東京、奇妙なレストラン 10

ロボット、トカゲ、宇宙船で寿司。外国人記者が体験した一風変わった東京の味

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東京、奇妙なレストラン 10選

無数のレストランが存在する都市、東京。世界と比較しても多くのミシュランスターを有し、外食時にマズい食事に遭遇することは合理的に難しい。ほとんどの店は品質、そつのないサービス、新鮮な季節の食材で張り合っているが、東京にあるいくつかのレストランは、そこから大分逸れた異なる路線を進んでいる。好奇心とクレイジーの路線である。正直な所、街中をしらみつぶしに調査をしたわけではなが、一風変わったフードやドリンク、サービスを提供するレストランを厳選して10軒を紹介しよう。


ベテラン「駅長」がいる店

東京の鉄道オタク達は、大いに恵まれている。銀座や渋谷で、テーブルの周りを疾走するミニチュア列車を眺めながらカクテルを嗜むことができるバーだけでなく、本物の電車のシート、独特な記念品の山、常に車掌帽をかぶっているベテラン「駅長」がいる本格的な「鉄道レストラン」で、日本式カレーライスを楽しむこともできるのだ。

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東京都民は皆一度は行くべき場所

名前はやや誤解を招くかもしれないが、食事の為にこの歌舞伎町のワンダーランドを訪れる人はいない(提供される料理はコンビニスタイルの弁当だ)。しかしながら、ディスコダンスをするサイボーグ、ビキニ姿のセクシーな女性とのバトルや金色のトイレに夢中にさせられたなら、ここは正に、あなたの為に用意された場所であろう。総工費に100億円もの費用を掛けてたと主張しているロボットレストランは、東京都民は皆、一度は行くべき場所である。

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猛者の溜まり場

網焼きのトカゲや牛の心臓、生の豚の睾丸など、この愉快な料理の数々を尻込みしないで食べることができるという人、そして、その猛者ぶりを証明したいという人がいれば、新宿の「思い出横丁」にある、この小さくて薄汚い呑み屋に行くといい。常連客、そして遠方からの客も多いこの店のメニューは、「スタミナフード」と呼ばれている。それは確かに、怪しげな性欲増強剤をオンライン注文することも勝る。

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ダーツじゃなくてガンバー

銃器とアルコールの組み合わせは、必然的に良い結果をもたらすことは誰もが知っている。吉祥寺の溜まり場にいる陽気な人々は、この永遠の真理を十分に活かしていた。ここで、『007』のワルサーPPKから有名なAK-47までの武器(弾はBB弾を使用、何を期待していただろうか?)を撃ち尽くして、日頃のモヤモヤを発散するというわけだ。銃にインスパイアされたドリンクメニューには、『コルト・ガバメント』や『デザートウォーリア』などがある。

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東京で最も前衛的なハンバーガー

実際にはレストランではない。が、取り立てて特徴のない、葛飾区の住宅地域にあるこの珍しい店は、店の外壁にDIYのような見た目の自動販売機が2つ備えられた、小さなサンドイッチショップである。コインを入れ、プラスチックのハッチにハンバーガーが現れるまで待って欲しい(小さいがそれなりに美味い)。すべて人間が手作りしているため、ハンバーガーが直ちに出てこなくてもイライラしないこと。

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宇宙船で食べる寿司

ベルトコンベアから出てくるスタンダードな寿司に、飽き飽きしている人におすすめ。この近未来的な回転寿司店では注文された品が、よく消毒された宇宙船のような高速な滑り台で運ばれる。全ての皿は108円(残念なことに消費税が値上がりしてしまった!)だが、値段に見合ったクオリティである。東京初心者にとって楽しめる場所として、推薦したい。

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結論、メニューから直接注文した方が楽

口にする魚が新鮮か否か、その真意を知りたいと思うだろうか?であれば、店内で自ら魚を捕らえ、調理してもらい、ボートの形をした座席で食べればいい。やや宣伝のように聞こえるかもしれないが、この店は東京に5つの支店を持つ、優れたシーフードレストランである。釣りは案外難しく、釣ったものはすべて料金を支払わなければならないので、メニューから直接注文した方が楽かもしれない。

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世にもおぞましい居酒屋

騒がしい「アミューズメントレストラン」にというカテゴリー於いて、この店の名前はなくてはならない。アルカトラズは、渋谷のラブホテル街の真ん中ある、やや荒廃したオフィスビル内に刑務所病院を再現しており、尿瓶や注射器で供給されるドリンクや気味の悪いナースのウェイトレスなどで客を楽しませている。食べ物は標準的な居酒屋で出されるものだが、それ以外のものは面白いというよりおぞましい。

『アルカトラズE.R. 渋谷刑務所病院』の詳しい情報はこちら


「何これ?!」を求める旅行者へ

そういえば、東京にはキリストをテーマにしたレストランもある。アジアとヨーロッパを融合させた料理、『天使のトラップ』や『デスサイズヘル』など、想像力豊かなネーミングのカクテルをはじめとする支離滅裂なメニューを提供するこの新宿の奇妙な店は、単なる「何これ?!」要因としては、行く価値があるだろう。オールナイトのフェティッシュパーティの会場として時折使用される。嗚呼、何たる時代、何たるモラル。

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「料理を自分で作らせるって、一体どんなレストランだよ?」

「料理を自分で作らせるって、一体どんなレストランだよ?(映画『ロスト・イン・トランスレーション』のセリフより)」えっと、ボブ・ハリスさん、こちらです。東中野にあるこの店は、実のところ、キッチンスペースのレンタル店に近いだろう。気さくなオーナーが、安価でプロ仕様のキッチンと大きな冷蔵庫を好きなように使わせてくれる。友人と家庭料理を楽しみたいが、調理器具を持っていないアパート暮らしの東京都民にとって、この店は完璧な場所なの。事前に予約しておけば、設備のすべてを使用することができる。

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テキスト Ili Saarinen
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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