東京、“激辛”麻婆豆腐 10

花椒(ホワジャオ)と唐辛子、豆板醤が効いた痺れる一品

Read this in English
東京、“激辛”麻婆豆腐 10選

四川料理を代表する『麻婆豆腐』といえば、花椒による痺れる辛さの“麻(マァ)”と、朝天唐辛子や豆板醤による辛さの“辣(ラァ)”、この2つが合わさった独特の辛さが身上だ。そもそも、中国西方にある四川地域は、盆地特有の高温多湿の気候を乗り切るために、発汗を促しつつ爽快感をもたらすために、こうした味付けが浸透したと言われている。ここでは、とくにその麻辣が際立った麻婆豆腐を楽しめる東京都内の店をピックアップ。梅雨時のじめじめ感と猛暑を乗り切るためのガイドとなれれば幸いだ。


原宿 龍の子

竹下通り口で1977年から続く老舗四川料理の龍の子では、花椒の香り、朝天辣椒と豆板醤の辛さ、自家製している豆豉醤の奥行きのある風味など全てがバランスよくまとまった、だが容赦なく辛い本場の『麻婆豆腐』(1,700円)が楽しめる。辛さの好みに応じて、味の調整も可能。また、ランチでは945円で楽しめるのもうれしい。原宿で本格的な味を食べたくなったら是非訪れたい店。
『龍の子』の詳しい情報はこちら

神田 雲林

神田、淡路町エリアにある雲林の『麻婆豆腐』(ランチ1,000円)は、食べ進むうちにいつの間にかぶわっと汗が出てくる辛さが特徴。たっぷり入る鷹の爪の辛さ、自家製辣油に使っている朝天辣椒の辛さに、花椒粉の痺れる辛さが加わり、複合的な味が楽しめる。食感よく粗挽きにした挽肉、たっぷり入るネギなど、食感よく仕上がっており、ご飯が止まらなくなるはず。
『雲林』の詳しい情報はこちら

赤塚 芝蘭

赤塚の静かな住宅街で、20年にわたって地元や近隣住民から愛されている四川料理専門店の芝蘭。ここでは、普通の『麻婆豆腐』(これもすでに普通より辛め)に加え、本場四川の作り方に倣った『陳麻婆豆腐』(ランチ1,100円)の2種が楽しめる。もちろんおすすめは、唇から口の中までビリビリ痺れる辛さが特徴の後者。
『芝蘭』の詳しい情報はこちら

歌舞伎町 川香苑

歌舞伎町で猛烈に痺れる辛さの四川料理を食べたくなったら、川香苑がいいだろう。多様な料理が揃う中でも、ここの『麻婆豆腐』(980円)は外せない皿のひとつだ。四川省特産のピィ県豆板醤を使った熟成感のある辛さと旨味に、花椒特有の麻が加わり、清涼感のある辛さが味わえる。ご飯だけでなく、紹興酒などの酒との相性もいい。
『川香苑』の詳しい情報はこちら

八重洲 唐人吉華

八重洲にある唐人吉華は、上野毛にある四川料理の名店、吉華の系列店。ここの『麻婆豆腐』(1,700円)は、麻辣の双方がきっちりと際立った味だが、辛さなし〜スペシャルブレンド(店中がむせ返るほどの空気に包まれるという)まで、なんと8段階の辛さを設定している。ただし、“普通”でも十分なほど辛さとシビレが楽しめるので、辛さのレベルアップは、本当に辛いものが好きという人にだけ勧めたい。ランチは900円で楽しめるのもうれしい。
『唐人吉華』の詳しい情報はこちら

原宿 東坡(トンポー)

赤黒い花椒がたっぷりと入り、香り、見た目、ともに強烈な『麻婆豆腐』(2,500円)。一口、二口とすくって口へと運ぶと、次第に、強烈なシビレがやってくる。麻に比べ、辣はさほど強くないので、舌の痛みが尾を引くようなことはないが、花椒に慣れていなければ、ここで箸を置く人も多いだろう。だがこのシビレを超えれば、しっかりとした旨みも感じられ、病みつきになる。
『東坡』の詳しい情報はこちら

日暮里 深せん

谷中銀座、夕やけだんだんの手前にある小さな定食屋、深せんの『麻婆豆腐飯』(800円)は、花椒をふんだんに使った四川式だ。ご飯の上にかけられた麻婆豆腐、その辛さは、青唐辛子と大量にふりかけたられた花椒によるもの。シビレでは東坡に及ばないものの、しっかりと辣(辛さ)が効いており、バランスがよく美味い。何より、この値段でこの辛さが味わえるのが素晴らしい。
『深せん』の詳しい情報はこちら

本郷三丁目 栄児 家庭料理 本郷店

四川の家庭の味を伝える栄児は、素朴だがしっかりとした辛さのあるメニューが豊富だ。麻婆豆腐だけでなく、担々麺、そして水餃子(ランチ時は食べ放題)に添えられたタレにまで花椒が効いている。『麻婆豆腐』(ランチ 1,000円)にはざっくりと切った木綿豆腐を使い、花椒と唐辛子で味付けしている。油分が少ないため、あっさりとしているように見えるが、しっかりとしたシビレがある。
『栄児 家庭料理 本郷店』の詳しい情報はこちら

神田 五指山

かつては松陰神社前に店を構えていたが、神田へと移転した五指山の麻婆豆腐は、花椒の風味を損なわぬよう、ほどよい熱さのまま土鍋で提供される。土鍋で提供される『麻婆土鍋ご飯』(大1,500円)は、たっぷりのご飯の上に、豆板醤、唐辛子、花椒などで味付けされた麻婆豆腐がたっぷり。旨みのある挽き肉と、ほどよい麻と辣は、ご飯との相性がばつぐん。
『五指山』の詳しい情報はこちら

岩本町 巴蜀

四川料理を提供する巴蜀の『成都麻辣豆腐』(中 1,000円。辛口はプラス200円)は、花椒、そして唐辛子とラー油をたっぷりと使った辛くて痺れる一品。ここではぜひ、辛口を注文してほしい。通常の麻婆豆腐でも十分な辛さを味わえるが、麻(マァ)と辣(ラァ)を存分に味わいたいのであれば、辛口を。
『巴蜀』の詳しい情報はこちら


Takeshi Tojo
タイムアウト東京編集部
※掲載されている情報は公開当時のものです。

この記事へのつぶやき

コメント

Copyright © 2014 Time Out Tokyo