パブリックアイ 第31

ダニエル・シルバ(25)広尾5丁目にて

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パブリックアイ 第31回

ダニエル・シルバ ITソーシャルベンチャー勤務

そのTシャツに描かれているのは、誰ですか?

ダニエル:知りません。誰でしょう?ユニクロで買ったTシャツです(笑)。

東京に住んでいるのですか?

ダニエル:今年の夏に卒業するまで、日本で学生をしていました。日本で就職しようと思って就職活動もしていたのですが、20代はいろんな経験をしたいと思って、卒業後は、シンガポールに住んでいます。同世代のマレーシア人とインド人とシンガポール人の運営するITのソーシャルベンチャーで働いています。

シンガポールでお仕事をしているのに、ホームシックで東京に戻ってきてしまったんですか?

ダニエル:(笑)シンガポールにいると、日本に戻りたい、って本当に思うんですよ。今回東京に来たのは、家の契約や、VISAのことを調整するためです。10月頭にシンガポールに戻ります。

最初に東京に来たのはいつですか?

ダニエル:2005年10月です。最初はポルトガルの大学からの留学生として1年間、東京外国語大学に通っていたのですが、日本が大好きで、もっと長く住んでみたかったので、ポルトガルの大学を辞めて、ICUに入学しました。

日本の何に惹かれたのですか?

ダニエル:心、だと思います。難しいですけど、17歳、18歳の時に、日本に興味を持ち始めたんです。最初に日本に触れたのは、日本の昔の映画とか80年代のアニメですね。黒澤監督の作品とか、あとは『AKIRA』とか。

『AKIRA』はポルトガル語になっているのですか?

ダニエル:『AKIRA』はなってなかったですが、『キャプテン翼』とか、『聖闘士星矢』はポルトガル語に翻訳されて、大人気です。だけど、日本のものだって知らなくて、ずっとアメリカのものだと思っていました。だから、日本に興味を持ったのは、大学の日本語の授業を受けて、先生と仲良くなって、留学をすすめられてからだと思います。

カステラとか、金平糖とか、日本にはポルトガルからきたものがたくさんありますよね。

ダニエル:だけど、ポルトガルの歴史の授業では、日本のことをほとんど勉強しません。だから、すごく遠く感じる。両親に「日本に行く」と話した時も、応援はしてくれたけど、お母さんとか、日本のことを何も知りませんでした。

実際に来てみてどうですか?

ダニエル:すごい良いです。最初はほかの留学生と一緒に、田端駅近くの寮に住んでいて、200人くらいいたのですが、そこで初めて、ラオスとかインドネシアとかシンガポールとか、東南アジアの人たちとコミュニケーションをとりました。ポルトガルにいた時は、ラオスという国のことは1回も聞いたことなかったし、すごく面白い経験でした。

ポルトガルから家族やお友達が遊びに来たりしましたか?

ダニエル:お母さんは6月に来ましたよ。都会があまり得意ではないので、日光や京都、奈良に行きました。自然が好きなので、高尾山にも行きましたよ。同世代の友人が東京に来る時は、秋葉原とか面白いかな、と思って。あと、渋谷のアップルストアでアルバイトをしていたので、「ここで仕事してるんだよ」って見せたりしました。

渋谷で働いていたのですね。よく食べに行っていたお店はありますか?

ダニエル:渋谷駅のすぐそばにある、『STANDING SUSHI BAR』によく行きましたよ。日本食は本当に美味しくて、大好きです。

さらに“ダニエルさん”から

「世界で一番美味しいデザートは、タイで食べたもち米の上にマンゴーをのせてココナッツミルクがたっぷりかけた『カオニャオ・マムワン』です。日本では、抹茶を使ったものならなんでも好きです。抹茶が大好きです」

「僕自身はあまりサッカーが上手ではありませんが、ポルトガルでサッカーを見ないのは難しいです。どこでもサッカーをやってるし、どのお店でも中継してたりビデオを流していたりしますから!」

「手首の入れ墨は、スイッチボタンです。ちょっと元気がない時に、押すんです(笑)」

テキスト 東谷彰子
撮影 道辻麻依
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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