東京、ショーパブガイド

外国人記者が体験した、六本木のショーパブ

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東京、ショーパブガイド

あなたの目の前に、恐怖の表情を浮かべた裸の男性がいるとする。彼の背後には、1人の男性がゴムバンドの端を握り、別の男性が反対のゴムの端を裸の彼の股の間に通し、それをそっと渡してきたら、あなたはどうするだろう? 答えはひとつ。ほかの観客と共にカウントダウンし、「3、2、1」の合図で、伸びきったゴムを手放す。そして、大事な部分にゴムを打ちつけられた、可哀想だけど勇敢な男性が床に転がるのを見つめる。それだけで、会場は熱狂の渦に包まれるのだ。

通常のショーパブは、ラスベガススタイルの華やかさと日本の伝統舞踊を混ぜ合わせたようなものが主流。また実際に夜遅く開催しているショーは少なく、出演者が全員男性であるのに「キャバレー」と呼ばれるような、怪しげなものばかり。しかし私たちは、こうして夜の街に集まる人々を楽しませることが仕事の、この男性の縮こまった性器と向き合うこととなった。六本木のショーパブ体験は、決して一般的なものとは言えないだろう。

六本木には数多くのショーパブとキャバレーが点在し、そのエンターテイメント性や露出度の高さは、それぞれによって異なる。ホストクラブやホステスバーとの違いは、ショーをメインにドリンクとフードを提供しているところ。また共通点は、綺麗に着飾った女性や男性 (もしくは女装した男性) と交流できること。どちらも日本のサラリーマンと働く女性たちをファンタジーの世界へと導いてくれるのである。自制心も羞恥心も解き放ち、日本のカイリー・ミノーグと一緒に『江南スタイル』を踊ってみてはいかがだろう。


六本木『ドラゴン東京』

裸の男性とゴムバンドで繰り広げる一連の流れよりも変なものはないと思った矢先、1人のパフォーマーが大きなビニール袋の中に入り込み、共演者らがその空気を掃除機で吸出し、真空パック状態にするという芸を披露。まるで、アーティスト川口晴彦の『フレッシュラブ』シリーズのようなパフォーマンスに、ユーモアよりも先に「息苦しいのでは?」と心配してしまうが、観客は大爆笑。ショーは、映画『マジック・マイク』のようなストリップショー、ほぼフルモンティ状態のエンターテイメント、芸を組み合わせたコメディーパフォーマンスにより構成。『ジャッカス』ファンであれば、このライブアクションは楽しめるだろう。またショッキングなもの、もしくは日本の奇妙な側面を覗き見したい人にもおすすめだ。

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六本木『六本木金魚』

六本木金魚で8年間働いている、背が高くて細いニューハーフダンサーのシマ・シャイナが、ショーの前に話しかけてくれた。
彼女は長い手足と、栗色の大きな瞳が特徴。同店のパフォーマーになることが、子どもの頃の夢だったという。1994年に設立されて以来、日本最大のレストランシアターとして、エンターテイメントだけでなく、感動も届けることを目指し、他店とは一線を画している。ショーでもっとも注意を引きつけたのが、変化するステージ。上昇したり、沈んだり、ネオンピンクの階段や木製の斜面が現れたりと変わっていくのである。その間、ステージ上やその周囲では、パフォーマーがアクロバティックにくるくる回ったり、ジャンプしたり、独自のアイリッシュダンスなどを披露。ステージの操作係が1度でも間違ったボタンを押せば、舞台がとんでもないことになるに違いない。しかし幸い、ショーは問題なく進行。伝統と革新を融合させた、優雅な演出を提供することで定評の金魚だからこそ、成し遂げられる技なのだろう。私たちが見たショーは25周年記念のもので、60分間内に可能な限りの豪華さと、少々堅苦しい過去の歴史、未来の世界などを表現していた。

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六本木『六本木香和』

伝統を現代風にアレンジした見事なステージを繰り広げるショーパブのひとつ。エネルギーと感情で満ちあふれたパフォーマンスを毎日ノンストップで披露する。ショーは毎日開催の花魁座と週末限定の美桜座の2 つで、両方とも舞台は明治時代の遊郭からスタート。そして優雅な着物を身にまとった花魁から、武器を巧みに扱う武士、インフレータブルのドラゴン、『YMCA』に合わせてダンスするゴルフ選手たちへと設定が変化していく。時折、少しのホモエロチシズム、またあるシーンでは、セクシーな女性たちが観客に背を向け、赤いドレスをウエスト部分まで脱ぎ落とすというチラリズムも。日本の美しい伝統と奇妙なパラドックスを見事に再現していると言えるだろう。

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六本木『バーレスクTOKYO』

初めてバーレスクTOKYOを訪れる人は、一瞬ストリップクラブと間違えるかもしれない。男性に囲まれたステージ上には、ポールダンスを披露する女性。バー兼ジャクジーでは、フォーム状の泡に包まれた女性バーテンダーがドリンクを提供。また鏡張りの壁と煌びやかなシャンデリアがあり、大音量の音楽に合わせ、クロップドTシャツと極小デニムショートをはいた女性たちが歩き回っている。映画『バーレスク』からアイデアを得た同店は、クリスティーナ・アギレラに匹敵するパフォーマーこそいないものの、申し分ないほどのエンターテイメントだ。最後は『江南スタイル』のフィナーレで幕を閉じる。ノリのいい女性たちから、ダンスに参加するよう誘われることもあるかもしれないが、そこは快く応じてあげよう。また現金はあらかじめ、偽紙幣に交換することを忘れないようにしてほしい。ブラに大量のチップを挟んだ女性が来た際、あげるチップがない状況は避けたいもの。

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By アンマリー・ラック
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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