タイムアウト東京が選んだ東京の最新情報をメールにてお届けします
マンガ『バカドリル』や『コップのフチ子』のガチャガチャシリーズなど、思わずこみ上げる笑いを誘う漫画家タナカカツキが、数年前から夢中になっている「水草水槽」について描いた『すばらしきインドア大自然 水草水槽のせかい』が、2013年4月5日にリトルモアから出版された。
2012年5月、東京スカイツリータウンソラマチ内に新しくオープンしたすみだ水族館に、世界最大(幅7メートル)の水草専用の水槽が設置されたことをきっかけに、自宅でも老若男女誰もが楽しめる趣味として、じわじわ人気を得ている水草水槽。水草や石や木を使って、まるで絵を描くよう作りあげていていくこの小宇宙を、タナカカツキは「水景画」と名付けている。本書では、タナカカツキがこの水景画に開眼したきっかけから、日々の手入れの楽しみ、水槽の中の生態系の仕組みなど、イラストと写真を交えて解説。また、道具やショップの紹介や注意点も分かり易く、これから水草水槽を始めようと考えている人には、もってこいの入門書とも言える。
水槽機器メーカー『アクアデザインアマノ(ADA)』が主催する『世界水草レイアウトコンテスト』には世界中から多数の力作が応募されているが、毎年のグランプリ獲得者の作品などは、ミニチュアの世界遺産と見紛うばかりだ。文中では、上級者並みの表現を身近な素材で取り入れるコツも伝授。水草を絵の具として捉えるあたりは、さすがマンガ家と読み取れる。
著者のアトリエにある4つの水槽のある場所には、以前はCDやDVD、本などの棚やテレビが積まれていたというが、今ではすっかり部屋の中に大自然が居座っている。外へ出掛けなくても様々なことが可能となった現代で水草水槽はその象徴ともいえるが、部屋に自然界のスピードを取り入れることは、忙しい社会に生きる私達に必要不可欠なのことなのかもしれない。
タナカカツキの水草ブログ
http://seikasuisoubu.jugem.jp/
『すばらしきインドア大自然 水草水槽のせかい』
著者:タナカカツキ
定価:1,575円(本体価格 1,500円)
発行:株式会社リトルモア
Copyright © 2014 Time Out Tokyo