タイムアウト東京ブログ

代々木上原のブルックリンに遊びに行く。FORT GREENE オープン

Fort Greene(フォートグリーン)という地名にピンとくる人は、きっとニューヨーク好きに違いない。ブルックリンでもクリエイティブな雰囲気で知られ、由緒ある歴史をもつ公園、緑豊かなフォートグリーンパークがあるエリアがフォートグリーンだ。スパイク・リーが『Do the Right Thing(1989)』を撮影した地区といえば分かりやすいかもしれない。

代々木上原駅から歩いて4〜5分ほどいったところに、JOHNとドアに書かれた水色の一軒家がある。ドアを開けると半地下風の1階に雑貨とメンズクローズを扱うセレクトショップ『JOHN』、階段を上がった中2階が、大きなダイニングテーブルを配した居心地のいいダイニング『FORT GREENE』だ。

店内には、同店オーナーである浅本充が、東海岸を中心に買い付けてきた雑貨やアンティーク、中古レコード(1950〜60年代のジャズやボサノヴァが中心)、調理道具やカトラリー、グロサリー、小さな油絵など、ありとあらゆるものがぎゅぎゅぎゅっと(しかしセンスよく)詰まっている。自分が本当にいいと思うもの、美味しいものだけを店頭に揃え、販売しているアイテムを実際に料理に使い、スタイリングの提案を兼ねながら楽しんでもらうというのがコンセプト。


タイムアウト編集部が気に入ったのは、「おこづかいでも買える。小さな油絵屋さん」シリーズ。オイル仕上げのドローイングは1,470〜2,940円


「これ、なんかかわいい…」と思ってしまうものがいろいろ。クレヨンも1本から買えてしまう


ポータブルレコードプレーヤーとともに並ぶ中古レコード。気になる1枚を選んで席につき、コーヒー(もちろんワインだっていい)を飲みながら視聴できる

浅本が手がけるベーカリー兼ダイニング『ベイクショップ』は、今や自由が丘の人気店となっているが、元来フランス料理店で長らくサービスとソムリエを務めてきた人物であるだけに、フォートグリーンではビストロらしい料理と東海岸仕込みのアメリカらしい料理(もちろん、使うパンはすべてベイクショップで焼き上げたもの)の両方を提供するという。たとえば、ポルト酒風味のフォワグラテリーヌにオムレツ、根セロリのレムラードもあれば、パイ包みのクラムチャウダーに、ミートボール(アメリカの定番!)がメニューに混ざるといった具合。それこそ、ブルックリンにあるビストロのようだ。浅本いわく、「さまざまな人が集う移民の街ニューヨークというフィルターを通した料理」とのことで、今後はアイリッシュ風のシチューといった皿も展開予定だ。

また、「Your first & last stop for wine」を謳っているだけに、ワインのセレクトもユニーク。カジュアルで飲みやすいワインが親しまれる昨今だが、ゆっくり飲んでじっくり味わえるワインを提供したいと、80〜90年代のフランスワインを中心とするラインナップが特徴だ。グラス1,500円〜という設定を高いと思う向きもあるだろうが、いいものをゆっくり味わう楽しさがここにはある。手の届く贅沢、毎日の食卓やくらしにちょっとした変化を加えてくれる素敵なもの。美味しくて、なんだか気持ちがよくなる提案がある店になりそうだ。


見せながら、収納しながら、料理しながら販売する調理道具


もうひとつタイムアウト編集部が気になったのが、この3本セットのナイフ。木製のグリップがやさしい質感で、しかも軽い


ヴィンテージのアラビアのコーヒーマグがいろいろ。ここから好きなマグを選んでコーヒーが飲める


グラッパ、マールといった食後酒から、ヴェルモットやパスティスなどのリキュール類がいろいろ


1階『JOHN』では日本初上陸のデニム『DAWSON SENIM』を取り扱う。イギリス、ブライトンで作られるオールハンドメイド


『JOHN』のオーナー壇上祐一と愛犬タタ(左)、浅本充(右)


商品タグはオールドスクールなタイプライターを叩いて自ら作る


工場用木材を天板に使ったダイニングテーブルは、サイズオーダー可能

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