東京、梅の名所12

梅の見ごろ、食べごろ、一瞬の季節を見逃すな

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東京、梅の名所12選

桜に比べると地味な印象の梅。とはいえ、奈良時代は“花”といえば梅を指すことのほうが多かった。早いものではお正月頃から花を咲かせ、2月上旬には見ごろを迎える。咲くのも散るのもゆっくりなのが梅の特徴だ。そして、何より梅は香りがよい。東京には思ったよりもずっとたくさんの梅の名所がある。梅を愛した菅原道真公を祀った天満宮では、どこでも美しい梅の花を見ることができる。趣のある梅を楽しむにはちょうどいい。羽根木公園で開かれる『せたがや梅まつり』は、レジャーシートを広げてお弁当を食べたり、のんびりと梅を眺めるのにちょうどいい。また、梅大福をはじめ、梅ジャム、梅ジュース、羽根木梅パイなど梅にちなんだお菓子が売られていて、どれも人気が高い。お天気のいい休日は、東京で梅見に出かけるのはどうだろうか。梅が早い春の訪れをわたしたちにそっと告げてくれる。

湯島天神『第53回梅まつり』

学問の神様、菅原道真公を祀る湯島天神。江戸時代より『梅の名所』として、庶民に親しまれてきた。境内には、約300本(8割が白梅)の梅の木があり、例年、2月中旬から3月上旬にかけて見ごろとなる。期間中は、湯島白梅神太鼓、神輿渡御、野点(参加費300円)、講談、落語などの開催が予定されている。また、限定記念品として『梅まつり記念絵馬』(1000円)、梅のハンカチ(全3色、各500円)もある。

期間:2010年2月8日(月)から3月8日(月)まで
住所:東京都文京区湯島3-30-1
電話:03-3836-0753
ウェブ:www.yushimatenjin.or.jp/

つる瀬『むすび梅』

湯島天神の門前にある老舗和菓子店。この店の人気商品『むすび梅』は、湯島天神の境内にあった樹齢190年の“むすび梅”という古木が名前の由来。強風で倒れてしまったため、現在では見ることができないが、この古木は幹が雄雌二枝に分かれ、先の部分で結び合っためずらしい白梅だ。宮城産のもち米と北海道産の大豆を蒸し、切り昆布をはさみ、紀州の梅干しをのせたおこわで、日によっては売り切れることも。確実に手に入れたい場合は電話で取り置きも可能。

住所:東京都文京区湯島3-35-7
電話:03-3833-8516
営業時間:8時30分から21時00分まで
ウェブ:www.wagashi.or.jp/tokyo/shop/1111.htm

羽根木公園『第33回せたがや梅まつり』

小田急線梅が丘駅の西側にある羽根木公園は梅の名所として知られている。公園全体が小高い丘になっていて、紅白梅合わせて60種以上、約650本が2月上旬から見ごろになる。期間中には、抹茶サービス、筝曲演奏、俳句講習会、写真撮影会、甘酒、抹茶野点・茶席などの数多くの催しが予定されてにぎわう(詳細はウェブサイトで確認を)。

期間:2010年2月6日(土)から28日(日)
住所:東京都世田谷区代田4-38-52
電話:せたがやコール 03-5432-3333
ウェブ:www.city.setagaya.tokyo.jp/040/d00010556.html

亀屋『梅大福』

小田急線経堂駅の近くにある小さな和菓子店。招き猫のかたちの『招福最中』も人気だが、季節限定で『梅大福』を発売している。この大福、羽根木公園の『せたがや梅まつり』期間中に公園内で販売されているが、とても人気があり、すぐに売切れてしまうほど。大福もちの中に白あんと青梅が入った、甘酸っぱい大福だ。

住所:東京都世田谷区宮坂3-12-2
電話:03-3429-0208
営業時間:10時00分から20時00分まで 水曜定休
ウェブ:www.kyodo-suzuran.com/shop/2_1/9/

隅田公園『第6回浅草・隅田公園梅まつり』

隅田川沿いにある公園で、右岸の浅草、左岸の向島にまたがる。春は桜が有名。公園内には、梅めぐり散歩道や梅園がある。約1200平方メートルの敷地に紅白梅10品種約150本が咲き誇る。期間中は、野点茶会、筝曲演奏会などが楽しめる。また、公園からは建設中の『東京スカイツリー』を眺めることができる。

期間:2010年2月20日(土)から21日(日)まで
住所:東京都墨田区向島1、2、5
電話:公園緑地課03-5246-1321
ウェブ:www.city.taito.tokyo.jp/

アンヂェラス『梅ダッチコーヒー』

浅草オレンジ通りにある欧風の喫茶店。作家・池波正太郎など多くの著名人の集まった店として知られる。落ち着いた店内は、浅草散策の後に立ち寄るのにもぴったりだ。看板メニューのひとつは、梅酒(梅入り)を添えた『梅ダッチコーヒー』というアイスコーヒー(梅アイスティーもある)。水出しコーヒーに梅酒を加えながら飲む。

住所:東京都台東区浅草1-17-6
電話:03-3841-9761
営業時間:10時00分から21時30分まで 月曜定休
ウェブ:ryoma.cantown.jp/cgi-bin/WebObjects/Cantown.woa/wa/shop?id=122

梅花亭『三色梅最中』

明治中期に創業した、浅草橋にある和菓子店。創業以来、昔ながらの手作りにこだわっている。ここの名物梅もなかは、梅の花のふくよかな姿をそのまま再現した紅梅、白梅、たそがれの梅の3種類。それぞれこだわりの、千鳥あん、こしあん、小倉あんが入っている。

住所:東京都台東区柳橋 1-2-2
電話:03-3851-8061
営業時間:8時30分から18時00分まで(土曜は17時00分まで) 日祝定休
ウェブ:www.rakuten.co.jp/baikatei/

小石川後楽園『春を呼ぶ小石川後楽園 黄門様のお庭で梅まつり』

小石川後楽園は水戸光圀公ゆかりの庭園。約120本の紅白梅の梅林があり、2月中旬の見ごろには、辺り一面に梅の香りが漂う。期間中は毎日、庭園ガイドがある。時間は11時、14時(各回約60分)。費用は無料(入園料別途)。13日には、『水戸梅大使・黄門様のお出迎え』イベントとして、水戸の観光をPRする梅大使と黄門様ご一行が来園する。そのほかにも江戸太神楽や二胡、琵琶の演奏などの催しものも。

期間:2010年2月13日(土)から28日(日)まで
ウェブ:teien.tokyo-park.or.jp/event/090113_koi.html (ヴェニューはこちら

六義園『早春の六義園~和を楽しむ~』

江戸幕府五代将軍徳川綱吉の寵臣、柳沢吉保が造った日本庭園で、小石川後楽園とともに江戸の二大名園として知られる。園内は柳沢吉保の文学的造詣の深さを反映し、和歌の趣味を基調となっている。庭園は大泉水を樹木が取り囲み、紀州の和歌の浦の景色を始め、万葉集や古今和歌集に詠まれた日本の名勝を取りこんだ景観が造られ、それらにちなんだ名前がついている。梅が見ごろとなる2月13日から、和歌の浦にまつわる講演会など園内の和を楽しむ催しが開催される。

期間:2010年2月13日(土)から21日(日)まで
ウェブ:www.metro.tokyo.jp/INET/EVENT/2009/12/21jc8200.htm (ヴェニューはこちら

向島百花園『梅まつり』

江戸時代に骨董商を営んでいた佐原鞠塢が草花鑑賞用の花園として開園した。開園当初は360本の梅が主体で、『新梅屋敷』と呼ばれていた。毎年、梅の見ごろにあわせて「梅まつり」を開催する。期間中の土日11時、14時(各回約30分)に、園内の梅を中心に庭園ガイドボランティアが案内してくれる。費用は無料(入園料別途)。そのほかにも、投扇興、江戸大道芸、新内・浄瑠璃など江戸の文化を体験する催しが楽しめる。

期間:2010年2月6日(土)から3月7日(日)まで
住所:東京都墨田区東向島3-18-3
電話:03-3611-8705
開園時間:9時00分から17時00分
入園料:一般及び中学生150円、65歳以上70円 (小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)
ウェブ:www.tokyo-park.or.jp/park/format/index032.html

亀戸天神『梅まつり』

菅原道真公を祀り、下町の天神さまとして広く知られている。春には梅、藤、秋には菊と四季折々の花が咲き、花の天神さまとも呼ばれる。境内には、約200本(紅梅 50本 白梅 150本)があり、早いものは正月あたりから咲き始める。見ごろは2月上旬から3月上旬あたり。なかでも、ひとつの木に紅梅と白梅の花が咲く『五賢の梅』は一見の価値あり。 道真公の命日の2月25日には、「菜種御供」が行われる。

期間:2010年1月31日(日)から2月28日(日)まで
住所:東京都江東区亀戸3-6-1
電話:03-3681-0010
ウェブ:www.kameidotenjin.or.jp/

牛天神 北野神社『第28回牛天神紅梅まつり』

菅原道真公を祀っている神社。道真公が梅の花を愛したことから、毎年牛天神紅梅まつりを催している。期間中、土曜日には甘酒やしょうが湯を、日曜日には、梅のお菓子(牛天神 北野の紅梅)、1日限定100個の梅の実と、『北野の福紅梅』の梅酒(神社の梅の実を5年から10年ねかせたもの)、甘酒をふるまっている。また、最終週の日曜日には、梅の小枝(限定200本、1人1本ずつ) をもらうことができる。牛天神オリジナル、紅梅まつり期間限定の短冊絵馬、紅梅守(健康守り)、献梅守護守(家内安全守り)がある。

期間:2010年2月1日(月)から25日(木)
住所:東京都文京区春日1-5-2
電話:03-3812-1862
ウェブ:www.ushitenjin.jp/

テキスト 寺田愛
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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