送してもらえるなど、ワインをあらゆる面から楽しめるよう工夫されている。特にお勧めしたいのは、インポーターの担当者に直接ワインについて質問できること。もちろんイレブン インターナショナルも出店するので、アイスワインで演出する、ラグジュアリーな大人の時間を提案してもらおう。
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