過労死を防ぐことができないのか?

タイムアウト東京、『Karoshi Survey - 過労死に関するアンケート調査』を実施

過労死を防ぐことができないのか?

YOKOTARO/PIXTA

今や世界共通語となったKAROSHI。この言葉の意味として、オックスフォード英語辞典には「働きすぎや仕事による極度の疲労が原因の死」とあるが、実際はそれだけでは説明できないほど深刻な問題なのだ。タイムアウト東京英語版読者に調査を行った。

長時間労働による精神的、肉体的負担。日本人特有の勤勉で真面目な国民性が仇となっていると言われており、仕事上のストレスが関連した心臓発作や脳卒中によって早死にするケースもあるという。近年、過労死問題における認知度の向上により、残業代ゼロの導入や労働時間の規制緩和に向けた動きも見られている。しかしそれでも、過労死や過労自殺による正確な死者数は、誰も把握できないほど増加し続けているのだ。

国際労働機関(ILO)は2013年、過労死を重要な社会問題と位置づけ、労働時間の減少、安全で健康的に働ける職場の確保、社会保障の充実、生産性も向上するような環境の整備など、早急に対応するよう、日本に初めての勧告を出した。

また『ストップ過労死』などの活動の影響も受け、過労死や過労自殺の防止を目的とした法律『過労死等防止対策推進法案』が、2014年5月27日に衆議院本会議で可決され、今国会で成立の公算が大きくなったのだ。

この過労死問題に対するタイムアウト東京読者の見解を知るため、2014年上旬にタイムアウト東京英語版ウェブサイト上で世界へ向けて『Karoshi Survey - 過労死に関するアンケート調査』を実施した。回答者からは、過労死および日本の全般的な労働の現状に対して、以下のような声が寄せられた。

「休みを取ること自体、後ろめたいと感じる」

「新法制定は大きな一歩。でも、日本人の労働に取り組む姿勢を改善させることも必要だ。流行に敏感で、トレンドや有名人の影響を受けやすい性質を生かし、ポップカルチャーを利用したキャンペーン活動が有効だと思う」

「団塊世代が若い世代に長時間労働を強制していると思う。時代遅れの労働環境を変えることを恐れている」

「みんな家族や自身を犠牲にせざるを得ないと思っている。そうまでする価値はあるのか」

「長時間労働は、雇用者次第」

「政治家や教育家、社長など、影響力のある人たちが、生産性が向上するような、バランスのとれたライフスタイルを浸透させる必要がある」

「残業させたくなくなるような、高い残業代を会社が支払うべきだ」

「労働時間が長いわりに効率は悪い。みんな忙しくしているように見せて、実際には何もしていない」

テキスト タイムアウト東京編集部
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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