ひと味違う、東京の豆まき

日本で最初の豆まきをした寺から地上150メートルの豆まきまで

ひと味違う、東京の豆まき

“鬼は外、福は内”、不景気で元気のない近頃、節分ぐらいは思い切り豆をまいて、福を呼びこみたいもの。2月3日は、季節を4つに分ける立春の前日で、節分と呼ばれる。昔から季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられ、それを追い払うために豆をまいたり、柊の枝にいわしの頭を刺したものを戸口に立てる風習があった。東京でも、各寺社で節分の行事が予定されている。芸能人や相撲力士などを招いて、威勢よく豆をまくにぎやかなものから、地元密着型の小さな寺社で行われるものまでさまざまだ。また、関西発祥の「恵方巻き」も節分の風習のひとつとして、東京でも根付きつつある。最近では、コンビニエンスストアやスーパーなどでも手軽に買うことができる。節分の夜、今年の恵方「西南西」を向いて、願い事を思い浮かべながら無言で一気にかぶりつくのが正しい食べ方なのだそう。今年も東京では、地上150メートルの豆まきや天狗の豆まきなどのユニークなイベントが勢ぞろいしている。

東京タワー

東京タワー大展望台2階では、今年も豆まきが行われる。大展望台は、地上約150メートルの高さ。増上寺の僧侶が前年の邪気をはらった後、招福を願って美しい景色を眺めながらお菓子や福豆をまく。また、恵方巻きの丸かぶりができるコーナーも。豆まきが終わる11時頃から、今年の恵方である“西南西”を向いて、恵方巻きを食べることができる。西南西はちょうど富士山の方向。この1年間を無事と幸福を願って、恵方巻きにかぶりつくのも楽しい。恵方巻きは370円から(お茶付き)。

日時:2010年2月3日(水)10時45分から11時00分頃まで(恵方巻きの丸かぶりは11時00分から21時00分頃まで)
住所:東京都港区芝公園4-2-8 東京タワー大展望台2階エレベーター前
問合せ:03-3433-5111
ウェブ:www.tokyotower.co.jp/

穴八幡宮

早稲田大学そばにある八幡宮。平安後期に創建され、小穴から阿弥陀像が出現したことから穴八幡として知られるようになった。この八幡宮では、冬至の日から節分まで「一陽来復」お守りが頒布される。これは、江戸時代から続く伝統ある金銀融通にご利益があるお守り。毎年定められた方角に、大晦日か節分の午前0時に貼る。八幡宮では、最終日の3日に豆まきも行われる。

日時:2010年2月3日(水)14時00分から
住所:東京都新宿区西早稲田2-1-11
電話:03-3203-7212
ウェブ:なし

浅草寺

下町を代表する名所、浅草寺。この寺の節分会は、日本で最初に寺院で大規模に行われたものだそう。1700年初頭には、江戸の町中で有名になっていた。今では、著名人の豆まきが16時から20分おきにあり、約10万人が訪れる。また、1964年に創始された「七福神の舞」が奉演される。これは、江戸末期から明治初年まで浅草猿若三座の一つ「市村座」で興行に先立って演じられた狂言を再興したもの。節分会に観音さまの功徳を讃える。

日時:2010年2月3日(水)14時00分から
住所:東京都台東区浅草2-3-1
電話:03-3842-0181(10時00分から15時00分まで、日祝除く)
ウェブ:www.senso-ji.jp/

しもきた天狗まつり

2010年1月29日(金)から31日(日)まで 小田急線、井の頭線下北沢駅から歩いて5分ほどのところにある曹洞宗大雄山真龍寺は天狗を祀っている。真っ赤で大きな天狗の顔が祀られていて印象的だ。そのことから若者の町、下北沢では、毎年「しもきた天狗まつり」が行われている。2010年1月29日から始まり、初日は19時から21時まで、烏天狗さまが一番街商店街にある夜間営業の飲食店に山伏の法螺貝、天狗太鼓とともに出没するというサプライズな豆まきを行う。30日は14時から16時まで、大天狗、烏天狗のほか、山伏、福男、福女、総勢100名が商店街中を福豆をまきながら練り歩く。

下北沢一番街商店街振興組合
住所:世田谷区北沢2-37-17
電話:03-3468-2933
ウェブ:www.shimokita1ban.com/omatsuri/tenguuuu.html

神楽坂 毘沙門天

花街の情緒を残す神楽坂は、外国からの旅行者のみならず日本人にも人気のスポットだ。その神楽坂の中ほどにある毘沙門天では、神楽坂花柳界の芸妓も招き、にぎやかに豆まきが行われる。年男、年女だけでなく申込みをすれば豆まきに参加することも可能だ(参加費5000円が必要)。

日時:2010年2月3日(水)14時から
参加費:5000円(申込が必要、お土産付き)
住所:東京都新宿区神楽坂5-36
電話:03-3269-0641
ウェブ:www.kagurazaka-bishamonten.com/

須賀神社

江戸時代初期から四谷の地に鎮座し、この土地の人々から鎮守様として大切に祀られてきた神社。この神社は、寅年生まれでなくても豆まきに参加できる(参加費として8000円が必要)。当日は社殿で祭典に参列し、その後に神楽殿で鬼打ち豆をまく。参加は電話で申込みを。

日時:2010年2月3日(水)第1回目14時00分から、第2回目15時30分から
参加費:8000円(予約が必要、打ち豆・福枡・厄除け木札・御神酒・撤下品、終了後のお直会の費用も込み)
住所:東京都新宿区須賀町5
電話:03-3351-7023
ウェブ:www.sugajinjya.org/

テキスト 寺田愛
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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