東京、“新”立ち食いそば 5

中野、田町、水道橋、新宿、日本橋、“こだわり”の立ち食いそば

『浅見製麺所』 海老かき揚げ天そば(小)700円
『a la 麓屋』 コテリ 640円
『とんがらし』 もりあわせそば(いか、えび、なす)550円
『そば処 東京』 肉そば 850円
『よもだそば』 へぎそば 500円

近年、増えつつあるのが、“立って”味わう店だ。コストを減らすことで、美味いものを安価に提供している。代表的な“立ち飲み”店では、焼肉、フレンチ、日本料理など、様々なスタイルの店が出店、もはや中年男性の溜まり場ではなくなっている。そして古くからある“立って”味わう店、立ち食いそば業界にも新しい風が吹き込んでいる。ここでは、本格派の十割そば、元シェフによる創作メニュー、モダンな店内など、新旧織り交ぜたこだわりの立ち食いそば、5店舗を紹介したい。

中野『浅見製麺所』

海老かき揚げ天そば(小)700円

中野駅から徒歩15分ほど、薬師あいロード中ほどの場所にある。店頭では手打ちそば、うどんを販売しており、店内にはカウンター席、立ち食い席のイートインスペースを併設している。こちらのそばは、立ち食いながらも本格派、手打ちの十割そばだ。瑞々しく透明感のあるそばは、しっかりとしたコシがあり、喉越しもよく美味い。口の中にはそばの風味と、ほんのりとした甘みが広がる。“小”でも食べ応えあるボリュームで、海老のかき揚げがついて700円という価格は驚きといえる。シメには、とろみのあるそば湯が出される。

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田町『a la 麓屋』

コテリ 640円

三田駅のほど近く、田町駅からは5分ほど、飲食店が並ぶ路地の一角にある。一見、入るのをためらうような店構えだが、この店は『麓屋 青山』の元シェフによるもの。そのため、創作メニューも多く並ぶ。そばは『麓屋 青山』と同じものを使用しているだけあり、香り、喉越しともによい。注文したコテリは、一見するとラーメンのようだが冷やしそばだ。そばの上にはチャーシューや味付け卵が盛られ、カツオのつゆ、コショウで味付けされている。そばのできが良いというのもあるが、見事に調和していて美味い。

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水道橋『とんがらし』

もりあわせそば(いか、えび、なす)550円

JR水道橋駅から5分ほどの場所にある。こちらは老夫婦が営む昔ながらの立ち食いそば屋といった風情の店。だがその“売り”は他店ではなかなか味わうことができない、揚げたての天ぷらだ。そばはおせじにも美味いとは言えないが、天ぷらは注文を受け、揚げたてを出す。ただでさえボリュームある天ぷらだが、“おまけ”でさらに増えることも。

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新宿『そば処 東京』(閉店)

肉そば 850円

『新宿高島屋』の近くにある、“新スタイル”の立ち食いそば屋。店内は薄暗くジャズが流れており、テーブルは円状のものが3つ、そしてその上には高々と花が活けられている。メニューはもりそば、肉そばの2種類。肝心のそばだが、『浅見製麺所』や『a la 麓屋』ほどではないものの、コシのある麺だ。だが同店の特徴は、無料のトッピングにある。テーブルの上には、白ごま、とろろ、ネギ、大根おろし、揚げ玉、生卵、ラー油、マー油が並んでおり、少しずつ足すことで様々な味を楽しむことができる。混ざり合っても邪魔にならないのが、絶妙なバランスといえる。フレッシュネスバーガーで知られるフレッシュネスの関連店舗。

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日本橋『よもだそば』

へぎそば 500円

東京駅から5分ほどの場所にある。よくある立ち食いそば屋のようだが、同店は豊富なメニューが売り。自家製カレーや限定そばなどのほか、チーズそばやフィッシュ&チップスそばなどの“インターナショナルそば”も提供している。おすすめは新潟発祥のへぎそば。500円で味わえるのはうれしい。1階は立ち食いだが、地下1階には座席もある。ビジネスマンが多いためか、立ち食いでありながらもWi-Fiに対応している。

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テキスト / 撮影 Takeshi Tojo
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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