私達はなぜ踊ってはいけないのか?

タイムアウト東京、『World Nightclub Survey - クラブに関するアンケート調査』を実施

私達はなぜ踊ってはいけないのか?

FOOTLOOSE: PICTORIAL PRESS LTD/ALAMY

ここ数年、日本の警察は「ダンスという犯罪」を理由に、東京のナイトクラブへの立ち入りや、パーティの摘発を続けている。『フットルース』(1984年のアメリカ映画)に出てくるような、倉庫での怒りのダンスを繰り広げる代わりに、この常軌を逸した風営法についての不満をさらけ出してもらう為、タイムアウト東京英語版読者に調査を行った。

日本でのダンスが規制されていることを初めて知った時には、驚きを覚えるに違いない。この21世紀に、しかも世界のクラブ文化の中心地のひとつに於いて、深夜12時以降に踊ることが許されていないということがあり得るのだろうか。と、誰もがそう考えるからだ。

簡潔に言えば、ダンスを認めているあらゆる施設は、風営法の下に許諾を取得しなければならない。しかしながらその許諾を得るに当たって店やオーガナイザー達は、実に多くの条件をクリアしなければならない。例えば「メインフロアは66平方メートルの障害物がない平地」で、地域によるが「クラブは深夜12時もしくは1時までに営業を終えなくてはならない」のである。2010年以降、警察はオールナイトのパーティへの立ち入りや、認可なしにダンスをさせていたクラブを営業停止にするなどの措置を取って来た。結果として、クラブのオーナーやDJ、そしてただダンスを楽しみたいだけの人々が不満を募らせることになった。

警察によるこのような取り締まりの背後には、隠された動機があると考えている人もいる。例えば、日本社会における所謂「グレーゾーン」を一掃したいという当局の要望については、以前より繰り返し議論が行われてきた。一方で、警察はダンスの取り締まり自体に実は全く関心がなく、彼らは別の捜査の口実として風営法を利用しているだけだと主張する声も上がっている。

この風営法問題に対するタイムアウト東京読者の見解を知るため、2013年末にタイムアウト東京英語版ウェブサイト上で世界へ向けて『World Nightclub Survey - クラブに関するアンケート調査』を実施した。50%近くの人が1ヶ月に1回以上クラブに出掛けると回答。回答者からは、風営法および東京の全般的な現状に対して、以下のような声が寄せられた。

「私がよく行くクラブでは、風営法は適用されていないんじゃないかと思う。おそらく、警察は麻薬や暴力団など他の問題(私は1度も目撃したことはないが)の摘発が必要な際に、恣意的にこの法律を利用しているのではないか」(イギリス人、25~34歳、3〜5回)

Wombには世界レベルの音楽が流れ、Feriaには国際色豊かな素晴らしい人々が集まっている」(アメリカ人、25~34歳、1~2回)

「クラブの規制は廃止するべき。旅行者も含めて、人々を楽しませてあげないと」(日本人、35~44歳、1~2回)

「サウンドと雰囲気で言えば、UnitModuleBonobo以上のクラブはない」(イギリス人、25〜34歳、1~2回)

「みんなクラブに行くのが大好きなのに、閉店に追い込まれるクラブが増えて存在が危ぶまれている。風営法は時代遅れ」(オーストラリア人、25~34歳、回答なし)

「私は日本に住んでいるわけではないが、かつてはWombや恵比寿みるく、BulletsといったクラブでのDJプレイを楽しんでいた。近頃は、日本のクラブシーンについての話を聞くことは滅多にない。日本のエレクトロニック・ミュージックの大ファンとして、この「法律」は、若い人々の創造性と解放に悪影響を与えるのではないかと感じる」(イギリス人、35~44歳、1~2回)

※国籍、年齢層、ひと月にクラブに行く回数

テキスト タイムアウト東京編集部
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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