2013年02月07日 (木) 掲載
友人、知人宅を訪ねる際、相手の顔を思い浮かべながら手みやげを選ぶのは楽しいもの。だが、訪ねる相手との関係によっては、何を選ぶべきか頭を悩ませてしまうこともあるだろう。そんな時に頼りになるのが、江戸の粋を感じさせる、品のあるおもたせだ。さり気ない洒落っ気のある品々は、目上の人から気の置けない友人まで、持参して喜ばれること請け合い。ここでは、老舗の甘味や佃煮、思わず自分用にも購入したくなる名店の寿司折りなど、東京のイーストエリアで手に入る“粋なおもたせ”を紹介する。
浅草寺の北側、“浅草の奥座敷”観音裏に構える、かりんとうの専門店。“東京三大かりんとう”に数えられる同店のかりんとうは、細身の形と上品な甘さが特徴。桜吹雪の描かれた茶巾袋入りの『ゆめじ』は、気取らないが華のある手みやげに丁度いい。
創業1930年(昭和5年)の甘味処。作家・池波正太郎も通ったという店舗は、昔ながらの風情ある古い建物で、東京都の歴史的建造物に指定されている。同店の名物は『揚げまんじゅう』。こし餡の甘さとモチモチの皮、カラッと揚がった衣の香ばしさと油分の調和が絶妙で癖になる味だ。
1862年(文久2年)創業の佃煮の老舗が、創業以来作り続けてきた江戸前佃煮。その中から、昆布、ごぼう、しらす、あさりという代表的な4点と季節の佃煮1点を詰め合わせたセット。カツオと昆布のだし汁パックが付いており、風味豊かな“ぶぶ漬け”が気軽に楽しめる。酒のアテや〆にするもよし、食事とともにあじわうもよしの優れものだ。
深川不動尊の参道入り口に構える1906年(明治40年)創業の和菓子店。創業以来の看板商品『焼き団子』は、国産もち米、上新粉にこだわった、もっちりとした食感が魅力。長年にわたり受け継がれてきた特製の“あまから”だれをたっぷりと絡めて味わってほしい。
並木通りにある和菓子店。看板商品の『空也もなか』は、サクサクの皮でたっぷりの自家製つぶし餡を包んだ、上品な甘さと香ばしい皮の風味がたまらない逸品。売り切れ必至なので、来店前に予約しておくのがおすすめ。
創業320年を越える江戸最古参の寿司屋では、戦国時代の兵糧に由来する笹巻き寿司を扱う。5貫から注文できる折り詰めのネタは、コハダ、かんぴょう、玉子など。笹にまかれた小さな寿司が箱の中でキュッと身を寄せ合う姿は愛らしいが、酸味の効いた味はなかなか刺激的だ。
水天宮前交差点に構える同店の『人形焼』は、七福神をかたどった形が特徴の水天宮土産の定番。しっとりとした極薄の皮の中には、甘いこし餡がたっぷり詰まっており、食べごたえ充分だ。縁起物の手みやげとしても喜ばれるだろう。
浅草から隅田川沿いの墨堤通りを20分ほど歩いた場所にある、1717年創業の桜もち屋。控えめで上品な甘さのこし餡を、小麦粉製の薄く伸ばした餅でくるみ、塩漬けした大ぶりの桜の葉3枚で包んだ関東風桜もちは、わざわざ足を運んで手に入れる価値あり。芳醇な葉の香りが餅に移ってほのかに漂う、繊細な逸品だ。葉を取らずに食べ、日本酒の供とするのもいいだろう。
数寄屋橋交差点近く、並木通りに構える1804年創業の煎餅店。創業より受け継がれる瓦煎餅『三味胴(しゃみどう)』は、小麦と卵を使用した煎餅に、職人が手作業で描く季節の絵柄が入った風情ある逸品。硬すぎず柔らかすぎない口当たりの良さと、焼き菓子を思わせる繊細な風味は、幅広い年代に受け入れられる味だ。
昭和通りからやや入ったところにある穴子料理の専門店。2005年創業の新しい店だが、伝統的な穴子料理を提供している。『箱めし』などもテイクアウトできるが、おもたせにおすすめなのは『穴子たっぷり太巻き』。卵焼き、しいたけ、かんぴょう、でんぶ、とびっこ、小松菜などの入った太巻きの上に、身の締まった穴子がのった食べごたえある巻き寿司だ。
築地に本店を構える玉子焼きの専門店。料亭の味を思わせる卵焼きは、柔らかいがさっくりとした食べ心地。どっしり甘い味付けと噛むごとに滲み出す風味豊かな出汁との相性も抜群だ。
神田川にかかる柳橋のたもとに構える佃煮屋。『糸切昆布』、『小えび佃煮』、『一と口あなご』など、昔ながらの手法で作る江戸前佃煮を取り扱う。詰め合わせの組み合わせは、『生あみ佃煮』と『糸切り昆布』が基本だが、リクエストすれば組み合わせの変更も可能。
亀戸天神近くに構える1805年(文化2年)創業の和菓子店。同店の代名詞とも言える『くず餅』は、しっかりとした食感の餅と、深みのある味わいの黒糖蜜、香り豊かなきな粉が三位一体となった絶妙な味わい。ヘルシー志向の人へもおすすめの手みやげだ。
上野広小路にある、あんみつで知られる甘味処。こしあんの程よい甘さ、寒天のコリッとした歯ごたえ、ほっくりと仕上がった赤えんどう、絶妙な食感の求肥、酸味の強いみかん、特製の黒蜜が奏でる「味のシンフォニー」は、昔から変わらぬ美味しさ。『白玉あんみつ』、『杏あんみつ』、期間限定の『苺あんみつ』など、バリエーション豊富なところも魅力だ。
雷門近くの和菓子店で、浅草ファンにはお馴染みの店。大福や羊羹、黒糖銘菓『松風』など、店頭には幅広い商品が並ぶが、一番人気は『どら焼き』。スポンジのような生地はしっとりとしていながらふわっとした食感で、パンケーキのような風味がたまらない。黒あん、白あんの2種類があるので、食べ比べてみるのもいいだろう。
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「手土産」「おみやげ」と「おもたせ」とでは、元の意味が違います。この記事の「おもたせ」の用法はおかしいのではないかと思います。一度、お調べになってください。
家が遠いので船橋屋さんの葛餅と鮒佐さんの佃煮は、よく通販で買ってます〜! http://www.shinisetsuhan.net/
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