パブリックアイ 第49

アイズディーン(28)渋谷にて

パブリックアイ 第49回

アイズディーン ミュージシャン

今日はここで何をしているんですか?

アイズディーン:仕事の打合せがあって渋谷に来ているんですが、今日はこの後、家に戻って役所の手続きをして、夕方にまた渋谷に戻って来ないといけないんです。もう少し近くに住みたいですね。

お仕事は何をしているんですか?

アイズディーン:音楽の仕事をやっています。ミュージシャンです。マレーシアでデビューする前に、日本でデビューしたんですが、逆輸入みたいな感じで、2011年内にマレーシアでもデビューする予定です。活動拠点は日本において、たまにマレーシアに帰るような生活にしたいと思っています。

ミュージシャンの“逆輸入”は、マレーシアで流行っているんですか?

アイズディーン:たぶん、フランスでデビューした人と、ニュージーランドでデビューした女の子に続いて、僕で3人目ですね。

もともと、日本に来たきっかけは何だったんですか?

アイズディーン:留学で、携帯を作ったりする工学系の勉強をしに来ました。最初は2002年に来て、語学学校に行って、それから専門学校に3年間行きました。その後、大学に2年間と、修士課程で2年間です。去年の3月に卒業して、就職活動もやっていたんですが、なんだか、これは違うと思って……やっぱり音楽の道を進もうと思いました。

日本の会社に入るため、就職活動をしていたんですか?

アイズディーン:そうです。履歴書を書いたり、説明会に行ったり、面白かったんですけどね。10社くらい受けて、良いところまでいった会社もあったんですが、音楽ができなくなるのが嫌で、辞退させてもらったんです。本格的に音楽を始めたのは、修士課程に入ったくらいの頃からで、その前から、フィーチャリングしてもらったり、バックコーラスをやったりはしていました。

日本で、音楽活動はしやすいですか?

アイズディーン:どうだろう?でも、逆に今、マレーシアで何ができるのか、ということの方がわからないです。もう、日本に慣れちゃったんだと思います。

日本語もとても上手ですものね。恋人が日本人だったこともありましたか?

アイズディーン:そうですね(笑)。そういう時期もありました。でも、どちらかと言えば、日本に来た最初の1年間、語学学校にいた時には勉強しかしてなかったので、その時に上手くなったんだと思います。

日本のどんなところが好きですか?

アイズディーン:それは、実家の好きなところはどこですか?という質問と一緒で、答えるのがとても難しいですね。全て、好きです。技術が進んでいるし、インターネットが速いし(笑)、好きなところはあり過ぎます。だけど、東京は人が多過ぎるかな……でもやっぱり、文化も人々も、気候も好きですね。第2の実家、僕の“居場所”です。辛い時期もあったんですが、頑張る気持になれるんです。

音楽の道具は、どこで買うことが多いですか?

アイズディーン:ほとんどは貰い物なんですが、買うとしたら渋谷で、『チャコット 渋谷本店』の近くにある楽器屋さんに行きます。あとは、タワーレコードも、インスピレーションが欲しい時に良く行きます。店内をうろうろして、色んなCDを聴いてまわって、1、2時間くらいはいますね。

さらに“アイズディーンさん”から


「日本でのアルバイトは色々やりましたよ。6ツ星ホテルでのウェイターとか、ドンキホーテの店員もやっていましたし、道路の誘導とか、通訳、エキストラ、一番長くやっていたのが、携帯の開発ですね。一番楽しかったのはウェイターですね。かなり怒られて、厳しく色々教えてもらったんですが、全て、お客さまが気持ち良く過ごすためのことばかりで、“おもてなし”の勉強になりました」

「僕の家族は4人姉弟なんですが、皆とても勉強が好きで、僕は日本にいますが、ロンドンにいる家族もいます。僕はとにかく一生懸命取り組みたい。“2枚目”みたいに扱われるのは嫌ですね」

「マレーシアから来ている僕の同期は50人。東京には、1000人くらいのマレーシア人がいるんじゃないかな」

東京で食べられるオススメのマレーシア料理『マレーカンポン』の『ミー・ラクサ』


「『マレーカンポン』の料理はどれも美味しくて、全部美味しいのですが、ぜひ、『ミー・ラクサ』を食べて欲しいですね。海老のペーストを使った海老の風味たっぷりのカレー味のラーメンです。普段は家の近所にあるお惣菜屋さんで買って食べることが多いですけどね」

テキスト 東谷彰子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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