パブリックアイ 第51回

さあや 大学生

大きな荷物ですが、これから新幹線に乗るところですか？

さあや：そうです。家が兵庫なので、これから帰るところです。

東京へは遊びに？

さあや：親は関西出身なんですが、私が生まれたのはこっちで。小学校を卒業するまでは横浜に住んでいたので、来た時は横浜の友達と遊んだりしています。

今回はどんなところを周ったんですか？

さあや：私あの……オタク文化が好きなんですよ。それで、秋葉原に行ってみたいなぁって……。電車男に憧れてて、シャツをインしてて、バンダナ巻いて、リュック背負って、そういう格好の人がいっぱい居るだろうと思ってたんですが、実際そんなことなくて。年配の方が多いのかと思ってたんだけど、渋谷にいるような若い男の子とかも普通にいて。あれ、って思いました。

オタクのテーマパーク、みたいなイメージだったのかな？

さあや：そうです！もっとアニメとかオタクってイメージがあったんだけど、多いのは電気屋さんなんですね……。それと、メイドさんがもっと居ると思った。それぐらいやったら日本橋（大阪）のほうが多いなって思いました。あとメイドさんて、女の子には声をかけてくれないんですね（笑）。

ほかに、どこか街へは行きましたか？

さあや：渋谷は思った通りやった。ギャルとギャル男というか、金髪のお姉さん達がいて、派手なかっこうをして、チャラくて、みんな駅前で待ってて、そこに声をかけてくる男の人がいて。そこはイメージのまんまでした。

原宿は？

さあや：原宿は人が多くて、竹下通りもカップルがいっぱいいて、安い小物を売ってる店が多くて、渋谷とは違いましたね。でも渋谷より人が多かったかな。あとニコニコ本社に行ったんですけど、「こちらです！」って看板持って案内されるのが恥ずかしかった。誘導してもらわなくても分かると思います。あとグッズが高くて、マシュマロ 1500円とか誰が買うねんって（笑）。

（笑）じゃあ下北沢は？

さあや：ミーハーなんで、ドラマあったじゃないですか、劇の。忘れちゃったけど。でも下北沢っていったら、古着じゃないけど、なんだろう。個性的な人が集まると思ってたけど、普通の商店街だった。普通すぎる。

東京の“人”はどんな印象でした？

さあや：声小さい冷たい壁がある、私は私みたいな。歩くのが速い。きれーに私をこう、よけてくみたいな。 道を聞いても冷たい。早口で、「丸の内線にのってここをこう」みたいに説明して、その丸ノ内線の線がわからへんねんって言ってんのに！って。あと、声かけるとびびる。なんで俺？みたいな。

震災後でしたが、東京へ来るのに不安はありませんでしたか？

さあや：いま行かんでもええやろってみんなに言われましたけど、大変なのは分かってるけど、でも行くって決めてたし。被害にあっても、それは自分が選択した結果だから。意思が強いほうなんで、決めたら曲げたりしない（笑）。

さらに“さあやさん”から

「目に見えるものしか信じてないんです。だからお化けとかぜっんぜん信じてない。UFOとか。証明されてないから信じれない」

「将来は薬の研究をしたい。理系なんで、薬学を。それで大学院にいって、あわよくば海外で研究したい。親が薬剤師なんですけど、でも、作られた薬を扱うより研究がしたいです」

「東京はゴミ箱が少なすぎる。つらかった。永遠持ってましたゴミを。渋谷から横浜までずっとゴミを持ってました」