2011年12月16日 (金) 掲載
レッドブルが毎年世界の各都市で主催するミュージック・アカデミー「レッドブル・ミュージック・アカデミー」。2011年は10月23日から11月25日まで、震災の影響で残念ながら予定地だった東京での開催は見送られ、急遽マドリードで開催された。世界中の多数の応募者から選出される才能豊かな参加者と、講師として招かれる著名プロデューサーやミュージシャンが2週間に渡り、レクチャー、ワークショップ、スタジオセッション等、濃密で刺激的な時間をともに過ごす。今年は4000通を越える応募の中から30名が選ばれた。
タイムアウト東京は、今後の活躍が期待される参加者、Yosi Horikawa、Anenon、Ronikaの3人をピックアップ。彼らの音楽のルーツ、アカデミーでの生活や今後の展望について聞いてみた。中でも唯一の日本人参加者であるYosi Horikawaは、これからの活躍が期待されるビートメーカーだ。
― まずはYosiさんの音楽的なバックグラウンドをお聞きしたいと思います。どのようにして音楽に入りましたか?幼少の頃から音楽のある環境にいましたか?
Yosi:7歳くらいからピアノを習っていたんですが、練習が嫌で嫌で、すぐ辞めちゃったんです。雨が降ったら休むとか、カメハメハ大王みたいなことをしていました(笑)。だから真面目にやっていればもうちょっと身に付いてたかなっていうのはあるんですけど…タッチくらいはまだ残っていますけどね。昔からもの作りが好きで、何でも自分で作っていたんです。おもちゃもあんまり買わない家庭だったので、友達におもちゃを一晩だけ貸してもらって、それを段ボールとセロテープで作るみたいな事やっていました。それで次の日、友達と一緒に遊んだりして(笑)。そういう幼少時代だったんで、感動したものは自分で何でも作りたいっていう気持ちがありました。音楽に関しては昔から好きで、父親がジャズとクラシック狂だったので家でずっとかかっていましたね。それで10歳位からブラックミュージックがすごい!って思って。
― 10歳でブラックミュージックってこれまた渋いですね!
Yosi:(笑)5歳上の兄貴がいるのと、父親が聴いていた音楽に影響を受けたっていうのもありますね。早熟って言えば早熟ですね。10歳位でブラックミュージックのリズムがいいなーとか言っていました。小学校の頃の日記に書いたのを覚えていますもん、“音楽と言えばブラックミュージックだ”と偉そうな事を書いてたり(笑)。音楽は凄く好きではあったんだけど楽器なんかはもちろんない環境でした。でも、12歳位の頃だったかな、ラジカセを買ってもらったんです。ラジカセ使ってなんとか音楽作れないかなーって思って。KRS ONEってアーティストいるじゃないですか、"Return of the Boom Bap"っていうアルバムがあるんですが、そのジャケットは彼がヘッドフォンに向かってわーって叫んでいる図なんです。それを見て、ひょっとしてヘッドフォンって音が録れるのかなって思ったんですよね。ラジカセにカラオケミキシング機能みたいなものがついていたので、そこにヘッドフォン差し込んでみたら見事に録れることが分かって、そこから曲作りが始まったんです。家中のものを集めてきて録音したりして。母親に言わせるとあの頃の自分は家にあるもの何でも叩いていたらしいです(笑)。で、いい音がするものは全部自分の部屋に持ち込んでいたみたいですよ。それで、音を集めるんですけど、全部同時には叩けないから集めて基準になる音を録って、その録った音をデッキ1にして空テープをデッキ2に入れてダビングすると、カラオケ機能なんで片方にインスト入れてもう片方に歌を入れるとうまい具合にミックスされて、どんどんオーバーダビングしていける事が分かったんです。だから、その頃はバカみたいにハマっていましたね。そこからちょっとずつ機材も買い始めて、一番始めにサンプリングマシーンを買って、その後シンセという具合で増やして行きました。
一旦、そのスタイルはなくなったんですけど、美術好きなこともあって、自己表現をどうするかとか、自分にしかできない事は何かなと考えてしまう癖がありましたね。それで、自分のスタイルとか趣味を考えたときに、最初に録音して色んな音を探していた事が自分のスタイルなのかなって認識したんです。あと、大学で学んだのが建築だったので、空間と物の関係に興味がありました。今は音楽をやっていますが、音を軸にして音を取り巻く環境も含めて音楽にしていきたいっていうのはありますね。夕方に遠くから鐘の音が聞こえてきたとき、じーんとくるのはなんでなんだろうとか。それは鐘の音だけじゃなくて、視覚的な要素もあるんでしょうけど、空間とかあらゆる要素が身体の中に入ってきて感動するんだろうなって。そう言う事を自分が音楽を作るときに考えたら、やっぱり周りの要素も取り込んで行きたいと気持ちがあります。僕は歌う訳でもないし、楽器を演奏する訳でもないから、主人公がない音楽を作っているんです。じゃあ、聞き手が主人公になれる環境づくりをしていきたいなと。映画を見て自分が主人公になりきる感覚ですよね。その風景作りをやりたいな、と。ビートミュージックはやっていますけど、ビートでなくてもいいかなっていうところは正直あります。そもそもブラックミュージックがルーツにあるし、リズムそのものが好きでわくわくしてしまいますね。
― さっき色んな音を集めてっておっしゃっていたんですけど、Yosiさんの音楽を聴くと、日常にある音を題材にした曲が多く見られます(in the distanceの足音、rainbowの雨音、skippingの子供の声等)。日常にある音は常に曲の要素としてとらえているのですか?
Yosi:skippingの子供の声は自分の声じゃなくて、姉貴と兄貴の子供の頃の声です。もう30年ぐらい前に録ってあったテープが出てきてそれを使いました。日常的に周囲の音を意識していて、アイデアを常日頃ためると言うか。あまりやりすぎても楽しめなくなってしまうから、そこそこに。スタイルとかコンセプトを決めすぎると頭でっかちになって、純粋に楽しめないものになってしまう。そういうものにはしたくないですね。でも僕はまだ世に出て間もないし、全然知られてないので、やっぱり自分が何者かと言う事を表現するにはある程度一貫したスタイルを持っている必要性はありますね。だからポーズ的なものも含めて、とにかく今のスタイルでしばらくやってみようと思っています。
― RBMAへのアプライに至った経緯を教えて下さい。実際応募条件等どのようなものでしたか?プロセスを教えて下さい。
Yosi:ソース81のスズキノブユキ君というアーティストが2、3年前に受かって、彼と知り合ったときに、彼が唯一の日本人だと言う事を知ったんです。それがレッドブル・ミュージック・アカデミーを知ったきっかけだったんですけど、すぐに応募をする気は起きなかったんです。たいした英語力もないし、受かる自信もなかったし…で、前回の参加者のタナベダイスケさんが参加して、帰国してから僕に絶対参加した方がいいって勧めてくれました。スタイルがはっきりしているからいけるかもしれないよって。応募の直接的なきっかけは彼でしたね。それでいざ応募しようってなったのはいいんですけど、なかなか億劫で進まなかったんですよ。
― プロセスが凄く大変だと聞きましたが?
Yosi:そうなんですよ。50以上の質問があって、もちろん英語で。質問の内容がまた、これは人間性を問いているんじゃないかっていうものが多くて。英語で小論文を書くようなものです。自分が何者かを考える良いきっかけにはなったんですけどね。それを自分の言葉で、更に英語で書くというのは簡単ではなかったですが、やりだしたら1、2日でできちゃいましたね。割と早い段階でアプリケーションシートはPDFでダウンロードはしてましたが、大変そうだからしばらく放置して、結局提出したのはギリギリの締め切りの前日でした…そう言う性格なんです(笑)。
― いざマドリード入りして“学校”が始まって、どうでしたか?
Yosi:実際学校とはかなりかけ離れていますね。本当に自由だし、第一印象はとにかく恵まれた環境だと言う事でした。機材もこれだけあって、宿泊施設も食事も全部用意してくれて…今まで芸術をやってきたけど、ここまでやってもらえる事に感動しました。
簡単な事ではないのは分かってますけど日本でもこういうものができればって思います。こういうシステムって芸術家にとって本当に励みになりますし、希望にもなりますから。
― もちろん次へのステップにも繋がりますもんね。
Yosi:そうなんです、卒業生で出世した人たちが結構いるので、アカデミーを出ると箔がつくっていうイメージを持っている人も多いです。それもあって人気も出てきているみたいですけどね。日本でももっとこのアカデミーの知名度が上がればいいなと思っています。こうやってインタビューをして頂いて、広まればいいですよね。全然芽の出てないような人が選ばれると面白いと思うんですよ。
― リスナー側としてもそうですよね、有名な人が参加しても面白みに欠けると言うか。
Yosi:そうなんですけどね。でも、普通にリリースもしていて結構有名な人も参加していて、むしろびっくりするケースもあります。もう十分じゃないの?って気がしないでもないですが。でも来てみたら分かるのが、とにかく楽しいし、音楽好きな人にとっては理想ですよね。好きなだけ音楽を作れる環境なので。その上、音楽で成功した人の歴史や半生についてレクチャーで聞けるのも凄く貴重です。みんなスタイルが違うので、まねすればいいって訳ではないですけど、彼らの生き方に憧れますね。
― ミュージシャンではない私でも頷けるところは多々ありました。昨日のマニー・フレッシュのレクチャーも良かったですよね。
Yosi:人間的にもビッグな人が多いですよね。人格者ってイメージがありますね。人間的な素晴らしさを目の当たりにしています。こんなに成功しているのにフランクで、惜しげもなく色々話してくれて感動すら覚えます。
― アカデミーが始まってからどのようなスケジュールで毎日を過ごしていますか?
Yosi:毎朝10時半にホテルのロビーに集合して、そのまま全員でバスに乗ってアカデミーに来ます。時間が決まっているのはむしろ楽ですね。着いて朝ご飯をみんなで食べて、12時から2時までレクチャーが1本あって、その後ランチで3時から5時にまたレクチャーがあるんです。レクチャーは1日1本の日と2本の日があって、半々くらいですかね。レクチャーある日は終わったら今度は夕ご飯で。食事の頻度が高いんですよ。もう少し間隔を離して欲しいんですけどね(笑)。夜の時間がしっかり長く取れるのはいいですけどね。
― 話を聞く限り、かなり規則正しいですね。
Yosi:そうですね、日本にいるときより体調いいですよ(笑)。ご飯もかなりきちんとバランス取れてるんで。ただ、眠いんですけどね。
― 時差ぼけが抜けないんですか?
Yosi:いや、時差ぼけは結構すぐ抜けたんですけど、毎晩イベントに繰り出して、今日も朝5時に帰ってきました。毎日、睡眠時間4時間位で、何もなければ大丈夫なんでしょうけど、何かしら作業するし、他の参加者のライブもしっかり観たいし、大御所もライブやるしで、感動とびっくりと自分の集中力も切らしちゃいけないので、それだけでもぐったりしてもいいんですけどね。緊張感で持っているようなものですね。あとはレッドブルで(笑)。これはいい宣伝になりますよー「あのときはレッドブルのお陰で乗り切れた!」っていえますもん!
― 他の参加者について。中でもYosiさんオススメのアーティストはいますか?誰と一緒に作業したいですか?
Yosi:難しいですね…一人には決して絞れない位面白い人が沢山います。レベルはかなり高い印象があります。選者の懐を垣間みるみたいな感じも面白いです。クオリティだけで選んでいると、きっとギスギスしてくると思うんです。あいつより俺がうまいとかそういう対抗意識が生まれて。スキルばかりで競争になりがちなところを、スタイルもみんな違いますし、上手にバランスを取ってくれています。人間性も選考課程に入っているんだな、と。
― このインタビューの間にも何人もこのスタジオに出入りしていますけど、他の参加者とはかなり打ち解けましたか?
Yosi:2日目に自己紹介をかねて、2分だけ自分の曲をプレイしたんですよ。2分で3曲程まとめたりして、30人が各自発表するんです。やっぱりその後、急に近づきましたね。それまでは全くお互い分からない状態だったんですけど。僕は日本ですら自分から話すタイプではないので、どんな人間かみんな分からなかったと思うんですけど、曲終わった瞬間、「おまえクレイジーだなー!」なんて言われたりして、しばらくはジーニアスってあだ名がついていましたよ(笑)。1人誕生日の子がいてスタジオで誕生日会をやったんですね。そこで吹くとピロピロって出てくる笛みたいなのあるじゃないですか、あれをドラムスティック代わりにしていたら壊れちゃって、これではお祝いできん!と思って直したんですよ。そしたら、「ジーニアスは何でも直せるんだな!」って言われたり(笑)。今、アカデミー始まってからたかだか4日ですけど、いきなり初対面の人とこんなに親密になる事ってなかったですよ。
― 本当に和やかな雰囲気なんですね。
Yosi:競争心とかないですねー。自分のスタイルがしっかり確立している人たちを選んでくれているおかげか、人と比較してどうっていうのはないですよ。雰囲気はすごくいいです。選ばれた事に対する自負心もあるし、誇らしい気持ちもあるし、クラブの出入りもタダ、酒もタダだし、こんなに恵まれていていいの?って、みんな思っていると思います。そう言う事も手伝って気持ちいいですね。みんながライブしても、「お前よかったぜー」ってほめ合ったり、抱き合ったり握手したりって感じで。これは本当に素晴らしい機会を与えてもらったと思います。音楽抜きにしたらやっぱりここまですぐに親密になれないと思います。
― ありがちな表現ですけど、音楽に言葉は必要ないってそう言う事なんでしょうね。
Yosi:ええ、まさにそうだと思います。自分がしゃべるより饒舌に音楽が自己表現をしてくれているので。してくれたっていったら他人事みたいでおかしいですけど(笑)。でも、この感じはすごくありますね。ここで起こる事はもちろん重要なんですけど、世界中の人間をこうやって集めてくれた事も重要だなあと思うんです。集める側もものすごい責任感を持ってやってくれたんだと思いますし。選ばれたって言う事実に意味があるんじゃないかな、と。
― アカデミーでの経験は今後Yosiさんのサウンドメーカーとしてのキャリアにどのような影響を与えると思いますか?
Yosi:セッションを今までほとんどしてこなかったので、それが音楽的には一番大きい気がします。音楽を作る事自体一人でやってきて、どちらかというと自分の内面に向かう方向でやってきて、すごくパーソナルだったものが今では作りながらみんなで「どう?」ってやってきているので新鮮ですね。違う喜びと言うか、楽しみですね。音楽は人をわくわくさせる事ができるから、お互いにわくわくさせあって、高められるっていうことを今までやってこなかったので、いいなあと思います。分かってはいましたけど、なかなか機会もありませんでした。自分のすごく好きな人は、持っているものが自分と似ているんですね。じゃあ、そう言う人と一緒に何か作るかっていったら、必要ないんです、かぶっちゃうところが多くて。まるっきり違う人だから何か起こせるかっていったらそうでもないし、自分では選びにくいところがあって。レーベルが選んでくれてやってみなっていうのがあれば別でしょうけど。だからこの30人というある程度の制限が、むしろ可能性を秘めていると感じます。
― 次の目標は何ですか?
Yosi:まずはアルバムを作りたいです。まだ自分の作品は、これ!っていうのがないんですよ。ちょいちょいEPやコンピで曲単位では出したりしているんですけど、フルアルバムはないので、それをやりたいです。今回かなりいいコネクションも友達も作る事ができたから、それはかなり大きいですね。さっきここにいたドリアン・コンセプトの彼もかなり有名でニンジャ・チューンズからリリースしたりしているんですが、とても親しくなって、後でキーボード持ってくるからなんかやろうっていってくれています。最初、どぎまぎする位嬉しかったですよ。今僕はフランスのレーベルに所属しているんですが、ちょっと動きがないからどうしようかなーなんて彼に言ったら、「じゃあ一緒にレーベル探そう」なんて言ってくれたしして。アルバム出すときは必ず曲送るよ、とかそう言う感じで。
― 日本にはないいい意味でのノリの軽さというか良さがありますよね。
Yosi:そうなんです。肝心なのはやっぱり、しゃべる事をためらわないってことで、こっちが何?ってなっても、わーってしゃべっていますからね。あれが最高とは言えないですけど、日本人の奥ゆかしさの観点からみると、そう言う感じは全くないですよね。でも、今回みたいなところで勢いは大切です。期間も短いし、限られたスペースで自分をどう表現するのかっていったら、がんがんやっていかないと何だか分からずに終わっちゃったって結果になりかねないですからね。
― アカデミーが終わるまでに、いわゆる卒業制作的なものはあるんですか?
Yosi:最後の日に、アカデミーの発表会があります。一人一曲がノルマだったかな。必ずやれとは言われてないけど、ファイナルセッションと言うものがあります。僕はうまくいけば3曲位できそうです。今1曲は、さっき話したドリアン・コンセプトの彼にキーボードを弾いてもらおうかなって思っていて、あとは歌を2人から録りたいっていうのもあるので楽しみにしています。ドリアン・コンセプトに関しては本当に好きなアーティストだったので、彼のキーボードがのるって考えると興奮するし、さっきスタジオの外にいたジェシー・ボイキンズも、もうかなり有名ですが、「Yosiの曲よかったから、何か歌うよ」って言ってくれて。女性ボーカルを考えているんだけどっていったら、じゃあバックグラウンドをやるなんていうもんだから、それじゃあまりにも申し訳ないし、じゃあもう1曲作ろうかな、と。
― 楽しみですね。
Yosi:はい、お祭りみたいな側面もあります。かなりシビアに曲作りをしたりして。限られた時間の中でこれだけのものを作ると言う事はプレゼンテーションとしては重要ですから。何をやるかということと、どれくらいのクオリティで完成させるかということでかなり評価が変わってきますからね。時間をかけないとできないっていう人もいますしね。僕が作業をしていたら、横で「お前早いなー」って言われたりしましたが、そんなに早い方ではないですよ。でも、今回は、細かさはそんなに必要ないから、まずはアイデアと勢いが必要かなと思って、あんまりディテールにこだわらないようにしようとは思ってます。
― その三曲は将来どこかで聴けるんでしょうか?
Yosi:いやぁ、ちょっと分からないです。権利はアカデミーにあるので、リリースはしてはいけない事になってるんです。でも、短期間でこれだけのことができるんだっていうのを見せたいですよね。これから応募する人たちのいい指標になると思います。自分だったらもっとできると思ってくれても構わないし。
― 来年以降アカデミーへの応募を考えている日本のアーティストにメッセージを頂けますか?
Yosi:迷っている人がいたら、まず応募するべきだと思います。僕が人に言えるのは、自分らしさを探求して行くべきだということ。必ずしも人と違うイコール自分じゃないと思うし、自分がどこからきてどこに向かっているのかって言うのを常に考えない事にはいい作品にならないんですよ。やっぱり音的に浮気もしたいし、かっこいい音だなと思ったらそっちにいってしまいたい気持ちも生じると思うんですけど、そっちに行かない勇気も必要で。だからといって意固地になるのもしんどいから、気持ちと目はしっかり開くと同時に自分の内面もしっかり見つめて行く事が大切ですね。あんまり世界に目を向けすぎる必要もないと思うんです。そのバランスを常に心がける事。僕がやってきたのはこれだけなので、技術的にどうこうっていうのは人それぞれだし、自分らしくあることがやっぱりたいせつですね。それで選ばれなくてもめげずに自分は自分だと思って下さい。アカデミーのセレクションもレッドブルの個性っていう意味でとらえればいいと思うし。僕はたまたまそこにマッチしただけで、選ばれなかったからダメっていうのは絶対違うと思います。
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