治せない淋病菌が日本で発見された?

想定外の速さに科学者たちは懸念

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治せない淋病菌が日本で発見された?

タイムアウトの読者は情報に敏感な人たちだが、先月の記事Tokyo sex(英語)を読んで実際に体験してみようという人たちは、少しだけ待ってくれないだろうか。正確な知識で性病予防が出来ているのか、考える必要がある気になるニュースがあったのでまずは読んでみてほしい。今週はじめに、カナダのケベックで開かれた国際性感染症学会(英語)で報告されたレポートによると、治療方法が全く存在しない淋病が日本で見つかったという。

スウェーデンのマグナス・ウネモ博士と日本の大西誠人博士らによる日本の性産業従事者に対しての研究から、新たに発見された淋病には、どの治療も役に立たないということが分かった。淋病を引き起こす淋菌(りんきん、Neisseria gonorrhoeae)に、性感染症に通常使われているβ-ラクタム系抗生物質セファロスポリンを試してみても、全く効果がなかったという。この新しい強力な淋病を彼らは『H041』菌と名付けた。

淋菌は10年から15年という短い間に進化をする能力を持っている「賢いバクテリア(スマートバクテリア)」と呼ばれているが、だからこそ「この発見は警告でもあり、それと同時に十分予測することもできる」とウネモ博士は語る。「抗体治療が1940年代に淋病の標準的な治療として確立してから、このバクテリアは与えられたあらゆる薬の効果を消してしまうような、驚くべき能力を身につけた」という。

「日本は、これまでにも様々な淋菌が最初に発見され、世界的に広がっていく原因であることが歴史的に多かった」ともウネモ博士は言う。もちろん本当に怖いのは、『H041』菌がどれぐらい速く広がっていくか、であろう。専門家によると、 日本でのコンドーム使用状況 は急速に減っており、10年前の1/3まで落ち込んでいるという。もちろん、HIVやAIDSの患者数は記録的な多さにまでなっている。

淋病(ニックネームではザ・クラップと呼ばれる)は、STDのもっとも一般的なものであり、(英語)や女性器、男性器、そして肛門から感染すると言われる。もしも淋病にかかったら、男性の場合、小便をするときにペニスに燃えるような感覚を覚えるという。ペニスから白や黄色、緑の膿が出はじめ、睾丸が腫れてくる。

女性の場合、小便の際に燃えるような感覚を覚え、ヴァギナから膿が分泌され、性交の際に下腹部などに痛みを感じるようになる。

治療をせずに症状が悪化すると、性的器官の合併症、不妊、心臓弁の感染症、腎不全、髄膜炎など深刻な病気に発展することもある。

安全に楽しみましょうね、皆様!

By ジョン・ウィルクス
翻訳 西村大助
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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