マン・レイ展 知られざる創作の秘密

2010年7月14日(水)~9月13日(月) 国立新美術館
終了しました。

タイムアウト メモ

幅広い芸術活動を行ったアーティスト、マン・レイの作品や関係資料など約400点を集めた大規模展覧会。

レビュー

アートに詳しくなくても、マン・レイの名前を聞いたことがある人は少なくないだろう。

戦禍を逃れるため、また芸術的環境を求めてアメリカとフランスにまたがる生涯を送ったマン・レイは、晩年はパリに居を移し芸術家としての国際評価を決定づけることになる。国立新美術館で開催されている『マン・レイ展-知られざる創作の秘密-』 では、写真家としての印象が強い彼の、絵画や彫刻などを含めた創作全般を伝える内容となっている。

《赤いアイロン》/1966年/ミクスト・メディア


画家としての成功を夢見ていたマン・レイだが、若いころは生活のために商業写真家として活動をはじめた。やがてレイヨグラフやソラリゼーションといった専門技法を用いて芸術家として独特の表現スタイルを確立していき、それはダダイストやシュールレアリストといった当時の先鋭的な諸派から絶賛されることになるが、マン・レイはどちらにも与しなかったという。マン・レイにとって、表現の手段より創作のコンセプトが優先されていたのだ。

《伝説(「回転扉」より)》/1915年(1972年)/リトグラフ


マン・レイは立体作品をつくっては撮影して記録し、撮影後に作品を壊しては同じモチーフで何度でも再生産・複製することもあった。そして、恐らく初期に経験した広告グラフィックや図案の仕事を通じて培っただろうデザインの技法とセンスによって表現が“美しく”洗練・加工されていることで、同時代のダダイズムやシュールレアリスムの作家たちよりもいまだにはるかに知名度が高く、広く世に受け入れられている結果となった。

《無題(黄金の唇)》/金


だから、たとえ展示作品をみて"むずかしい"と思っても悩む必要はない。その、いまだ普遍的な美しさにただ身を浸すだけでも楽しめるのがマン・レイの魅力でもあるのだから。


テキスト 岡澤浩太郎
All Man Ray Works 2010 (c) Man Ray Trust

詳細

日程

2010年7月14日(水)から9月13日(月)

時間

10時00分から18時00分

休み

火曜日休館

料金

当日一般1,500円、 当日大学生1,200円、 当日高校生800円、前売一般1,300円、前売大学生1000円、前売高校生600円、中学生以下無料

場所

国立新美術館

住所

東京都港区六本木7-22-2

アクセス

東京メトロ千代田線『乃木坂』駅(出口6) 直結
東京メトロ日比谷線『六本木』駅(4a出口) 徒歩5分
都営大江戸線『六本木』駅(出口7) 徒歩4分

地図

※掲載されている情報は公開当時のものです。

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