CRAFT BEER BAR IBREW

※2012年7月2日オープン
ここ最近、都内ではクラフトビールを出す店のオープンラッシュが続いているが、“ビールそのものをシンプルに味わう”ことの魅力は薄れている感が否めない。だが、『CRAFT BEER BAR IBREW』は、そうした今の流れに逆行している店。未来的なデザインが象徴的な、東京国際フォーラムからわずか数分という立地ながら、この店は未来とは反対の方向へ向かっているかのよう。ここが樽生のクラフトビールを出す店だと知らなければ、よくある普通の飲み屋と思ってしまう人もいるだろう。老朽化したビルならではの古ぼけた木製の梁や、雑然とビール樽を重ねて無造作につくられた店先のカウンタ—、そして揚げ物の油の香りで満ちた店そのものといった若干のマイナス要素があるものの、クラフトビールを出す最近の店の中では、この店にはむさ苦しさと楽しさの両方において抜きん出たものがある。樽生で提供している銘柄は、ある日の一例を挙げれば、『コエド』、『ベアードビール』、『富士桜高原麦酒』という具合で、それらが410ml要領の大きなグラスに注がれ、最安で610円で楽しめる。おつまみ類はちょっと油っこいものの、それに目をつぶってもいいようなフレンドリーなスタッフのサービスはなかなか魅力的。