イラストレーション: Haruna Nitadori
2011年01月07日 (金) 掲載
年明け最初のホットシートは、風水による家相、方位、インテリアの第一人者として知られるドクターコパに話を聞いた。実際に生活に取り入れるかどうかは自由だが、2011年を楽しく過ごすヒントが満載だ。
ここ最近、薄紫色のスーツでメディアに登場されることが多いですね。
コパ:ラベンダー色と言っているのですが、2011年のラッキーカラーのひとつです。ラベンダー色は、基本的に高貴な色で、昔から一般庶民は使うことを制限された色とされていました。僕が提唱してきた風水においては、中心、ものごとの芯棒になる色です。ものの中心には、良いものも集まるし、悪いものも集まります。運の良い人は良いものだけを使うし、運の悪い人は悪いものだけを使ってしまう癖があるんです。ラベンダー色はフィルターのような役目があるとても便利な色で、良いものだけを中心に持ってきて、悪いものは防いでくれる。だから、一国を守るような人や、中心人物は、色んな意見の中から、良いことだけを取捨選択できるように、昔からこの色を身につけることになっていた。この色が必要な2011年は、風水的に言えば、きちんと聞き分け、見分ける目と心が必要な年であるということです。
ラッキーカラーの話を続けると、濃い目のグリーン、ブリティッシュグリーンのような色も、2011年には必要です。青々とした森を表す色ですが、もうひとつ、日本では、神様が住んでいる鎮守の森を表します。一番大事なものを尊くお祀りし、自分自身を高めていく、ということから、精神文化が非常に大切な年になるでしょう。家庭や結婚など、さまざまなものを守って育ててくれる色でもあります。
それから、ゴールド。金色は、21世紀のラッキーカラーで、基本的には金運を高める色ですが、必要なものを必要な時に持ってきてくれる色でもあります。この3つが今年、大切にしてほしい色です。情報が錯綜する中で、見分ける目、見分ける心を持ち、良いものを見つけたら、それを大事に育てていく。それも、タイミングよく。こういうことが、2011年のテーマになってくると思います。
そういえば、昨年末に開催されたフィギュアスケートの全日本選手権で、浅田真央選手や、村上佳菜子選手も、ラベンダー色の衣装を着ていましたね。
コパ:トップアスリートたちから、ラッキーカラーを聞かれることがありますよ。昨年は、体操の女子選手たちも、良い成績をおさめましたよね。僕も、その年のラッキーな色を身につけようと思っています。今日も、金と、濃いグリーンと、ラベンダー色のストライプのネクタイをしています。アナタも、今日は全身黒ずくめの服ですが、幸せになる確率が高くなるから、「センスないわねー」「どうしちゃったの?」と言われてもラベンダー色などのラッキーカラーを身につけた方が良いですよ(笑)。マフラーや手袋、小物でも良いですし、外に見せたくなければ、下着でも、ジャケットの裏地でも大丈夫です。それに、色が決まっていれば、買い物をしていても楽しいですし、他の色は見なくて良いので、迷わなくなりますよ。
クローゼットの中はほとんど黒なので、全部を変えるのは大変ですが、小物からならできそうです。
コパ:その年に良いと言われる色のものを買っておくと、その年に経験した良かったことが、4年後でも5年後でも、それを身につけたり、見ることによって戻ってくる。風水というのは、そういう便利な学問なんですよ。これは、結婚生活にも取り入れたいアイデアです。好きで結婚したのに、何年かすると顔も見たくないなんてことになったりするでしょう?最初に好きだと思ったその気持ちをいかに長続きさせるか。そのために、思い出の品物を買ったり、思い出の場所を作ったりするわけです。風水は、幸せの思い出を作る学問でもあります。だから、世界中の誰もが応用出来る。それは風水が生活のベースにあるからなんですよ。
タイムアウトが創刊されたロンドンは、まさに風水の街ですね。香港を100年統治していたわけですから、本国にもアイデアを持ち帰って、上手に取り入れている。古い建物は、その時々に内装がリノベーションされています。つまりベース、芯棒を変えずに、表面だけを変えていく。外見はヨーロッパ的だけど、マインドには、東洋を上手に取り入れていると思います。
イギリスの人は、ちょっと日本人と似た感覚がありますよね。
コパ:ありますね。王室があることもそうだと思います。経済的には、アメリカが世界を引っ張っているように見えるけど、マインドはイギリスが世界を引っ張っているように思います。今年は、ロイヤルファミリーの結婚もあって、まさにこれから育んでいくし、イギリスは良さそうですね。
コパさんがそもそも風水に興味を持ち始めたきっかけは何だったのですか?
コパ:私の父親が、神社やお寺を建てる宮大工の棟梁だったんですよ。祖父もそうでした。日本の建築をやる棟梁は、神道を理解していないといけないし、仏教をわかっていないといけない。それから、方位や自然などを含めた環境学をわかっていないといけない。それらが体系化されたものを、風水地理と言うんですが、それを心得として持っていて、子どもの頃から父に教えられました。きっかけも何もなく、気づいたら風水のサイボーグになっていたわけです(笑)。
日本において、風水は、400年に1度流行るんです。たとえば、風水が使われた都ができたのは、8世紀の平安京。それから、12世紀に入り、鎌倉の街ができました。17世紀の初めには、江戸に幕府ができた。つまり、街や国を作るのに、風水が使われてきた。父が私にこの学問を教えた時に、「お前はいいな、俺より頭は悪いし、器量が悪いのに、50から60歳になる頃に、この国はまた風水が必要になる。今までは、国の中心人物しか必要なかったけど、今度は、多くの人がその考え方を持っていないと、この国はダメになってしまう。だから、わかりやすく説明してあげなさい」って言われてきたんです。皆が風水をやることによって、この国を底上げしよう、というわけですね。この国を引っ張るために国民の総合力でやっていこう、と。それが、今回、400年に1度の風水を使った国の作りかたですよ。
国を作るだけでなく、ご自身の娘さんをしゃべり手に育てたいと思って、家の中の風水を変えてきたそうですが、具体的にどういうことをしたのですか?
コパ:人間は、動物なんですね。教育を受けたから忘れてしまっているけど、まさしく動物なんです。だから、調教次第でどうにでもなるんですよ(笑)。外見はいくらでも変えられる。仕事というのは、ある意味で外見ですから。
娘が生まれた時に、すごく可愛い声で泣いていたものですから、しゃべり手にしたら良いかな、ってインスピレーションで思ったんです。それで、そうなるインテリアにしたんですが、基本的に、鳥がさえずるような環境が必要です。これはカラスではダメなんですね。早朝に、小鳥が鳴くような部屋ということになると、午前中に太陽が当たる、東向き、東南の部屋に入れておかなければいけない。それから、色に関してですが、聞き手が、しゃべり手の声から何を感じるかというと、この人は優しい人か、健康な人か、愛を持っている人か、経済的に豊かな人か、という4点だと思っています。だから、心の優しい白、健康の赤、才能や人気を支え、知恵がある青、そして、経済的な部分は、黄色。「西に黄色で金運アップ」っていつも言っているでしょう(笑)。とにかく、そういう色を部屋に配色していく。そうすると、その色のパワーが月日が経つごとに体に染み込んでいくんですね。
娘さんは、ドーターコパとして活躍していらっしゃいますものね。仲良しですか?
コパ:仲良しですよ。昔ね、一緒に家出をしたことがありましたよ。「ママが嫌いだ」って言うから「パパもママが嫌いだ」って言って、一緒に出たの(笑)。
それは楽しそうですね。お母さんはショックかもしれないですけど。
コパ:やっぱり、生活にはユーモアが必要ですよね。ママがお風呂に入っている時に家出しちゃったから、ちょっとショックだったみたいですが、それがきっかけで娘への接し方を考えたみたいですよ。
なるほど。ひとりで考える良い時間になったのかもしれませんね。コパさんには、考えごとをしに出かける場所はありますか?
コパ:霞が関です。あの辺には、良い知恵がたくさんあるんですよ。だから散歩をしていると良いイメージがどんどん湧いてきます。
知恵って落ちているものなんですか?
コパ:知恵は降ってくるものです。心を閉ざしたり、頑固になると、ダメなんですよ。体をかたくしちゃうと、良い知恵が入ってこない。だから、知恵が上手く使えない。知恵が降ってきたら、忘れないように、すぐにメールしたり、携帯に録音したりしています。せっかく知恵が降ってきても、忘れてしまったことがあってね、急いで同じ場所に戻って歩いたけど、ダメでした(笑)。
皇居まわりを走っていると、良いアイデアが降ってくるのって、そういうことなんですね。皇居ランをした後に書いた企画書って、だいたい会議で好評なんですよ(笑)。
コパ:それはありますね。だけど、1番大事なのは、自分の家をパワースポットにすること。しっかり掃除をしておくことが大切です。2011年に幸運がやってくるのは、北と東の間の表鬼門と、南と西の間の裏鬼門なんですが、この2つの方位を綺麗にしておくと良いですね。裏鬼門は、落ち着いた家庭、安らぎを与えてくれますよ。滝に打たれるとか、火の上を歩くといった辛いことは、皆嫌だと思うけど、簡単に取り入れられることは取り入れて、幸せになってほしいですね。
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