東京、自分で除夜の鐘がつける寺院

煩悩をぶっ飛ばし、厳かな気持ちで新年を迎えよう

Read this in English
東京、自分で除夜の鐘がつける寺院

一年の最後、鐘の音で邪念を払い、すっきりと新しい年を迎えよう。一般の人でも梵鐘(ぼんしょう)をつくことができる寺を紹介する。

無料で除夜の鐘がつける寺

麻布山 善福寺

1000年以上の歴史がある寺院。平安時代に弘法大師が真言宗を関東一円に広めるため、開かれた。境内には樹齢推定700年のイチョウの木があり、国の天然記念物に指定されている。除夜の鐘は、2010年12月31日の23時くらいから参拝者が並び始め、人数制限がなく、並べば全員つくことができる。

地図など詳しい情報はこちら


築地本願寺

京都にある浄土真宗本願寺派本願寺の別院。本堂の建物は、インド様式の石造りで、ライトアップが非常に美しい。本尊は聖徳太子の作と伝えられている。除夜の鐘をつくには、2010年12月31日の23時20分ころまで、本堂で配られる整理券が必要。法要に参拝した後、鐘をつくことが可能だ。築地本願寺の鐘をつくことができるのは、1年でこの機会だけとなっている。

地図など詳しい情報はこちら


堀之内 妙法寺

厄除けのお寺として、江戸時代から大勢の参拝者が訪れる寺院。境内には、仁王門、鉄門、御成の間、祖師堂など、東京都指定文化財や国指定重要文化財に指定されている建造物がある。仁王門の左右に安置される金剛力士像は、徳川四代将軍家綱公が寄進したとされている。除夜の鐘は一般参拝者も並んだ順に、26時頃までつくことができる。また、正月三が日の3日間は、福を招くとされる小槌『“やくよけ招福”打ち出の小槌』で『鐘楼の大鐘』をつくことができる。

地図など詳しい情報はこちら


高幡不動尊金剛寺

新選組ゆかりの地、土方歳三の菩提寺で、関東三不動のひとつに挙げられる。本尊の丈六不動三尊は、総重量1100キロを超え、日本一と伝えられる巨像で、国の重要文化財に指定されている。除夜の鐘をつけるのは、当日先着した限定108組で、昼ごろから配布が予定されている整理券が必要だ。

地図など詳しい情報はこちら


品川寺

大梵鐘(だいぼんしょう)は、何らかの理由によって海外に持ち出されたものがスイスのジュネーブで見つかり、昭和5年に返還されたもの。“鐘”が 返ってきたことと“金”をかけ、「金がかえってくる」とし、縁起をかついで鐘をつきに来る人も多い。鳴らす回数は108と決まっているが、何人かで鐘をつくなどして、なるべく希望する全員が鐘をつけるようにしてくれる。境内では23時から、古いお札やお守り、1年間使った生活道具を火にくべて新年の幸せを祈願する『おたきあげ』も行われる。

地図など詳しい情報はこちら


西新井大師總持寺

真言宗豊山派の寺で、西新井大師の通称で親しまれている。弘法大使がたちより、悪疫流行に苦しむ人々を救おうと祈祷を行い、枯れ井戸から湧き出た水によって癒したと伝えられている。境内には、20種類を超える梅が植えられており、美しい。除夜の鐘は、2011年1月1日午前0時より始まり、人数制限がなく、並べば全員、無料で鐘を撞くことができる。

地図など詳しい情報はこちら


日蓮宗大本山 池上本門寺

今からおよそ七百数十年前、日蓮聖人が弘安5年(1282)年に61歳で入滅(臨終)した霊跡。法華経の教えを伝えるために、仏法に耳を傾け、静かに経文を書き写して心の安らぎを得る『法話と写経の会』や、一泊二日の修行体験で、心の塵を洗い流す『洗心道場』など、さまざまな体験を行っている。除夜の鐘は、2010年12月31日23時から、鐘楼堂の前で先着600人に整理券が配布される。参加は無料だ。

地図など詳しい情報はこちら


威光山 法明寺

池袋駅から歩いておよそ15分という場所にありながら、都心とは思えない静けさが広がっている寺。江戸時代から桜の名所としても知られている。梵鐘には、算盤や、天秤など珍しい文様が描かれており、東京都の重要文化財に指定されている。大晦日には500名まで、一般も無料で除夜の鐘をつくことができる。

地図など詳しい情報はこちら


有料だが除夜の鐘がつける寺

柴又帝釈天(経栄山題経寺)

今から300年程前の寛永年間に開創されたと伝わっている。境内には、名庭『邃渓園(すいけいえん)』や、彫刻ギャラリーなどがあり、見どころが多い。また、映画『男はつらいよ』シリーズで、主人公の寅さんが毎度戻って来る草団子屋のモデルとなった店が、『柴又帝釈天』の門前にある。除夜の鐘は、初祈祷を申し込んだ先着108人のみ参加可能で、1万5000円の志納が必要となる。大客殿では、大歳大札、盃、暦他が授与される。太才札の授与があるほか、屠蘇も提供している。

地図など詳しい情報はこちら


新井薬師 梅照院

眼病平癒のお守りが有名な寺。絵馬は『めめ絵馬』と呼ばれ、“め”と、逆さ文字になった“め”の2つが描かれている。除夜の鐘は2010年12月31日23時30分ごろから並び始め、人数制限はなく、並べば全員鐘を撞くことができる。108回までは、お守り付きで500円、それ以降は浄財にて奉鐘できる。午前2時には終了。

地図など詳しい情報はこちら


大本山増上寺

浄土宗の七大本山のひとつ。三解脱門(三門)や、絵画『紙本着色法然上人伝』など、国や都の指定文化財も多い。梵鐘は、高さ2メートル42センチあり、関東地方最大級の大きさを誇っている。除夜の鐘は、年明け、元日の午前0時に、1番鐘が鳴らされる。増上寺法主によって鐘が打ち鳴らされるが、鐘つき券を、冥加料2000円で一般にも配布しており、一般の人も鳴らすことができる(ただし、2011年の年明けとともに鳴らされる鐘の整理券は、2010年12月1日午前9時から配布済みだ)。

地図など詳しい情報はこちら

テキスト 東谷彰子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

この記事へのつぶやき

コメント

Copyright © 2014 Time Out Tokyo