MMWインタビュー第2

メデスキー・マーティン・アンド・ウッドが日本を語る

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MMWインタビュー第2弾

『オーガニック・グルーヴ』のイベントに出演したメデスキー・マーティン・アンド・ウッドへのインタビュー。先日公開された第1弾MMW来日インタビューでは、およそ20年にも渡る彼らの音楽活動の歴史に加え、ツアーや『オーガニック・グルーヴ』、また彼らのレーベル『Indirecto』から発売された4枚組ボックスCD『Radiolarians:The Evolutionary Set』などとについてたずねた。今回の第2弾では質問内容をがらりと変えているので、息の合う3人の新たな一面を楽しんでもらいたい。ジョン・メデスキー(キーボード)、ビリー・マーティン(パーカッション)、そしてクリス・ウッド(ベース)が、東京について語る。

昨日はどこか買い物に行きましたか?

ビリー東急ハンズだよ。あんまり時間がなくて残念だったんだけど……。今日か明日は、子供たちと妻へのお土産を買いに行くよ。

キデイランドには行きましたか?

ジョン:僕だけ、妻と娘が一緒に日本に来ているんだけど、昨日一緒にキデイランドと渋谷109に行ったよ。109には驚かされたよ。僕は完全に浮いていた(笑)。「僕のいるところじゃない!」と思いながらも、娘と最上階まで上がったよ。もちろんその後はゆっくり各階を降りながら見て回った。娘は10歳なんだけど、109では髪を切って、あのみんなが履いているレギンスを買ったんだ。「やめてくれよ!」って叫びたかった(笑)。

クリス:面白いね(笑)!僕の息子は突然『ポケモン』にはまり出したんだ。だから彼から『ポケモン』グッズを買うように頼まれてきた。

ビリー:僕の息子ソイヤーもはまっていて、カードを持っているよ。

ジョン:キデイランドは凄いよ。全フロアが小さなモノで埋め尽くされている。特に宮崎アニメのセクションは目を引いたね。幅広い価格帯でとても小さなオモチャがそろっていたよ。

宮崎アニメは好きですか?

ジョン、クリス、ビリー:子供のための作品だってことはわかってるけど、大好きだよ。

ビリー:いや、本当に、最高だと思う。

好きな作品はどれですか?

ビリー:僕は『となりのトトロ』だね。

ジョン:『千と千尋の神隠し』!

クリス、ビリー:『千と千尋の神隠し』は素晴らしかった!!

ビリー:大人向けだったよね。

『千と千尋の神隠し』は、「怖い」と思う子供もいるでしょうね。

ビリー:そうだよね、両親が豚になっちゃうんだから、怖いよね。

『崖の上のポニョ』は観ましたか?

ビリー:公開と同時に観たよ。

ジョン:ポーニョ、ポーニョ、ポニョ(と歌い出す)

クリス:その曲、ライブで演奏したよね。

本当ですか?

クリス:うそだよ!

『Let’s Go Everywhere』をリリースしているから、信じちゃいました。

クリス:『崖の上のポニョ』は、ストーリーの中に理解できない部分があったんだ。知らない世界へ行った感じというか……。でも子供たちにとっては、何もおかしなところがない、理解できる話だったと気づいたよ。

ビリー:難解だったけど、美しい映像だった。

ジョン:城が浮く話もあったよね?

ビリー:あぁ、『ハウルの動く城』も素晴らしかったよ。

ジョン:僕は屋久島に行ったんだけど、宮崎駿監督が『もののけ姫』の中で描いた世界そのものだったよ。想像を絶する素晴らしさだった。映画の中に出てくるキャラクター『コダマ』が見えるかと思ったよ。

屋久島ではどこに行ったんですか?

ジョン:縄文杉へのトレッキングに行ったよ。今回、ライブより1週間早く来日したんだ。東京と京都で1日ずつ過ごした。ちょうど桜が満開の時期にあたって、景色が素晴らしかったよ。そしてその後屋久島に行ったのさ。2日間行ったけど、旅館に泊まってトレッキングを楽しんだんだ。その後は九州に移り、1日かけて湯布院と別府を見たよ。

凄いですね!短期間にそんなにたくさん。

ジョン:いくつもの神社を回ったよ。温泉にも入って、絶品料理もたくさん味わった。特に湯布院での食事は最高だったな。言葉に表せないぐらい美味しかった。間違いなく僕が生涯行ったことがあるレストランの中で1番だったよ。

日本食のどんなところが好きなんですか?

ジョン:一言では言い切れないよ。僕は山菜が好きなんだ。でももちろんそれだけじゃない。あー、上手く言えないけど……。

クリス:魚料理はひとつの魅力だよ。当たり前だけど……。

ジョン:東京の食事は化学調味料が使われている場合が多いから、ちょっと違う。僕は伝統的で健康に良い、これぞ日本食、という日本食が好きだ。京料理とか、湯布院で食べた料理がいいね。とにかくこの湯布院のレストランは出汁が素晴らしい。しいて言えば値段が少し高いのと、料理がファンシーすぎるのが難点かな。

ビリー:シンプルで魂がこもっている郷土料理や独創性にあふれた料理がいいんだよ。

ジョン:あと別府では今まで食べた魚の中で1番美味しかった魚料理を食べたよ。河豚!

ビリー:河豚はまだ食べたことがないな。

ジョン:それから鯵。まだまだ調理されたばかりで動いていたよ。目が開いていてびっくりしたけどね……。最高だった。どれも別府で取れたものらしいんだけど、本当にとても美味しかったよ。

クリス:今回のツアーは福岡からスタートしたんだけど、福岡では日本酒を堪能したんだ。アメリカでは飲むことが出来ない特別な銘柄。アメリカで売られているものとは全く異なる豆腐も食べたよ。

ビリー:弾力があるっていうか……。

クリス:凄く美味しかった。あえて例えるならパンナコッタのような触感だったな。

ビリー:でも触感だけじゃなくて、間違いなくそこには深い味わいがあった。

クリス:特別な何かがその豆腐にはあったよ。その後僕らの目の前に運ばれてきたのが、生きた海老だよ。生きているものが目の前で調理されるっていうのは、どこにも負けない、抜群の鮮度を保障するよね。

ビリー:僕は苦手だな。

クリス:衝撃的だったけど、今まで食べた海老の中で最も美味しい海老のひとつだったよ。朝の築地市場で食べられる、さばかれたばかりの海老やイカが載っているどんぶりも美味しいんだけどね。

新鮮な食材を食べられるならそれが一番ですが、食べる場所は選ばないといけないですね。

クリス:そうなんだよね。場所もそうだけど、美味しいものは高くつく場合が多い。でも僕たちはラッキーだったよ。一緒に同行していた人たちが食に興味のある人だったから、僕たちが店選びをしなくて済んだ。福岡で行った場所は、『オーガニック・グルーヴ』のプロデューサーである小松原さんが選んでくれたんだ。「地元の人にどこで食べるといいか聞いたのか?」って聞いたら彼が、「いや、僕が知っている店に行こうと思っている。福岡は地元同然だよ!」って。ひと口食べて「信じて良かった!」って思ったよ。蕎麦、うどん、とろろ、どれも絶品だった。

ニューヨークではなかなか味わえないですよね?

ジョン:『ほんむら庵』という店があったけど、食べたいもの全てがそろっている店じゃなかったし、郷土料理っていう感じではなかった。

クリス:味のクオリティが高くて出てくるスピードが速い、安くて美味しい店は魅力的だよね。『ほんむら庵』は高級レストランだったんだ。だから、そういう安くて確実に美味い店を探したいよ。

ビリー:食べ物に関してだったらいつまでもしゃべれるよ。話していたら何だか腹が減ってきた。

じゃあ今興味のあるものは?

ビリー:日本酒だよ。日本ならではの(笑)。

クリス:美味しい料理。

ジョン:神社と温泉。

(インタビュー 2010年4月11日)

By JNGC
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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