パブリックアイ 第12

庄子いと(38)都立大学駅にて

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パブリックアイ 第12回

庄子いと 鍼灸師

花が好きなんですか?

庄子:花は大好きです。職場にも必ずグリーンを置いています。

仕事は何をしているんですか?

庄子:鍼灸師です。すぐそばに治療院があるんです。

鍼灸師ですか?ちょっとイメージが違うというか……。

庄子:(笑)鍼灸師って、コツコツ真面目で地味なイメージですよね、きっと。私は会社勤めを経験してから鍼灸師になったので、ずっと鍼灸を志してきた方とは少し違うかもしれません。

洋服はどこで買っていますか?

庄子:自由が丘にあるセレクトショップや、『ZARA』でも良く買い物をしています。

ところで、鍼灸師ってどうしたらなれるんですか?

庄子:3年間専門学校に通うと、国家資格を受ける資格が得られます。その後、国家試験を受け、それに受かれば、めでたく鍼灸師になれます。鍼灸師と言っても、鍼師と灸師の2種類の免許が必要になります。

庄子さんはどうして鍼灸師になったんですか?

庄子:もともと小さい頃から頭痛とかあって、鍼灸院に通っていたんです。あと、私はおばあちゃん子で、祖母が大好きなんです。祖母の介護を通じて、触れることの価値を知りました。さするだけで体調が良くなっていったりするんですよね。祖母と一緒にいる時間を長く持つために、鍼灸師を目指しました。

西洋医学は原因がわかってから処方をする。熱があるから解熱剤を出す。頭が痛いから鎮痛剤を出す。だけど、東洋医学は統合医療なので、直接的な原因がわからなくても、体も心も全部考えながら治療して、それぞれの自然治癒力を高めていくのが魅力だと思います。

東京に住む様々な人に触れていると思いますが、似た傾向はありますか?

庄子:すごく忙しくて、なんで今私の体は頑張ってくれないの?ここで頑張ってくれなくちゃ困るよ!って、自分の体に対して怒っている人が多いように思います。私はもともと金融業界にいて、海外とのやりとりで時差があって、朝は早いし、夜は遅いし、本当に大変なスケジュールでした。だから、体を追いつめてしまう気持ちも良くわかります。渦中にいると流れているからやっていけるんだけど、ちゃんと地に足がついていなくて、どんどん疲れがたまっていってしまうんですよね。

簡単に疲れをとる方法はありますか?

庄子:ちょっとしたことで、体は喜んでくれるんですよ。たとえば、「がんばってくれてありがとう」って声をかけること。シャワーじゃなくて、ゆっくり湯船につかって、ひとこと「今日もありがとうね」と言うだけで変わっていきます。たとえ短時間だったとしても眠りの質が向上しますし、食事も美味しく感じられると思います。体はひとつしかありません。だから、その体と長くつきあっていくために、いたわってあげて欲しいと思います。 自分で自分をよしよし。「I love me me me」はただのわがままだけど、「I love me」は大事です。

最近、顔がたるみがちなんですが、押すとぐっと上がるツボはありますか?

庄子:(笑)シャンプーをする時に、耳からこぶしひとつ分くらい上を、ぐりぐりぐりとほぐしてみてください。顔の筋肉がゆるんで、表情が柔らかくなります。それから、体の節、首、手首、足首など体のジョイント部分を冷やさないようにしてください。首は特に温かく保ち、何か巻物をするようにすると良いですよ。

スイーツでストレスから解放されるという人に、都立大学周辺でおすすめのお店はありますか?

庄子:お花屋さんや雑貨屋さんも併設されている『テラスカフェ720』は、開放感があって素敵ですよ。それから、私がいつも手みやげにしている『ちもと』の『八雲もち』は、ほかの和菓子屋さんではなかなか味わえないスイーツで、おすすめです。

さらに“いとさん”から

「ワレモコウという野の草が1番好きです。それから、ふわぁっと花びらを開いていくバラは本当に美しいと思います」

「外国の方も治療院に来てくださいます。脈で体の状態を知る脈診を自分でできる方もいらして、とても勉強熱心な方が多いです」

「たくさん治療院を建てるとかそういうことじゃなくて、たくさんの人が、日々ほっこりと感じる時間をつくるお手伝いをできたら幸せだと思います」

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テキスト 東谷彰子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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