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TAP JAM CREWのパフォーマンスに“乱入”して踊る福島みずほ議員
タイムアウト東京でも「日本でのダンスはご遠慮ください」で2012年10月に紹介した通り、クラブの摘発をめぐる風営法の問題が各方面で報じられてきたが、この法改正を求める活動『Let's DANCE』の署名が15万筆に届くとともに、国会議員によるダンス文化推進議員連盟が5月20日に発足することが決定。本日17日に衆議院魏委員会館にて『15万筆嘆願書名提出集会』という名にて賛同議員らも参加し集会が行われた。
午前11時、衆議院第一義員会館。警備員の脇を、スーツ姿の官人にまざりロングヘアにヒール高の革靴をはいた紳士や、キャップにハーフパンツのダンサーなどが次々と入館していく。館内の多目的ホールにて、『Let's DANCE』のフラッグが掲げられ風営法改正を求める15万署名を提出する前の署名提出集会が行われるためだ。
事務局長の西川弁護士の挨拶に続いて、5月20日に発足する超党派の議員連盟『ダンス文化推進議員連盟』の議員が次々と登場、呼びかけ人として湯川れい子、大友良英のほか、ストリートダンス、創作ダンス、アルゼンチンタンゴ、社交ダンスなどの世界の面々が、各方面でのダンスの重要性、法改正に対する見解を登壇し披露した。
冒頭、会場の空気をまとめたのは、ダンスそのものの実演。挨拶もそこそこにダンスチーム『TAP JAM CREW』が紹介され、パフォーマンスが披露された。ヒューマンビートボクサーにつづいて、ドラマー、パーカッション、サックスなどが議員会館のホールに現れ、ビートを刻む。Tシャツにハーフパンツ姿のタップダンサー、ジャムバンドの演奏に招かれ、総勢20名あまりの演者が揃うと会場を演奏にあわせてダンスし、闊歩。ピークタイムには、福島みずほ議員がステージに招かれダンスに興じると、福島議員とタップ・ダンサーの2ショットをおさめようと、報道陣のフラッシュが焚かれた。サックスがヒップホップ・ダンスの定番『How Gee』のテーマを奏でた後、タップダンサーが足下でリズムを慣らすと、会場が拍手喝采となった。
「20日にダンス文化推進議員連盟を発足。選挙前に各党が風営法改正をめぐるアピール合戦になってはいけない、ということで、超党派で議員連盟を発足した。それぞれの国にはそれぞれのダンス、文化がある。ではなぜ、風営法でダンスの規制する必要があるか?ダンスをすることがいかがわしい、という風潮をただして行かなくてはいけない」(参議院議員 小坂憲次、ダンス議連議長)
「人類ができて以来、ダンスと音楽ということがあった。かつてソーラン節で校内暴力をいさめた経緯がある。嫁、姑がいさかう時期には盆踊りがある。音が鳴ったら踊りたくなるのは自然現象。それを何故、法律が規制する必要があるのか」(呼びかけ人、湯川れい子)
今回の集会は、この2年ばかりの風営法改正にまつわる、『Let's DANCE』関連の動きからの進展をみせたのは、多くの国会議員が登壇した点、社交ダンス業界を代表する篠田氏をはじめ、かつてのダンススクールにまつわる風営法改正活動に動いた先人が強い助力の意志を表明した点であろう。西川弁護士によれば、10万署名から15万署名に数をのばしたのは、クラブ以外の業界からの署名協力が非常に大きいという。
「平成11年に、ダンススクールが風俗業から排除された。当時、署名活動や議員への呼びかけを行いダンス議員連盟として70数名が参加した。しかし、当時風営法からダンスの項目自体を削除することはできなかったことに悔いが残る。長いダンス人生を通して、他の業種の方々に申し訳ない気持ちもある。(今回の改正への動きについて)社交ダンス業界の人間がやるべきことをやっていただいて感謝をしたい」(篠田学、ダンススクール主宰。98年の風営法改正活動に尽力)
会場にはラッパーのDARTHREIDER、ミュージシャンの三宅洋平、DJ、ダンサーのHIROKINGも同席し、ダンスのある未来について語った。三宅洋平は7月の参議院議員選挙に立候補する予定だと前置きし、「資源がない国日本は文化に投資すべきである」「賛同人に沢山のアーティストがいる、彼らが政治に踏み込むことがなかったのが今までの日本。彼ら自身、彼らのファンをどう楽しく巻き込む事ができるかが、アートとして大事だと思う」などと語った。
大友良英
三宅洋平
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