炎上し暴徒が叫ぶ、故郷イギリスの今(2

タイムアウト東京の外国人編集者ジョン・ウィルクスがリポート

炎上し暴徒が叫ぶ、故郷イギリスの今(2)

from guardian.co.uk

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8月12日 14時00分 現在

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『略奪者たちなんて、みんなただの子供だよ(Many of the rioters are just kids)』と題されたレゴの作品。確かに…。

8月12日 12時00分 現在

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昨夜のイギリスからの報告によると、どうやら暴動は治まったようだ。僕の妹によるとまだ完全には安心できない状態にあるそうだが、3人の男性が殺された事件についてシーク教徒たちとムスリム教徒たちが集まり、話し合ったという。その心温まるビデオを見ている限りでは安心してよさそうだ。ビデオの中で若者達が「デモを起こそう!」と熱くなっているが、年配の人たちは「そんなことをしても、暴力の連鎖が広がるだけだ」とたしなめている姿が映されている。むしろ、暴力行為こそ死んでしまった彼らの記憶に泥を塗ることになると、1人の男性は言う。集まった群衆の全員が納得してはおらず、まだデモをやりたいという人も多いようだがビデオの最後では警察も含めた全員が彼らの為に祈り、おとなしく家に帰っていく姿が映されている。

バーミンガム、さらにイギリス中の人たちにとって、これはとても感動する映像である。バーミンガムは様々な文化圏の人々が肩を寄せ合って暮らしている街であり、もちろんいつも幸せな関係…というわけにはいかないだろうし、暴力的に熱くなる状況も今までにはあったはずだ。こうしてそれぞれが平和的に問題を解決していく姿を見るのは、嬉しいことである。


悲しいニュースも、ひとつ。ロンドンで68歳の男性が昨夜亡くなった。彼は、今回の暴動で命を失った5番目の犠牲者である。彼、リチャード・ボウズは、月曜の夜から意識不明のまま病院のベッドの中で彷徨って。イーリング(西ロンドン)の自宅に放たれた火を消そうとしていたところで、頭を強く殴られて重症だったという。彼はとても優しい男性で、近所でも愛されていた人物だとみんな言っている。

最後に、北東ロンドンのウォルサムストーから、さらに心温まるニュースがひとつ。この地域の警察に感謝の気持ちを表す為の特製の食堂が作られたというお話。イギリス人にはとても重要な紅茶をもらえたり、食べ物や温かい毛布、そして休憩できる場所も設けられている。 そして警察からは、この温かい気持ちに答える為に、沢山の手紙が送られているという。Flickrのこのサイトにはその手紙を見つけることができる。そこに書かれているのは、「本当に沢山の温かい気持ちをありがとう!!日曜日以来110時間休みなく働いていて、トータル12時間ぐらいしか眠れていなかったから本当に助かりました。その間ちゃんと紅茶を飲めたのは、この場所だけでした。あなたたちの素晴らしいコミュニティスピリットに、借りが出来てしまいましたね」。

8月11日 午前20時00分

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暴動で傷ついたレーベルを救うためのレーベルが設立!

心のない破壊者たちによって焼け落ちてしまった『ソニー・ディストリビューション・センター』の中には、165ものインディペンデント・レーベルの150万枚に及ぶCDの在庫が保管されていたという話は、少し前に伝えたが、この中に含まれている多くのレーベルたちは、伝統的なインディ魂を消さないように、情熱を持って続けてきた音楽ファンが経営しているものが多く、イギリスの(そして世界の)音楽文化が大きな打撃を受けていることは間違いないこと。

そんなレーベルたちを助ける為のチャリティーレーベルがついに設立された。そしてタイムアウト東京も、彼らを全面的に応援し、イギリスインディーミュージックシーンを愛する人たちとともに、前に進んでいきたいと思っている。

詳しくはこちら

8月11日 午後20時00分

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少し不謹慎な画像が話題になっていたので紹介。これはもしかして、ロンドンオリンピックの新しいロゴ?? enginydさんからの投稿でした。

8月11日 19時00分

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イギリスの新聞紙『ガーディアン』がとってもクールな地図を作成した。全部表示されるまで時間がかかるけど、ちゃんと表示されれば、マウスをロールオーバーするだけでリーダーから送られてきた暴動の画像が表示される。現在のところ、1615枚の画像が地図上に展開されている。ズームインも自由自在なので、気になる地域の情報を詳しく見ていくことができる。

もうひとつのニュースを…

デーヴィッド・キャメロン首相により、1日だけ国会での特別議会が開かれることとなった。イギリス議会は7月19日(火)から9月5日(月)まで休暇のため閉会しているが、今回は緊急事態ということで首相の権限で全員を呼び戻すこととなる。国会は今日の朝に開かれ、首相から暴動についての現状説明や家や仕事を失ってしまった人たちに対してどのような補償が考えられるか、議論をすることになると思う。

ということで、イギリス国会の写真でも添付しておこう。

8月11日 15時00分

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このビデオの中にでている彼がこっちのビデオにも映されている!彼はマレーシアからの留学生アシュラフ・ハジック。彼はロンドンで学んでおり、こんな怖い体験をしたにも関わらず、これからもロンドンで学び続けるという。この新しい方のビデオでは、殴られて壊れた顎と歯を治療する為に入院しているところ。マレーシア語で話している内容は以下の通り:

「友達と一緒に仲間の家に自転車で向かっている途中、いきなり20人ぐらいのギャングが現れたんだ。確かナイフも持っていたと思う。メンバーのうちで若そうな子は、小学生ぐらいだったと思う。集団でやってきたんだけど、最初は攻撃はしないで自転車だけをよこせと言ってきたんだ。そうしたら突然そのうちの1人が僕のポケットに手を突っ込んで携帯を盗もうとして…。自転車を引っ張られて、それからもう何が起こったのか覚えてないよ…。確か、転んで口から血が出て。たぶん殴られたんだと思う。それからは全てがぼやけていって倒れたのを覚えている。口の中から血が出てるなーって思っていたら、誰かが助けにきてくれたんだ。 だけどそれは違った。助けにきてくれたと思った人も、そのグループのメンバーだったんだよ。このビデオでもわかるように、男は僕のカバンからPSPをケースごと取り上げたんだ。 このビデオは多くの人たちが見てくれたみたいで、応援の言葉をくれた沢山の人たちに心から感謝したい。みんなに知ってもらいたいことは、僕はモノを盗まれたかもしれないけど、心までは壊されていないってことさ」。

デーヴィッド・キャメロン首相は次のように語っている。 「助けるようなフリをして実は盗みを働く若者の軽蔑すべき姿が見られるということは、今の私たちの社会に関して、何かが何間違っているということは明白だ」と。

8月11日 13時20分

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現在裁判にかけられている略奪者と暴動者たちについての情報が上がってきている。昨日裁判にかけられたうちの1人、ローラ・ジョンソンはまだ19歳で裕福な家庭に生まれたという。

時価総額5,500ポンド(約700,000円)ほどのタバコやお酒、電化製品を詰め込んだ車を運転しているところを逮捕された。両親は一切のコメントを拒否している。

最年少の略奪者は11歳。彼は50ポンド(約6,300円)のゴミ箱をデパートのショーウィンドウから盗んで逮捕された。警察に対して「僕はこれを誰かにあげたかったんだよ」と説明しているという。

イーリング(西ロンドン)の25歳の男性は、スキーのゴーグルを盗んだ罪で逮捕された。 彼曰く、「略奪されて壊された店のガラスから目を保護する為に必要なんだ」ということらしい…。

8月11日 11時35分

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これは、タリック・ジャハーンさんが息子さんの写真を持っている姿。享年21歳なので、この写真自体はかなり昔のものだろう。

8月11日 11時00分

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バーミンガムの人たちに送られた、タリック・ジャハーンさん(殺されたムスリム男性の父)からのメッセージ

「今日、私がこの場所に立ち、皆さんにお話しているのは、若い人たちに心を鎮めてもらいたいからであり、私たちコミュニティの絆を強くすることにあります。これは人種の問題ではありません。今、私たちの家族には、(人種を超えた)様々な人たちから同情の声が届けられています。私は、息子を失ってしまいました。黒人もアジア人も白人も…皆が同じ場所に住んでいるんです。どうしてそれが、お互いに殺し合うことになるのでしょうか?どうしてそんなことをしているのでしょうか?もしも、あなたがご自身の息子さんを失っても構わないならば、(感情のままに)先に進んでみてください。 それが難しいなら心を鎮めてそれぞれの我が家へ帰りましょう。どうか、お願いします」。

8月11日 午前10時30分

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5日目を迎えたイギリスの暴動について

3人のムスリム男性が死亡した現場付近では、信教を超えた集会が開かれた。ハルーン・ジャハーンの父親は「平和と敬いの気持ち」の大切さについて訴え続けている。これまでのところ報復活動や暴動などの情報は入っていないのでこれはいいニュースだろう。

イギリスのその他の場所では、どの街でも警察官の数が増強され、南ロンドンのエルタムで起きた事件を除けば、大きな暴動は起こらなかったらしい。エルタムでは、EDL(English Defence League)を巻き込んでの出来事だったという。約200人の暴徒が集まり、煉瓦や瓶を警察署に投げつけるという行動を起こしたが、それも45分後には治まったという。数名は逮捕され壁に顔を押し付けられて背中で手錠をかけられた人もいたという報告も。もしかしたら、この状況を彼らは人種問題のネタとして使おうとしているのではないのか、という気持ちがよぎった。

それ以外では、数日前よりはずっと平和な夜だった。警察は、政府からゴム弾やウォーターキャノンの使用許可をもらっていたが、結局それも使わずじまいで終わったようだ。

ノッティンガムを含めた街の協議会の意向によれば、もしも家族が暴徒のメンバーであったり、暴動に関わったことがわかった場合、住居からの立ち退き(または住居の差し押さえ)の可能性があるという。

これまでのところ、累計で1000名が逮捕されており、未成年者の犯罪者たちを助ける為に24時間営業で裁判所はフル稼働状態だという。

8月10日 午後11時55分

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ガーディアン紙のレポートによると、今夜のバーミンガム市には重苦しく緊張した空気が張りつめているという。それは、街の若いアジア人たちが今朝殺されたムスリム男性の事件について大至急警察が原因を究明しない限り、人種間の抗争を始める、と公に発表したからである。

新たな目撃者の証言によると、今回の轢き逃げは、黒いアウディを運転したアフロ・カリビアンの男性だったという。そして、決して事故ではなく、故意にぶつけたものだったという。警察の暴動対策の大きなバンに遮られていたので、現場に救急車が到着するまで20分もかかったと、その場に居合わせた人は語る。

この地域の代表者たちはウィンソン・グリーン地区のダドリー・ロードのモスクに集まり、どうすれば暴力沙汰を避けられるのか協議している。地元の議員や、牧師、司祭、が集まり、モスクの指導者と掛け合っている。誰もが平和に解決したいと思っていると、確認し合ったという。

8月10日 午後10時30分 現在

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今朝、バーミンガムで轢き逃げされた三人のムスリム男性の父親の一人が、リポーターに対して口を開いてくれた。彼の名前はタリック・ジャハーン。そして、死亡した彼の息子の名前はハルーン・ジャハーン。まだ21歳の若さだった。

ジャハーンは語る。「私は自分の目で事件の現場を見たわけではありません。角を曲がったところに私はいました。その場所から、凄いスピードで車がやってくる音が聞こえたんです。それから何かがぶつかる音が聞こえて、人々が叫び声をあげていました。その騒動が起きている場所まで走ってゆき、倒れている男性を見つけました。その人は知らない人でした。

CPR(心肺蘇生法)を彼にあたえている時、誰かが私に声をかけ、息子さんが後ろにいますよ!と教えてくれたんです。息子は地面に寝転がっていました。そこですぐに息子を蘇生させたい一心で、胸に心肺蘇生法を行いました。 息子はコミュニティを守る為に努力し、そして殺されたんです。本当に良く出来た若者でした。息子を失うというきもちがどんなものなのか、言葉では説明することはできません。彼は一番若くて、何よりも大切な子供で、とても頼りにしていました。

私は政府を非難しませんし、警察も、誰も非難したりはしません。私はムスリムであり、神に与えられた運命と命の意味を信じています。だから、それがハルーンの運命であり使命であり、(それを果たした彼は)いなくなってしまった。願わくば、ハルーンの魂をアラーがお許しいただき、彼に恵みのあらんことを」

8月10日 午後10時10分

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先ほどの、昔のタイムアウトの表紙について気になることがあったのでジョンに質問をした。
「警察の戦略が、社会を悩ませる大きな問題となった」と書かれたヘッドラインの意味が分からなかったのでジョンに質問をしてみると、次のような返事が返ってきた。

「面白い話だね。その時代のタイムアウトはかなり左寄りのメディアだった。そして、プリクストンの暴動は政治的な衝動から始まったもの。失業率やひどい政治についての不満こそが、抗議行動の原点だった。そのため三日間にわたって警察と群衆が衝突し、沢山の人たちが傷を負った。150棟のビルが損傷を受け、100台以上の車に火がつけられていった。今回の暴動と比べると小さいけれどね。たった82名が逮捕されただけだった。

ただし、このときの暴動と今回の大きな違いは、かつての暴動では「略奪行為」は一切起こらなかったということ。今年の暴動は警察に対するものではなく、社会状況に反発して立ち上がったとは言うものの、ただ盗みを働く絶好のチャンスに便乗した数百の略奪者がいただけのこと。左翼系の雑誌として、タイムアウトはその時代は群衆の側に立っていた、ということをこの『警察の戦略が、社会を悩ませる大きな問題となった週末』という文章から読み取れるよね」

8月10日 午後9時45分

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ロンドンに住む読者の一人@Dan_Tsukasaから次のようなメッセージがtwitter経由で送られてきた。

「愚かな子供たちのおかげで、世界から見たロンドンのイメージは悪くなってしまったかもしれないけど、決してそんなことはない。ほとんどのロンドナーはみんな善良な人たちだよ」。もちろん!

8月10日 午後9時30分

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この画像はツイッター上で話題になっていたので紹介。写真に写っているのは略奪者本人で、彼が盗んできたものを見せびらかしている写真だと思われるが、誰一人として「本当に彼が略奪者なのかどうか」分からないという…。もしかしたら、クリスマスの朝におもちゃをたくさん手に入れて喜んでいる幸運な青年の姿かもしれないし…。 しかし! もし彼が本当に略奪者だとしたら、写真に写っているように沢山のゲームソフトやら映画『トランスフォーマー』のDVDだとか、色々な獲物を手に入れちゃって…???あれ?よく見ると…"お肌にうるおいを与え滑らかにしてくれるBODY SHOPの『マンゴー・ボディ・バター』"が3缶もあるよ!!!…まあ、なんてお洒落なギャングなんだろうね(もちろん皮肉の意味で)。

8月10日 午後9時15分

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たった今、タイムアウトロンドンからこんな画像が送られてきた。1981年のブリクストンでの暴動を写した写真を用いたタイムアウトの表紙である。素晴らしい! ヘッドラインで書かれている言葉は、「我々がロンドンの街に秩序をもたらす。そして、それこそがすべてなのだ」。

そして、もうひとつのヘッドラインには、こうも書かれている。「警察の選んだ戦略が、社会を悩ませる大きな問題となった週末」とも…。

8月10日 午後9時00分

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今日の面白いニュースをひとつ。この話はガーディアン紙のウェブサイトに掲載されていたものだが、面白かったので紹介。ストレサム(南ロンドン)にある電気屋が日曜の夜に襲われたときの話。セキュリティシステムが作動し、シャッターが自動的に閉まってしまい、略奪者のひとりが店内に閉じ込められてしまったという。最終的には警察がシャッターを開けたときには、中に取り残された略奪者を見つけたという話…。それも、見つけたときに彼は電動車椅子に座った状態だったという…!

8月10日 午後8時40分

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このビデオはYouTubeに本日投稿されたものだが、エルタム(南ロンドン)の街角に昨夜現れた自警団を映したものだという。48秒あたりからはっきりとグループの姿を見つけることができる。


ジョン曰く、「このビデオの悲しいところは、ときどきビデオの中で『EDL! EDL!』と叫んでいる声を聞くことだろう。この略語は「English Defence League」を省略したもので、2009年に結成された右翼グループを表しているもの。彼らはイギリス国内でイスラム勢力が立ち上がることに猛反対しており、とくにイスラム法(シャリア法)の適応については反対している。ここで心配なことは今回のような政情不安に便乗して、こういった右翼思想を持った人たちがのし上がってくるのでは…ということ」だと語る。

副警視監のスティーブ・カバナーは『Skyニュース』に次のように語っている。「こういった"自警団"というものは必要ありません。彼らはたいがいは酒に酔っていて、彼らをコントロールする為に、また警察が必要となるんです。警察は略奪者たちを取り締まる為にいるのですから!」。ごもっとも。

8月10日 午後8時10分

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いつもはゴシップ系ニュースペーパー『ザ・サン』からの引用は避けているのだが、もしこの投票結果が本当だったらなかなか興味深いのでここで紹介。 『ザ・サン』は、今回のリサーチにアンケート調査会社の『YouGov』を用い、20歳以上のイギリス人2534名から集めたアンケート結果をもとに統計結果を発表した。
今回の質問内容は、「警察は暴徒に対して、どんな手段をとるべきでしょうか?」というもの。

この結果はどうなったかというと:
90%の人が「ウォーターキャノンを使ってもかまわない」
78%の人が「催涙ガスを使ってもかまわない」
84%の人が「騎馬部隊の警察を導入してもかまわない」
65%の人が「ゴム弾(硬質ゴム製の弾丸で群衆の中に使用するもの)を使ってもかまわない」
33%の人が「実弾を使ってもかまわない」
82%の人が「外出禁止令を発令してもかまわない」
77% の人が「軍を導入してもかまわない」

ということに…。

8月10日 午後7時45分

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日本時間で午後6時55分にBBCが報道したところによると、リビア外務省のスポークスマンは世界中の政府に「イギリスの不安定な内情に対して行動を起こすように」と少し過激な(?)呼びかけを行ったという。そしてイギリスの首相デーヴィッド・キャメロンは既に英国民からの信頼を失っており、すぐにでも「彼は退陣するべき」だとも。さらにこのスポークスマンは「イギリス国民に対して行われている"侵略行為"に関して、腕を組んで傍観しているのではなく世界中の政府は立ち上がらなくてはいけない」とも付け加えた。まだ、その段階かどうかはわからない上に、そういったアクションが大きな問題に繋がっていく可能性もあるだろう。

8月10日 午後7時15分

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今朝、ひき逃げされたムスリム男性3名に関する悪いニュースが…。
目撃者によると、このひき逃げは事故ではなく、意図的に狙われたものだったという。

午前1時頃、彼ら三人は連れ立ってモスクから出てきた。ちょうど今がラマダンの真っ最中なのでこれは決して不自然なことではない。丸1日断食をした後、ムスリムの人達はモスクに集まり早朝の祈りを捧げる。そして祈りの後、彼らはモスクを去り、街の商店街を警護する活動に加わった。

その少し後、数台の車が彼らの横を過ぎて通ったという。そのとき運転手たちが「ムスリム」に対して侮辱するような言葉を叫んでいたと目撃者は語っている。車は過ぎ去ったかと思ったが、1台がUターンをし、かなり速いスピードでムスリム3名に向かってきた。約80キロほどの速度で歩道を突き進み、ムスリムの男性たちと衝突したという。まるで人形のように彼らは空中へと跳ね飛ばされた。

ガーディアン紙に語った目撃者の1人によると「警察がやるべき仕事を彼らがやってしまったために、命を落とすことになったんだ。彼らはモスクやお寺やシナゴーグや教会の前に立っていたのではなく、誰もが使っている店の前に立っていたんだ。彼らは僕らのコミュニティを守ってくれていたんだ」。

新しいレポートによると、スコットランドの警察から増援部隊がイギリスに今夜派遣されるという。ただ、どれぐらい派遣されるかについては明言されていない。

8月10日 午後6時35分

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日本時間午後6時(イギリス時間午前10時)の段階における、ガーディアン紙による逮捕者数。

ロンドン地区: 768名 (このうち167名が告訴されている)
マンチェスター地区: 300名
バーミンガム地区: 109名
ノッティンガム地区: 84名
リヴァプール地区: 50名
ブリストル地区: 24名
総逮捕者数: 1,335名

8月10日 午後6時15分

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沢山のビデオや写真で紹介されてきた『破壊されたソニービルディング』だが、正確なことを言うと、あれは北ロンドンのエンフィールドにある「ソニー・ディストリビューション・センター」ということになる。このビルの主な役割は、PIASという配送会社が使っている倉庫だという。この会社は主にレコードレーベルや映画会社が使っているディストリビューションの会社である。今回の火事で150以上のレーベルが自身の在庫を失ってしまい、多くの人達がその状況から立て直そうと必死になっている。

しかし、イギリスの音楽ファンたちは、こうやって失われてしまった音源やプロダクトをもう一度作り直す為の募金を集めるイベントを企画しているという。さらに、PIASを助ける為にはどのCDを買えば良いのかといったリストまでネット上に現れ始めている。例えばこのサイトがそうである。もしもPIASを助けたいと思った人達は、Mogwaiの『Young Team』やJoanna Newsomの『Have One On Me』、そして日本のバンドBo Ningenの『Bo Ningen』などを買ったら良いらしい。もちろんこれらのCDを直接イギリスのレーベルから買うことでも援助が成立する。彼らのウェブサイトにいけば直接オンラインショッピングで買うことができる。もしも英語がわからないという人がいたら、気軽に僕らに聞いて欲しい。いつでも喜んでお手伝いするので。

今回の事件で損害を被ったレコードレーベルのリストはこちらから

8月10日 午後5時50分

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今朝3人のムスリム男性がひき逃げされた事件について、警察は現在その原因を究明しようと必死に取り組んでいる。ハッキリしないことは、このケースが単なる交通事故なのか、それとも暴動の関係した殺人事件なのかということである。確かにその時間には路上には大勢の人がいたので、事故であってもおかしくはない。ガーディアン誌の報告によると、それまでの数日間、このイギリス第2の都市では、アジア系コミュニティとアフロ・キューバ系コミュニティとの間に、いざこざや暴力事件が頻発していたという。

ひとつだけ確かなことは、ひき逃げされた3名のムスリム男性は地元のダドリーロードにあるモスクでの祈りの後、街で暴力沙汰が発生していないかと警護活動をしているところだったということ。怒り始めている英国内のムスリムコミュニティが今回の件で新たな事件を引き起こす恐れもある状況なので、警察としては一刻も早くこのケースを解決したいと思っている。

8月10日 午後5時30分 現在

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ロンドン市長ボリス・ジョンソンは、今日の早い時間にBBCのインタビューに答えた。その中で彼は、今年始めに賛否両論激しかった「警察予算の削減」という政府の決定について語った。その決定は、いまやイギリスで最も注目を集めている話題のひとつである。「ジョンソンさんは予算削減を指示しますか?」という質問に対しジョンソンは「初めてこの案件について聞いた時、ハッキリとは思っていませんでしたが、今はハッキリと反対だと言えますね。今は警察の数を大きく減らすなどと言っている場合じゃないですよ」とジョンソンは語る。

8月10日 午後4時15分

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クロイドンにある、144年の歴史を誇る家具屋の主人が、彼の店の素晴らしい歴史について語ってくれた。その店も、昨日の暴動によって完全に破壊されてしまった。

『House of Reeves』という彼の家具屋から駅の名前が生まれたというほど、とても有名な店だった。(トラムの駅「リーヴス・コーナー」は彼の店名に由来している)。

現在のオーナーであるトレヴァー・リーヴスの高祖父が1867年に開いたのがこの店のはじまりである。「もしもここがコンピューターのショップでしたら、略奪者たちはただ欲しいものだけを持って去っていったと思います。ですが、クロイドンの中心部を大きなソファーを持って移動することは不可能ですよね?だからしょうがなく彼らが選んだのは、店に火を点けることだったんです。その結果、店は完全に破壊されてしまった。私達の心は壊されてしまいました。我がリーヴス一家は今まで沢山の困難を乗り越えてきました。2度の大戦、1930年代の経済不況などは本当に大変なことばかりでしたし、ここ最近もとても厳しい状態でしたが、私達はなんとか前に進んでいくことができました。しかし、今度の出来事で私達は完全に破壊されてしまいました。ただただ、これからどうしていけば良いのか、何もわかりません。今まで5世代を通して私達家族だけでなく、私達とともに働いてくれていた15家族の生活も養ってくれていたとても大切な店。それがすべて、心ない愚か者たちによって奪われてしまったんです」。

8月10日 午後4時00分

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バーミンガムのウィンソン・グリーンエリアでひき逃げ事件が発生し、3人の男性が死亡したことが判明。この3名のムスリムの男性は、ちょうどこのエリアを暴動から守る為に警護しているところを、車に轢かれたという。3人のうち2人は即死、3人目も病院で死亡が確認された。警察が到着した時には約80名ほどの感情が高ぶった群衆が現場を取り囲んでいたという。警察はこの案件を「事故」とは扱ってはおらず、殺人事件として調査を進めているという。

ほんの少し前に、このビデオがYouTube上に投稿された。どうやらこれは最初の2人が即死した現場における人々の反応を報道したTV番組をホームカメラで映した映像のようだ。

8月10日 午後3時30分

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どんなにロンドンでつらいことが起きていても、それでも朝は訪れる。最新の統計データによるとこれまでに768名が略奪行為などで逮捕された。そのうちマンチェスターで昨晩だけで逮捕されたのは47名。 そんな中、オンラインオークションの大手であるeBayから、次のような警告文が出されたのでご紹介。

「私達の気持ちは、今回のロンドンを中心とするイギリスで起こった一連の事件で被害を受けた皆様とともにあります。警察当局と全面的に協力し、盗むことで得られた商品などを見付けた場合は、すぐに(出品者を)特定しリストから削除いたします」と書かれている。

結局この警告文が遅かったのかどうかはわからないが、さっそくフェイクのオークションページを作ったやつが現れて、すでに48名がビッドしていることが判明。もちろんすぐにこのページはリストから外されたわけだが…。

8月10日 午後2時55分

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昨日お伝えしたソニービルの現在の姿を、ian_fromblightyのflickrサイトで見つけたので紹介。もはや完全に焼け落ちてしまった…。

8月10日 午後2時30分 現在

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タイムアウト東京のジョン・ウィルクスからメッセージ。「'PrayForLondon"というtwitterのハッシュタグはある意味素晴らしい。まず、ロンドンだけが被害に遭っているわけではない、ということに気付かされる。そして何のために祈るのか?ということも考えさせてくれること。祈ることが何かの役に立つかって?そんなことを感じたら、膝をついて、両手を握って祈ってみるといいよ」。

8月10日 午後2時00分 現在

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ブリクストン在住のテレビ司会者であり活動家もであるダーカス・ハウのインタビューが掲載されていたので紹介する。彼は、トリニダード・トバゴで生まれ18歳のときにロンドンへと移住してきた。1970年代にブラックパンサー運動のイギリス支部での活動に加わった経験もあり、1981年には、ロンドンのブリクストンで2万人を動員したデモ運動「ブラック・ピープルズ・マーチ」の主宰者として、広く知られている。 8月9日にBBCの記者によって行われた、口論になりながらの熱いインタビューがYouTubeにアップされていたので、その内容を翻訳して紹介。


記者:ダーカス・ハウさん、今ロンドンの街で起きていることに衝撃を受けていますか?
ハウ:いや、全く。私は現在まで、50年間ロンドンに生活をしているから、時代によってムードも流れもさまざまある。ただ、はっきり私が言えることは、私の子供や孫の言葉を聞いていると、何かとても深刻なことがこの国では始まっている、起こっているのだと感じられる。私たちの政治主導者は、何も考えを持ち合わせていない。警察さえ、何も分かっていない。しかし、黒人や白人の若者達が何をしているのか、注意深く観察し耳を峙てていると、彼らが伝えようとしていることがよくわかる。今この国で(彼らの身の上にも)起こっていることを、いっさい聞きたくはないんだ。聞くつもりはないよ、という意思表示なんだ。

記者:ハウさん、ちょっと待ってください。さきほど、全く衝撃を受けなかったと言っていましたが、あなたは今回の出来事をやむを得ないと思っていますか?
ハウ:そんなことあるわけない。なににたいして、しょうがないって思ってるって??  私が何にもまして気になっていることは、マーク・ダガンという若者が巻き込まれている、ということ。彼には兄弟も姉妹もいて、そして彼が住んでいた家から数メートルしか離れていない場所で、警察官は彼を銃殺したんだよ!!
(二人は大きな声になって言い交わす。記者はハウの話を遮ろうとする)

記者:ハウさん!公式な見解が出されるまでは、そのような言い方には気をつけた方が良いと思いますよ。ダガンさんの身に何があったのかは、まだ分からないのですから。警察からレポートが出されるのを待っていましょう。

ハウ:(叫びながら)そんなのは分かっている!だがな、ダガンくんは死んだんだよ!そんなのは結果を待たなくったって分かっていることだ!
記者:あなたは警察の調査について語り、孫について語っていましたし、若い人たちについても語っていましたが。
ハウ:警察は、理由なんてなくても、黒人の若いやつを見つけたら、職務質問だとかなんとか、いつもやってくるんだ。私にも孫はいるが、彼は天使みたいな子どもだよ!彼は、素晴らしい大人になりたいと考えていた時に、警察官はいきなり彼をひっつかまえて、壁に押し付けて職質するんだよ。この国で、何かとんでもない間違いが起こっていると感じるようになってから、孫に質問をしてみたんだ。「今まで何回警察から職務質問されたんだい?」って。そうしたら、彼はこう答えたんだよ。「おじいちゃん、そんなの数えたらきりがないよ。もう、凄い数になるよ」って。

記者:ハウさん、私はあなたの言うことに反対する訳でも、もしかしたら、結果的にそういう言い方になるかもしれませんが、今あなたが言われているようなことが、これまで数日間起こっている暴動の甚大な被害の言い訳になっているとは、絶対に言えないと思いますが。

ハウ:1981年のブリクストンでのデモでは、君はどこにいたんだい?
記者:ハウさん…、そういうことじゃ…。
ハウ:私は、あのときの人々は「暴徒」とは思っていない。あれは、人々による、群衆による反乱行動のひとつだと思っている。それはシリアでも起きているし、クラパムでもリバプールでも、そしてトリニダードでも起きている、歴史的な瞬間の自然な流れなんだよ。

記者:ハウさん、簡単な質問だけさせてください…。あなたは、暴動を起こした人たちとは他人ではありませんね?(つまり、今まで暴動に加わったことがありますね?)
ハウ:私は、どの暴動にも加わったことはない。ただ、デモ行動の一環として、最後は衝突していたという活動には身を置いていた。私は古き西インドの黒人には敬意を表しているし、暴徒という言葉で私を攻めるのはやめてもらいたい。誰かを責めたい気持ちは分かるが、それは愚かしいだけにしか聞こえないよ。もっと敬意を持ちなさい!私には孫がいるのだよ!
記者:ハウさん、インタビューにご協力ありがとうございました。

8月10日 午前12時00分

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『ミス・セルフリッジ(Miss Selfridge)』はヤングミセスも愛用の人気アパレルチェーン。これは、昨夜のマンチェスターでの暴動で、最初に被害を受けた建物の映像。驚くべきなのは、暴徒がお店に火をつけている現場を一部始終撮影している人がいたということ。22秒前後をじっとみていると、放火犯の顔がハッキリと見える場面がある。ビデオの下のコメントを見てもわかるように、このビデオのおかげで警察は犯人を見つけることができると、皆賞賛している。

その他にも様々なビデオがマンチェスターから届けられている。このビデオでは街の中心部であるオールダム通りでの襲撃の様子が映されている。

8月10日 午前11時30分

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マーク・ダガン殺害の調査結果が報告されたので紹介。 銃殺されたマーク・ダガンの事件を調査していたIPCC(警察苦情処理独立委員会)が、デュガンは警察から発砲される前には決して銃を撃っていないと明らかにした。8月5日(金)のダガン殺害事件が、6日(土)の暴動が起こったきっかけだと言われている。さらにIPCCは2発の弾丸を発見し、そのどちらも警察が所持していた銃器から発されたものだと明らかにしている。 警察官の一人は、彼のラジオに弾痕を見つけたので、それを理由にダガンが彼らに発砲したと思ったという。しかし、IPCCによると、その弾痕は跳ね返ってそこについたのではないかと推察している。

死因は、ダガンの胸に撃ち込まれた一発の銃弾。IPCCの報告書には、「確かにダガンは警察に発砲はしていないが、弾が装填された銃を持っていた」と書かれている。

この報告の後、マーク・ダガンの家族は次のような声明を発表した。

「私達家族は、今起こっているすべての暴動がマークの身に起こったこととは一切関係がないということを皆さんに分かってもらいたいです。こんな無秩序状態が、イギリス中の人達のコミュニティに深い苦痛を与えているということを、すべての人達に知ってもらいたいんです」。

8月10日 午前10時55分

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パンツ泥棒現れる!!!


8月10日 午前10時15分

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すごく良い話が届けられたので、ここでご紹介。 @xMissTaixさんからツイッターで送られてきた写真。南ロンドンの街ペッカムの住民たちが、暴徒防止の為にお店の窓に張り渡したベニヤ板の上に、『自分たちの誇りのポストイット』を張っているという。「なぜこの街が好きなのか」をポストイットに書いていって、この板に張っていく。ペッカムの街はとても多彩な文化のある場所として知られており、イギリスで最も人気のあるコメディ番組の舞台になっている場所でもある。「人々を傷つけないで」「愛がカギ」「ペッカム=豊かさとジャークチキンを足した街」「みんなで一つになろう」「誰かのために、私たちは立ち上がる」…。こんなメッセージでボードは一杯に埋め尽くされている。

このボードの中心に大きな文字で書かれている言葉、それは「どうして私たちはペッカムを愛しているのか」。この地域は、先週末に激しく襲撃の標的にされてきている。レポーターの情報によると、ある薬局は13万ポンド(16254000円)の被害を被っているという。

8月10日 午前10時00分

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誰が撮影したかは分からないが、マンチェスターにあるリアム・ギャラガーのお店。もちろん、略奪されたあとの姿。

8月10日 午前9時50分

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ロンドンは昨夜のマンチェスターほど激しく襲撃されてはいないようだが、首都ロンドンから届けられる複数の情報はまだ混乱しているようだ。

あるレポートによると、地元の若い奴らが立ち上がって、街を守る為に自警団を作った模様。夜を徹して街を警護しているという。 そういった人たちには、シーク教徒の人たちも含まれていて、サウスオール地区にあるモスクを守るようにして立ちはだかっている。南ロンドンのエルサム地区や北ロンドンのエンフィールドでも、同様の自警団が作られていると報告されている。

イギリスの新聞『ガーディアン』からのレポートによれば、ロンドンの南東部にあるエルサムにあるパブに地元の人達が、月曜の午後に集会を開いていて自警団を結成していたという。街のk警護活動に、すでに200人の男女が立ち上がっている。幸運にも、まだ自警団と暴徒が衝突したといった報告は一切聞いていない。

あるエンフィールドからの報告によると、ギャング団のひとりが「イングランド!イングランド!イングランド!」と叫びながら走り去っていったという。まだ定かではないが、これが本当だとすると、(暴動行動を起こしたのは)日和見的な右翼主義者たちなのではないかと想像することができる。ただ、今のところ、人種差別的攻撃や暴動はまだ起こっていないので、ホッとしている。 今回は、とても多文化な暴動のようだ。今までなかったことだ!

8月10日 午前9時20分

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その他の都市情報

リヴァプールのスミス ダウン通りでは、200人の暴徒が警察を襲ったという。現在このエリアは立ち入り禁止になっている。レポーターによると、火炎瓶などが用いられていたというが、警察側はそういった噂については曖昧な返事を繰り返している。

ノッティンガムでは、カニング・サーカスの警察署が30から40人の人たちに火炎瓶を投げ込まれたという。幸運にも、まだ負傷者は出ていない。

バーミンガムのウェスト・ブロムウィッチやウォルヴァーハンプトンでは、略奪や車両放火などの暴動行為によって、すでに36人が逮捕されている。警察からの報告によると、このエリアの状況は月曜よりはひどくなってはいないという。たしかに月曜日には、確かに142人が逮捕されたので。

8月10日 午前9時00分

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今夜の暴動の中心的な場所になるのは、どうやらマンチェスターのようだ。特にサルフォードと呼ばれるエリアである。 マンチェスターから派遣された100人の警察官がロンドンに援護に向かったため、この街に残った警察力で略奪者の襲撃に耐えるには限界がある。リアム・ギャラガーの店や『プリティー・グリーン』などは既にターゲットにされていた。放火の火の手が伸びるのと同じようにして、略奪の範囲もこのエリアで広がっていっている。

マンチェスターの副主任巡査ゲイリー・シャワンによると、「私の警察官としての歴史の中で、今のマンチェスターが一番ひどい」と語っていたという。「今夜、街で起こっていることは、反対運動でも抗議活動でもなんでもありません。純粋で単純な犯罪行為が凶暴になっているだけのことです。デモで使われる花火も一切ありませんし」

今夜マンチェスターで何人が逮捕されたのか、という情報はまだレポートされていない。 緊迫した情報は続いている。注意深く情報にアンテナを張って、このサイトで報告していく。

ロンドンや他の街についてのレポートもこのあとお届けする予定。

8月10日 午前3時00分

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在英国日本大使館からの、ロンドンにおける暴動の発生に伴う注意喚起について イギリスに旅行しようと思っていた人達は、是非外務省の海外安全に対するホームページに書かれた今回のケースについての注意事項を読んでほしい。以下に簡単な抜粋を掲載する。

「6日夜から8日夜にかけて、ロンドン北部のトッテナムで地元の男性が警察官によって射殺されたことに端を発し、警察に対する抗議の群衆が一部暴徒化し、3日連続で放火、略奪が発生。抗議活動や暴動は、ロンドン中心部のイズリントンやオックスフォードサーカスに加え、ブリクストン、エンフィールド、ウァルサムフォレスト、ハックニー、ペッカム等ロンドン各地で発生し、更にバーミンガム市等にも拡大している。今後もこのような活動が継続し、広がる可能性もあり。つきましては、抗議活動や暴動が発生し、もしくは発生し得る場所やその周辺地域には極力近づかないようにし、暴動が発生した際には早急にその場から離れるなど、不測の事態に巻き込まれないよう十分注意する必要がある」とのこと。

(問い合わせ先)
外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
外務省海外安全ホームページ

在英国日本大使館
  住所 :101-104, Piccadilly, London, W1J 7JT, U.K.
  電話 : (市外局番020)-7465-6500
  国外からは(国番号44)-20-7465-6500

8月10日 午前2時00分

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クロイドンの市街で昨夜、一人の男性が射殺された模様。ちょうど病院で亡くなったところだと警察は語っている。

8月10日 午前1時50分

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タイムアウトのロンドンオフィスは早くから仕事を終わらせ、騒動が始まる前には帰宅させる予定だという。

8月10日 午前1時40分

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ロンドンとバーミンガム中のお店はかなり早くから店じまいしている模様。凄く沢山の数の警察官が、到着していると報告している。ガーディアンの記者によると、今夜は集団的な大混乱が起きる可能性があるという。きっと良くない感じが。

8月10日 午前1時20分

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525人が逮捕され、99人が起訴されている模様。

8月10日 午前0時20分

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いまや、複数のメディアから、今夜の暴動鎮圧用にプラスチック弾が使われるのではないかとの声が聞こえてくる。しかしながらこれを使ってしまうのは大きな間違いになるだろうという人も多い。さらに暴徒を怒らせる結果となるだけだからだ。

他の情報筋によるとイギリスの副首相であるニック・クレッグが今日バーミンガムを訪れた時、群衆から質問攻めにされ「いますぐロンドンに帰れ!」と要求されたという。暴動が起こってから3日間の休暇から戻ってきていたロンドン市長のボリス・ジョンソンも、ロンドン市内で群衆に詰め寄られていたという。

8月10日 午前0時10分

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オーストラリアのニュース番組『チャンネル9』のレポーターであるジュリア・ティムスによると、南ロンドンのストリーサムの街では、少しずつ緊張感が高まり始めているとのこと。彼女のレポートによると、警察のサイレンがけたたましく鳴り響いているという。「ストリーサムにいる人達は皆、店の窓のシャッターを閉めたり、しっかりと戸締まりをしたりしています。もしも放火されても大丈夫なように、木製のシャッターなどには水をかけたりしています。緊張感は非常に高いですね」

8月10日 午前0時00分

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タイムアウト東京のエディトリアルエディターであるジョン・ウィルクスが、故郷イギリスが燃え上がっているというトンデモない映像を目の当たりにしたところから始まった長いレポートも2日目に突入。最初は8月9日(火)の午前10時50分に始まったのが、今夜にも暴動が起きる可能性も高いと街中では人々が噂している状態。 ページも新たに、ロンドンからの最新レポートをお伝えしていく。

過去の報告のまとめ:※時間は日本時間

8月11日 午後8時00分:暴動で傷ついたレーベルを救うレーベル『LabelLove』が設立!
8月11日 午後8時00分:ロンドンオリンピックの新しいロゴ?
8月11日 午後7時00分:イギリスの新聞紙『ガーディアン』がとってもクールな地図を作成
8月11日 午後3時00分:助けるようなフリをして実は盗みを働く若者の軽蔑すべき姿
8月11日 午後1時20分:裁判にかけられている略奪者と暴動者たち
8月11日 午前11時35分:タリック・ジャハーンが息子さんの写真を持つ姿
8月11日 午前11時00分:タリック・ジャハーンさんからのメッセージ
8月11日 午前10時30分:「平和と敬いの気持ち」の大切さについて訴える父親、他
8月10日 午後11時55分:今夜のバーミンガム市には重苦しく緊張した空気が張りつめている
8月10日 午後10時30分:轢き逃げされたムスリム男性の父親の言葉、その重み…
8月10日 午後10時10分:警察の戦略が、社会を悩ませる大きな問題となった」の意味
8月10日 午後9時45分:ロンドンに住む読者の一人@Dan_Tsukasaからメッセージ
8月10日 午後9時30分:『マンゴー・ボディ・バター』を手に入れた略奪者?
8月10日 午後9時15分:1981年のブリクストンでの暴動を写した写真を用いたタイムアウトの表紙
8月10日 午後9時00分:略奪者のひとりが店内に閉じ込められてしまったという話…
8月10日 午後8時40分:エルタム(南ロンドン)の街角に昨夜現れた自警団(映像)
8月10日 午後8時10分:警察は暴徒に対して、どんな手段をとるべきでしょうか?」というリサーチ
8月10日 午後7時45分:、リビア外務省のスポークスマンの過激な発言
8月10日 午後7時15分:ひき逃げされたムスリム三名に関する悪いニュースが…
8月10日 午後6時35分:日本時間午後6時における逮捕者数
8月10日 午後6時15分:『破壊されたPIASビル』のレーベルたちを救う方法
8月10日 午後5時50分:ムスリムひき逃げされた事件について警察は原因究明をいそぐ
8月10日 午後5時30分:ロンドン市長ボリス・ジョンソン『警察予算の削減にNO』
8月10日 午後4時15分:144年の歴史を誇るクロイドンの家具屋も焼け落ちて…(画像)
8月10日 午後4時00分:バーミンガムでひき逃げ発生、3人のムスリム男性が死亡(動画)
8月10日 午後3時30分:オンラインオークションの大手であるeBayから出された警告文(画像)
8月10日 午後2時55分:ソニービルは、完全に焼け落ちてしまった(画像)
8月10日 午後2時30分:'PrayForLondon"というtwitterのハッシュタグはある意味素晴らしい
8月10日 午後2時00分:ブリクストンの元ブラックパンサー、ダーカス・ハウが語る(動画)
8月10日 午後12時00分:ミス・セルフリッジへの襲撃ほか(動画)
8月10日 午前11時30分:マーク・ダガン殺害の調査結果(画像)
8月10日 午前10時55分:パンツ泥棒現れる!!(画像)
8月10日 午前10時15分:『自分たちの誇り』を張ってゆくポストイット(画像)
8月10日 午前10時00分:マンチェスターにあるリアム・ギャラガーのお店も被害に…(画像)
8月10日 午前9時50分:ロンドンは昨夜のマンチェスターほど激しく襲撃されてはいないようだが…
8月10日 午前9時20分:リヴァプール、ノッティンガム、バーミンガムの現状
8月10日 午前9時00分:今夜の暴動の中心的な場所になるのは、どうやらマンチェスターのようだ…
8月10日 午前3時00分:在英国日本大使館からの、ロンドンにおける暴動の発生に伴う注意喚起
8月10日 午前2時00分:クロイドンの市街で昨夜、一人の男性が射殺
8月10日 午前1時40分:ロンドンとバーミンガム中のお店はかなり早くから店じまい、ほか。
8月10日 午前0時20分:暴動鎮圧用にプラスチック弾が使われるのかどうか
8月10日 午前0時10分:オーストラリアのニュース番組『チャンネル9』のジュリア・ティムスより
8月9日 午後11時30分:BBCレポーターと二人の少女のインタビュー
8月9日 午後10時45分:クラハム・ジャンクションでも清掃活動(写真)
8月9日 午後10時30分:トラファルガー公園で開催される「沈黙の瞑想」
8月9日 午後10時15分:西ロンドン・イーリング地区からの報告(動画)
8月9日 午後9時40分:セレブ料理人ジェイミー・オリヴァーの店も暴徒に…
8月9日 午後8時55分:クラハム・ジャンクションをキレイにするロンドナー(動画)
8月9日 午後8時45分:タイムアウトロンドンのエディター、ダン・ジョーンズからの報告(動画)
8月9日 午後8時20分:カムデンの街角で女性達が集まって清掃している姿(写真)
8月9日 午後8時05分:首相が『より強力な方法を使う』と語ったことについて
8月9日 午後7時45分:デーヴィッド・キャメロン首相によるスピーチ(動画)
8月9日 午後7時05分:チョーク・ファーム在住、福岡出身の女性より
8月9日 午後6時55分:警視庁長官ティム・ゴドウィンより(写真)
8月9日 午後6時45分:警察署に花火を放つ暴徒たち(写真)
8月9日 午後6時30分:イギリス対オランダのサッカーの試合はキャンセル、その他
8月9日 午後6時20分:タイムアウトロンドンの同僚、ポール・バートンから(画像)
8月9日 午後6時10分:44名の警察官が負傷。警察署には20,800,999回の電話が鳴り響く
8月9日 午後6時00分:暴徒と化した若者たちの蛮行を撮影する:catchalooter(サイト)
8月9日 午後5時55分:タイムアウトロンドンから暴動に対抗するサイト「Clearing Up London」
8月9日 午後5時45分:イギリスのメディアから、また新たな統計データ
8月9日 午後5時30分:暴動で家を失った人たちのために、寝具や衣服を
8月9日 午後5時20分:バーミンガムで暴動が起こった場所をマークした地図
8月9日 午後5時10分:ハックニー在住の女性が、暴徒に対して怒りの抗議(動画)
8月9日 午後4時30分:ロンドン警察の全ての牢屋などの収容施設が一杯に
8月9日 午後4時20分:タイムアウトロンドンからタイムアウト東京の読者の皆様へ
8月9日 午後4時15分:ツイッターに気になる投稿があったので掲載
8月9日 午後4時00分:昨夜のイギリスでの統計(英国紙ガーディアンより)から
8月9日 午後3時25分:ザ・スミスの元フロントマンであるモリッシーからも…(画像)
8月9日 午後3時05分:昨夜の暴動に関して、イギリスの報道機関から反応
8月9日 午後2時45分:警察からマーク・デュガンに対する法医学的分析についての発表がある予定
8月9日 午後2時15分:コードネーム『コブラ作戦』と首相デーヴィッド・キャメロンについて
8月9日 午後1時15分:BBCによると、暴徒はグループ単位で物凄いスピードで移動
8月9日 午後1時05分:クラファムジャンクションとクロイドンの住民に避難指示『テレグラフ』
8月9日 午前12時45分:『暴動の原因』について
8月9日 午前12時40分:エリック・クラプトンやローリングストーンズの誕生の地も…。
8月9日 午前12時30分:イギリスの新聞『ガーディアン』からの報告
8月9日 午前12時15分:ロンドン北部のエンフィールドにあるソニーセンターの最新の映像(動画)
8月9日 午前12時13分:祖父が住んでいる街でも…(画像)
8月9日 午前12時10分:どこで暴動が起こっているかが分かるマップ(画像/サイト)
8月9日 午前11時46分:『ガーディアン』のサイトに大量の画像が(画像)
8月9日 午前11時15分:『Post riot clean-up: let's help London』というフェイスブックページ
8月9日 午前10時50分:故郷イギリスが燃え上がっているというトンデモ映像が…(画像/動画)


『炎上し暴徒が叫ぶ、故郷イギリスの今(1)』へ
テキスト ジョン・ウィルクス
翻訳 西村大助
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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