タイムアウト東京ブログ

再開発が進む、旧万世橋駅に潜入

神田須田町のシンボルとして愛されてきた万世橋高架橋が、今秋、ショップやレストランを併設した商業施設として生まれ変わろうとしている。1912年(明治45年)に開業し、廃止される1943年(昭和18年)まで国鉄中央本線、1930年(昭和5年)から2年足らずの間には東京地下鉄道に存在した旧万世橋駅の内部が、70年ぶりに公開された。

2013年4月に開業した地上20階・地下2階のオフィスビル、ステーションコンファレンス万世橋に隣接し、赤レンガ造りの高架橋に現存する旧万世橋駅のプラットホームや階段など駅舎跡を整備、そのまま活用した商業施設、マーチ エキュート 神田万世橋が2013年9月14日にオープン。当時の面影はそのままに、飲食店やショップなど11店舗が神田川に沿いに伸びる駅舎跡に入店する。建物の特徴であるアーチを活かすため、電気配線などはすべて床下に配置。ガラスサッシにはスチールを採用し、細部まで空間作りにこだわっている。注目するべきは、万世橋駅の開業当時に作られたホーム部分を整備した展望カフェ・展望デッキ。100年前に作られた階段を昇ると、両隣に中央線が行き交うデッキが広がり迫力満点だ。

「アートと駅の融合」を目指す同施設の高架橋部分には、3331 Arts Chiyodaを手掛けるコマンドNによるカフェスペースが出店。神田で人気のワイン居酒屋、ヴィノシティ初のワインショップも登場する。また、高架橋の一部エリアを利用したビアイベント『神田麦酒祭り「ビアアーチ」』を2013年8月18日(日)まで開催。旧万世橋駅のレンガアーチを利用したレトロな雰囲気の中でビールを楽しめる他、会場では商業施設のプレオープンイベント、エリアの企画展示なども開催している。

開業からちょうど100年。これまでの歩みを基に、新たに生まれ変わる旧万世橋駅に、足を運んでみてはいかがだろう。


神田川沿いに続く施設


アーチの続く空間は美術館のようでもある


当時のまま基礎建築が覗ける


レンガの中は土でできている為に植物が育つ


ガラスサッシは質感の出るスチールにこだわった


神田川を覗く高架橋部分


100年前に建築された階段はそのまま利用


当時、格式の高い駅にのみ用いれられたという目地と渦巻き模様


展望カフェ・展望デッキ部分


旧万世橋ホーム(昭和11年撮影) 提供:鉄道博物館

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