テーマはJAPON、チョコの祭典

伊勢丹新宿店『サロン・デュ・ショコラ2011』の見どころ

ファブリス・ジロット『アンスピラシオン・ジャポン』
クリスティーヌ・フェルベール『ショコラ・ルージュ・エ・ブラン』
ベー・ドゥ・リヨン『タブレット・ジャポン』
サロン・デュ・ショコラ2011限定セレクションボックス『セレクション JAPON』
ユーゴ&ヴィクトール『カルネ・サブール』
オテル・デュ・キャップ-エデンーロック『ショコラ・アソート』
ドモーリ『クリオーロ6種』
プラリュ『ピラミッドBio』
エルセイボ『ヘリテイジ・カカオ75%』
パティスリー・キュブレー・アサミ・ヨシノリ(浅見欣則)『ショコラ・アソート』
ナオミ ミズノ×洋菓子マウンテン(水野直己)『スティック』

2011年1月26日(水)から31日(月)までの6日間、チョコレートの祭典『サロン・デュ・ショコラ』が伊勢丹 新宿店で開催される。1995年にパリで始まったこのチョコレートの祭典は、2003年に伊勢丹 新宿店で開催されるようになり、9回目を迎える。今年登場するのは15カ国約70ブランド。世界トップレベルのショコラティエ(チョコレート職人)たちが作り出す最新のショコラ、オリジナル限定ショコラが一堂に会する、1年に1度のチャンスだ。M.O.F(フランスの国家最優秀職人章)パティシエ、ショコラティエも多数来日し、年を追うごとに盛り上がりを増す話題のイベントとなっている。世界の最新ショコラ、一流のショコラに出会うため、チョコレートファンのみならず、多くの人に足を運んでほしい。

2011年のテーマ「JAPON」を打ち出した新作ショコラ

毎年テーマを設けて開催されるサロン・デュ・ショコラ。今年のテーマはJAPON(日本)だ。海外の実力派ショコラティエたちが日本をコンセプトに作り出した新作ショコラに注目したい。

ファブリス・ジロット『アンスピラシオン・ジャポン』

1990年、当時では世界最年少の26歳でM.O.Fを取得したショコラティエ、ファブリス・ジロット。彼が日本で感じたインスピレーションを表現した新作は、胡麻のプラリネ、抹茶ジュレと抹茶入りのミルクチョコガナッシュ、柚子ジュレとミルクチョコガナッシュ、ブラックチョコを使った生姜ガナッシュの4種類だ。日本の食材を、ファブリスならではの半液状のジュレにし、サンド方式を使って繊細に表現している。食材の名前を漢字でプリントし、国旗を取り入れたデザインはインパクトがある。『アンスピラシオン・ジャポン』は、8個入り4410円(税込)。


クリスティーヌ・フェルベール『ショコラ・ルージュ・エ・ブラン』

コンフィチュールの妖精とも称され、世界中のパティシエ、グルメの注目の的であるクリスティーヌ・フェルベール。アルザス地方の村、ニーデルモルシュヴィルに店を構えるフェルベールが作るショコラには、アルザスの果実や花の香りがしっかりと閉じ込められている。『赤と白のショコラ』という名のボックスは、アルザスの味覚であるフランボワーズと、ゲヴェルストラミネールを使ったショコラに、日本の味覚である胡麻と柚子を使った新作『KYOTO』のセット。赤と白のコントラストとアラベスク模様のボックスも美しい。『ショコラ・ルージュ・エ・ブラン』は、1785円(税込)。


ベー・ドゥ・リヨン『タブレット・ジャポン』

ベー・ドゥ・リヨンのショコラティエは、フィリップ・ベルナシオン。1963年に創業したリヨンの名店の3代目となるショコラティエが、新しい名前で出店する。フランス国内外で高い評価を受け、毎年会場に行列ができる人気ショコラティエの新作は、日本の国旗そのものをデザインに取り入れた、バニラの甘い香りのホワイトチョコレートである。カカオ豆の段階からショコラを作り続ける老舗が作り上げたこだわりのホワイトチョコレートを、一度味わってみてほしい。純粋なカカオバターが持つやわらかな口どけには、ホワイトチョコレートの概念を覆されるはずだ。『タブレット・ジャポン』は、3045円(税込)。


サロン・デュ・ショコラ2011限定セレクションボックス『セレクション JAPON』

様々なショコラティエが作るショコラを食べ比べたい人に最適なのが、この限定セレクションボックス『セレクション JAPON』だ。世界屈指のショコラティエ12人が、それぞれ2粒ずつ提案し、6人ごとに『春夏ボックス』と『秋冬ボックス』として販売される。参加ショコラティエは、ファブリス・ジロット、アルノー・ラエール、クリスチャン・カンプリニ、クリスティーヌ・フェルベール、フランク・フレッソン、フランク・ケストナー、ユーゴ&ヴィクトール、ジャン=シャルル・ロシュー、パスカル・ル・ガック、フィリップ・ベル、サダハル・アオキ、セバスチャン・ブイエ。写真は『セレクション JAPON 春夏』、5250円(税込)。


パリで話題、日本初出店の店

今年のサロン・デュ・ショコラでは、パリで話題のブランドが2店舗、日本初登場となる。パリの今を感じるモダンなデザインと感性にショコラを通じて触れてほしい。

ユーゴ&ヴィクトール『カルネ・サブール』

2010年、パリ7区にオープンして以来、モダンなパティスリー&ショコラトリーとして話題のショップ。ショコラティエは、元『ギ・サヴォワ』(三ツ星レストラン)のシェフパティシエだったユーグ・プジェで、彼の幼なじみでもある共同経営者のシルヴァン・ブランがプロデュースをつとめる。『カルネ・サブール』は手帳を思わせるパッケージが美しい。フレイバーの多彩さに加え、口どけの良いショコラはカラフルでビジュアルも魅力的である。日本のコブミカンをリキッドキャラメルに加えたドーム型ショコラ『クンババ』も、ユニークだ。『カルネ・サブール』は12個入り4410円、6個入り2730円(税込)。


マドモワゼル・セ

パリでクリスチャン ディオールのデザイナーとして活躍するシャリン・カールトンがデザインしたショコラ。メタル製のパッケージデザインや、ハートモチーフ、クッションや鍵などをガーリーにデザインしたショコラたちは、ポップで楽しい気分を運んでくれる。ファッショナブルな女性たちへのプレゼントにも最適なショコラだ。『ショコラボール』(写真左)は、10個入り2625円(税込)、『プラリネジュエル』(写真右)は、8個入り1万500円(税込)。


最高級ホテルの『コンプリメンツショコラ』

フランスの最高級ホテルで、宿泊客へのサービスとして提供されるチョコレート(コンプリメンツショコラ)が、どんなものか知りたくないだろうか。期間中は、2つの最高級ホテルのショコラが購入可能だ。

オテル・プラザ・アテネ『トゥロン』

1911年創業のパリを代表する五ツ星ホテル、オテル・プラザ・アテネ。2000年からシェフパティシエを務めるクリストフ・ミシャラクは2005年にクープ・デュ・モンド優勝歴を持つパリの菓子界をリードする存在。ホテルのVIPのために作り出された『トゥロン』は、濃厚なヘーゼルナッツプラリネをブラックチョココーティングしたプラリネバーだ。一見シンプルながらも裏側にはホテルアテネの名が入っており、クリスピーパフとクランチの食感のアクセントとともに、波打つ水面のような表面のニュアンスが非常に優雅で美しい。3570円(税込)。


オテル・デュ・キャップ-エデン-ロック『ショコラ・アソート』

1870年創業の南仏の最高級ホテル、オテル・デュ・キャップ-エデン-ロック。『トロワグロ』を経て1996年からシェフ・パティシエを務めるリリアン・ボンヌフォアは、2009年、ホテルの宿泊客だけのためにショコラトリーを新設し、ショコラを作っている。ベリーやイチジクなど南仏のフルーツを使って作ったショコラは、一流の味を知る顧客を満足させ続ける逸品だ。ボンボンショコラのセットには、ベリー類と紅茶のガナッシュのショコラなどが入っている。ホテルの外観を思わせる優雅な白いボックスも魅力的だ。『ショコラ・アソート』(16個入り)4935円(税込)。


本格派のための品種別・産地別ショコラ

ワインと同じように、産地やカカオの品種別に、純粋なショコラの味と香りの特徴を楽しみたいという愛好家が増えている。サロン・デュ・ショコラは、カカオ豆を栽培する段階からこだわって作られる本格ショコラの数々に出会える機会でもある。

ドモーリ『クリオーロ6種』

クリオーロ種のカカオ豆は素晴らしい味と香りを持つが、世界で0.01%しか生産されず希少だ。そのクリオーロ種に魅了され、ドモーリ社を設立したジャンルーカ・フランゾーニは、絶滅寸前だったクリオーロ種を、原生品種に近いかたちで復活させ、現在も栽培、製造までを一括管理している。新作セットの『クリオーロ6種』は同じクリオーロ種の中でも、さらに細かく品種の違う6種類のショコラのセットである。インドネシアのカノアーボの他、ベネズエラのチュアオ、ポルセラーナなど、最高品種のカカオ豆のバリエーションを比較することができる。


プラリュ『ピラミッドBio』

フランソワ・プラリュは、マダガスカルにカカオ農園を所有し、完全にオーガニックな方法でカカオ豆の栽培を行うショコラティエだ。また、世界中から良質のカカオ豆を取り寄せ、豆の段階からクーベルチュール、タブレットまでの製造をすべて自社で行う。昨年好評だった『プラミッドBio』が今年も登場。ドミニカ、エクアドル、ガーナ、マダガスカル、タンザニアと、6つの産地のカカオを使ったタブレットで、カカオ分はすべて75%。生命力溢れる純粋なカカオの風味を安心して味わえる。カラフルなパッケージはプレゼントにもよいだろう。『ピラミッドBio』は、3045円(税込)。


エルセイボ『ヘリテイジ・カカオ75%』

南米・ボリビアの農業協同組合エルセイボと、世界的なチョコレート鑑定家クロエ・ドゥートレ・ルーセルが共同開発した『エルセイボ』は、カカオ栽培から製造まで一貫生産されるショコラだ。カカオの持つ力強さが全面に溢れる『エルセイボ』に、新作が登場。『ヘリテイジ・カカオ75%』は、栽培ではなく、原生林で育った野生のカカオのカカオ豆だけを使用した非常に希少なショコラだ。パンチのある酸味、ほろ苦さとともに、アーモンドや糖蜜、プラムのような風味が素晴らしい。世界的な鑑定家が認めるショコラで、カカオのエネルギーを感じてほしい。『ヘリテイジ・カカオ75%』は1470円(税込 )。


日本人ショコラティエによる注目のショコラ

世界各地、日本各地で腕をふるう、日本の実力派ショコラティエの新作ショコラに出会えるのもサロン・デュ・ショコラならではの魅力だ。普段東京では出会うことができない人気ショコラティエの新作を紹介する。

パティスリー・キュブレー・アサミ・ヨシノリ(浅見欣則)『ショコラ・アソート』

現在、M.O.F(フランスの国家最優秀職人章)取得に挑戦中の浅見欣則は、ストラスブールの老舗『パティスリー・キュブレー』でシェフ・パティシエをつとめている。新作の『ハンノウ』(写真右上)は、栗の蜂蜜と柚子を使ったガナッシュ。『ピコン』(写真右下)はオレンジを濃縮して作ったアルザス特有のお酒、ピコンとマンダリンオレンジのガナッシュのショコラだ。ルーツである日本、そして現在活動しているフランスで思い入れのあるものを表現したという新作。今後のシェフの活躍を期待しながら味わいたい。『ショコラ・アソート』は、4個入り1470円


ナオミ ミズノ×洋菓子マウンテン(水野直己)『スティック』

水野直己は、ワールドチョコレートマスターズ 2007 フランス・パリ世界大会で総合優勝したショコラティエだ。現在は京都・福知山市の洋菓子マウンテンでシェフをつとめている。注目の新作『スティック』は、フレーバーの違う棒状のショコラが、立った形でボックスに入っているのが可愛らしい。フレーバーは、とちおとめを使ったイチゴ、ジャスミンティ、エスプレッソ、青リンゴ、レ・ナチュール、ノワールの6点。その美しい形状とともに注目したいのは、まるで水のようにすーっと早く溶けていく口どけだ。形も味わいも新しく美しいショコラを、五感を使って楽しんでほしい。『スティック(6本入り)』は、2310円(税込)。


サロン・デュ・ショコラ2011の詳しい情報はこちら

市川歩美
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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