2011年07月08日 (金) 掲載
7月8日は浦賀湾に黒船が来航した日(1853年)。それはつまり、鎖国を続けてきた日本がグローバリゼーションの波を感じた最初の瞬間でもある。その記念すべき日から158年が経った今、世界はどう変わったのだろうか。グローバリズムがもたらしたものについては賛否両論あるだろうが、一つだけ確かなことは、タイムアウトがいまや世界35都市に仲間を持っているということ。それだけ世界は小さくなったということだ。昨日はバーレーン、アブダビ、アムステルダム、バンコク、バルセロナ、北京と紹介したので、今日はブエノスアイレスあたりから始めてみよう…。
偉大なる詩人ホルヘ・ルイス・ボルヘスが「この街にはじまりがあったとはとても信じられない/ここには、永遠の空気と水が、存在している」と詩を書いているように、この街は時間の流れとは関係がないようだ。2010年に200周年を迎えたブエノスアイレス、San TelmoやLa Bocaストリートなどを除けば、そんな昔に作られた街だとはとても信じられない。独立国家としての200年の歴史を通して、社交的でメランコリックな魅力的な街が出来上がっていたようだ。
ブエノス・アイレスは、“遊びに行くための街”ではないと良く言われる。ここは“住むための街”なのだと。といっても、今すぐ仕事を辞めてここに引っ越しなさいという意味ではない。たとえ1週間や3カ月の滞在だったとしても、現地の人たち(portenosと呼ばれる)と同じような生活を味わって欲しいという意味だ。もちろん観光名所である68メートルの塔 Obelíscoや、タンゴショーは見た方がいいが、そのあとは、フットボールの試合に熱くなっている人たちが集っているカフェにとけ込んでみたり、若者達がパーティをしているステーキダイナーで夕食をとるなど、いろいろと方法はありそうだ。
騒がしくて混乱した街ではあるが、古き良き建物や、世界的なギャラリー、上質なレストランなどに足を踏み入れているうちに、だんだんとこの街の美しさに気がつくはず。よく言われる“南米のパリ”というイメージで訪れた人たちは、少しがっかりするかもしれない。とにかくここは“ラテン”の街であり、他の街と同じく、未だに貧富の差の問題も残っている。
ブエノス・アイレスでは、何が起こるのか最初から予想することは難しい。イライラするようなこともあれば、スリリングで興奮させられるような出来事も待っている。だからこそ、ブエノスアイレスは愛されているのであり、だからこそみんな好きになるのである。
『ボストンのベスト・バイク.ショップ』という記事を読んでみると、まず最初に「ボストンという街は、常にどこかで工事をしていて、道も入り組んでいるので、お世辞にも自転車愛好家のための街ではない」という否定的な文章から始まる。しかし、今はそうではないとすぐに分かる。過去10年間でそれはすこしづつ改善しており、ダウンタウンはまだあまり変わっていないが、それ以外のエリアは、色分けされたバイク走行車線が用意されているというのだ。だからこそ、ボストンの注目すべき自転車屋を知っておくのは良いことかもしれない。
ちなみに、タイムアウトボストンのウェブサイトで2番目に人気の『ロマンチックな映画50』という記事があるが、ここには50本の注目すべきロマンチックな映画達が掲載されている。ここで、ボストンで一番ロマンチックな映画に選ばれたのは、なんと『カサブランカ』(1942)。ということは、ボストンの女性を口説くときには「君の瞳に乾杯」と言えば良いってことなのかな…。
南半球で最も美しく、建築的にも興味深い青空市場『Greenmarket Square』について紹介されているので要チェック。アフリカの民族品やCD、お土産に使えるような衣服など、ここにくればなんでも手に入るという。また、ロッベン島ミュージアムは、アパルトヘイト時代の象徴的な存在として知られるRobben Islandについての博物館であり、18年間牢獄で過ごしたネルソン・マンデラによって実現した自由と民主主義の意味を考えるためにも、重要なスポットとなっている。このロッベン島は訳400年間、精神病の患者や罪人たちを押し込める場所として用いられてきたという歴史を持っている。南アフリカの歴史を知るためには、避けては通れないスポットの一つである。
ちょうどタイムアウト東京もプールガイドを掲載しているように、タイムアウトシカゴでも『Guide to Chicago pools』という記事が掲載されているので要チェック。この記事では、シカゴ中の76カ所のプールが検索できるようになっている。他には、7月31日にWrigley Fieldで開催されるポール・マッカートニーのライブチケットプレゼントという見逃せない情報が…。これは欲しい…。シカゴの街をキャラバンして回る、ジャム系人気バンド、デイヴ・マシューズ・バンドのCaravanツアーのマップ&スケジュールなんてコアなネタも掲載されている。つねに進化を続けるDMVの最新型値を体験できる貴重な機会。今日から10日まで。
他の国のサイトとはひと味違うサイトデザインのデリーからは、メイン特集として『キッチュ』という記事が書かれている。1970年代のボリウッドのヒーローとか、ラジャースタン人のターバンとか、口ひげとか、オートリシャーとか、インド発のキッチュなものたちが注目を集めているという内容。ここでラインナップされているデザイナーたちがとても面白い。インドのポップアート界を楽しく盛り上げている人たちばかり。
これは気になったので、軽く全員を紹介する。
Chumbak
Design Temple
Happily Unmarried
Play Clan
New India Bioscope
Pret a manga
Mamagotoプロダクツによる新商品。
(続く…)
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