災害情報をツイートし続けた6

ジョセフ・テイム:@tamegoeswild

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災害情報をツイートし続けた6人

本名:ジョセフ・テイム
ユーザーネーム@tamegoeswild
所在地:東京、目黒
職業:デジタルメディア・プロデューサー

地震発生時は、どこにいましたか。
渋谷駅です。私のレポートはここで見られます。

いつの時点でツイッターを使おうと思いましたか。ツイッターが相応しいと思ったのはなぜですか。
直後です。これは、地震が起きたときの自然な対応です。ツイッターを使う理由はいくつかあります。まず、ツイッターは、ほぼ最速で地震情報を得られます。気象庁のホームページよりも速い @earthquake_jp に感謝です(私たちにはテレビがないですし)。また、すぐに友人の安否を確かめられ、自分の無事も家族や友人に直ちに伝えることができました。

その後、東京での生活はどうですか。
金曜の夜の渋谷の光景は、夢を見ているようでした。渋滞にはまったバスを待つとても長い人の列、何千人という人が立ち往生していました。それよりも、渋谷駅から家に向かう人の波の一部に自分もなっているということが、ハリウッド映画に出てくる場面のようで、とても奇妙に感じました。

それから、ガソリン不足がありました。東北へ行くために、私は文字通り6時間、ガソリンとガソリン缶を求め日曜日をさまよいました(ジョセフは被災地へ向かうリポーター達を援助していた)。東京中で缶は売り切れ、入荷は週末までないとのことでした。やっとのことで、配達業を営む友人から一つ借り受けましたが、それでも2000円分までという制限がありました。

福島原発から70kmにある、郡山避難所まで行きました。東京からそう遠くないところで、自衛隊が高速道路(一般には閉鎖中)を上っていくのが見えたので、それが北への支援活動の最初のしるしでした。郡山では、被曝の可能性がある人達を受け入れる場所ができていました。放射線防護服に身を包んだチームが、家族連れをガイガーカウンターで調べているのを見たときは、映画『E.T.』のシーンのようでかなり衝撃的でした。家族4人(と犬1匹)が調べられました。母親と息子、おばあちゃんは大丈夫でしたが、父親のズボンから放射線が確認されました。父親はテントに連れて行かれると、服は処分され、体中を洗い流されました。

あとでその家族と話をしてみると、驚くべきことにみんな落ち着いており、父親は冗談まで言うほどでした。彼は、原発から数キロの家を離れて、今後どうするつもりかを話してくれました。友人達が受け入れてくれるとのことでしたが、自宅へ帰る目処は全く立っていませんでした。係員に聞いたところ、その日(3月14日 月曜日)に調査された4295人のうち、144人が陽性と確認されましたが、さきほど目撃したような軽症ばかりだったそうです。隔離が必要となるケースはありませんでした。

それからある避難所へ行き、医師とスタッフ、避難者達に話を聞きました。医師の主な心配は被曝ではなく、PTSD(心的外傷後ストレス障害)のような、地震と津波の体験からもたらされる心理的影響でした。全体的に、そこは驚くほどに平静でした。自衛隊は給水所を管理していました。食べ物・毛布・非常用トイレが配られ、野球のバッティングホールは、大勢の人の家になっていました。「誰もがどうしたら周りの役に立てるかを考えている」と言われました。「誰も自分のことを考えていない」と。

16才の青年は、地震が起きた時、どんなに怖かったかを話してくれました。ケガもなく家族となんとか脱出し、直ちに避難所へ来ることができました。数日そこで過ごし、今の願いは元の生活に戻ることだけとのことですが、青年の家は崩れ、余震も続いているのでそれはできないことでした。「学校へ行くのが嫌で仕方がなかった」彼は言いました。「でも今は、元の生活に戻って、一生懸命勉強して友達に会いたい」。

私たちは、もっと北を目指す予定でしたが、それは帰りのガソリンがなくなることを意味していました。ここまで、たった2つのガソリンスタンドしか開いておらず、うち1カ所は1000円分しか販売しないという状況でした。ガソリンや援助チームがいないということ、原発では不安定な状態が続いているということで、苦渋の決断を下しました。

郡山地区は、限定的な損害に収まっていました。4階建てのビルが完全に崩れているのを2つほど見かけましたが、あとは家を囲う壁などが崩れている程度でした。一番の問題は、水のような必需品が得られないことでした。

ツイッターフォロワーへの情報更新のために、なくてはならない情報源は何でしたか。
北への旅は別として、震災の影響を受けた地域にいる友人達からの電話と、他のユーザーからの英語・日本語両方のツイートです。素晴らしい仕事をしているマーティン・ウィリアムズと、支援に関する正確な情報を発信していたタイムアウト東京は、讃えられるべきだと思います。

一方で、AP通信社に類する扇情的な報道(ニューヨークタイムズも若干これに値する)には、注意を払っていません。さまざまな情報源からの原子力専門家の意見を聞いてきました。

正直に、土曜日より以前に“シーベルト”を聞いたことはありましたか。
いいえ!

多くの人が東京の安全性を心配しています。首都から避難することを考えていますか。現時点での考えを教えて下さい。
日本国内外の原子力専門家が、安全だと言っていることを信じています。私は残ります。北で被曝した人達と出会いました。原発に極端に近いわけではないのなら、論じられている量は、健康被害になるほどではありません。

先日、成田空港へジャーナリストを見送りに行った際、到着ロビーの静けさと出発ロビーの慌ただしさにショックを受けました。出発する多くの人が、扇情的な外国メディアに影響された外国人達のように見えました。

特に紹介しているチャリティ活動やNPO組織はありますか。
タイムアウト東京 や、このページをお勧めしています。

万事良い方へ向かったとして、近い将来、東京で一番楽しみにしていることは何ですか。
桜の到来。

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インタビュー ジョン・ウィルクス
翻訳 ウィルクス 恵美
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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