2010年10月01日 (金) 掲載
日本を訪れる外国人観光客の人気観光地としても知られる東京・銀座。その銀座のランドマークとして古くから親しまれている百貨店『銀座三越』が、2010年9月11日、生まれ変わってオープンした。全面リニューアルした従来の店舗(西側)と、新しく増床した建物(東側)が一体化し、銀座・有楽町地区では最大規模に。地下3階から地上12階まで“銀座らしさ”にこだわった店舗には、日本人だけでなく、外国人観光客を意識したサービスもあり、世界中のショッピングマニアを満足させる構成になっている。ここでは、知っていると便利なサービスやエリアを中心に、グローバルデパート銀座三越の一端を紹介する。賢く利用し銀座でのひと時を楽しんでほしい。
1階西側、ライオン口から店舗に入ると、すぐ右側に“インフォメーション”と“お買物相談係”の窓口がある。ここではギフト選びやおすすめのショップ紹介など、買い物に関わるさまざまな相談に対応してくれる。中でも注目なのが英語や中国語による店内アテンドだ。英語や中国語に堪能なスタッフが、店内を一緒にまわり買い物の手伝いをしてくれるので、細かいニュアンスなども伝わりやすく、ストレスなく買い物ができる。電話予約をすれば、よりスムーズに対応してくれるので、外国人観光客は利用してほしい。
お買物相談係、直通電話番号:03-3535-1725
銀座周辺の豊洲や芝浦などで高層マンションの開発が進み、自転車で銀座を訪れる人が増えた。そのため銀座三越が地下1階、地下2階に新たに設置したのが、192台を収容する大型駐輪場だ。これまで銀座エリアにこれほど大きな駐輪場はなく、リニューアルの注目ポイントにもなっている。当然、屋根や鍵がついているので盗難の心配もなく、ゆっくりと買い物を楽しむことができる。
営業時間:9時00分から翌1時00分
駐車料金:2時間まで無料、以後4時間ごとに100円
デパートの地下は通称“デパチカ”と言われる家庭の食卓を支える日本のマルシェだ。銀座三越のデパチカはそのマルシェの要素に、スケールアップしたサービスも合わせて提供している。例えば、『シェフズステージ』では、旬の食材を使ったスペシャルメニューがイートインで味わえるだけでなく、その料理のレシピシートを無料でもらうことができる。チョコレートショップ『サティ』では、カカオ72%のチョコレートの上に、ホワイトチョコレートで写真や文字、イラストをデザインしたオリジナルのチョコレートをオーダーすることが可能だ。地下2階の和洋菓子エリアは銀座三越限定の商品もあり、東京土産を探すのにも重宝する。例えば、東京・日本橋で150年の歴史を誇る榮太樓總本鋪のあめ専門店『あめや えいたろう』。ここではイチゴ本来の色と味をそこなわずに生かした『銀座のピュアイチゴあめ』を限定販売。また2010年で創業110年を迎えた文明堂の新ブランド『銀座冥利 ここん』では、バームクーヘンのラスクなどが購入できる。
数あるコスメブランドの中から、自分に合ったアイテムを探す。それは女性にとっては醍醐味であると同時に、悩みのタネでもある。各ブランドのカウンターからカウンターへと移動を繰り返し、それぞれ試してみるのは骨の折れる作業でもあるからだ。しかし、地下1階西側に設けられたコスメインフォメーションでは、その手間を省くサービスが提供されている。長さ2メートルほどのテスター台に、化粧水やファンデーションなどが、ブランドの垣根を越えて並べられているので、比較検討しやすくなっているのだ。アイテムは期間限定でテーマが設けられ、入れ替わる予定。日本のコスメブランドは、その品質の高さから海外でも支持され、“日本土産”としても人気が高い。色味や質感、香りなど、ガイドブックの写真や文字では得られない情報をここでキャッチしてほしい。
英語、中国語を話せるスタッフが常駐している観光案内所。銀座三越のフロアガイドだけでなく、東京の観光名所のガイドブックや周辺地図が、7カ国語で用意されている。スタッフは銀座エリアの紹介はもちろん、築地や浅草へのアクセス方法、歌舞伎の当日券の入手方法まで教えてくれる。
シャネルやグッチ、エルメスなど、トップブランドの商品は、世界の大都市なら比較的簡単に手に入る。しかし日本人デザイナーによるファッションブランドを購入するなら、日本の百貨店に優るものはない。特に3階西側、婦人服売り場に位置する『ル・プレイス』は、東京のリアルトレンドがわかるセレクションになっている。扱うブランドは『Kaon』や『muller of yoshiokubo』『dictionary』 など、今もっとも注目されている日本人デザイナーのブランドばかり。売り場にタリーズコーヒーコミュが併設されており、新しいショッピングスタイルも提案している。
6階西側、紳士服売り場には200種類もの葉巻を扱うシガー専門コーナーが誕生。キューバ、ドミニカ、ニカラグア産の葉巻が、ウォークイン・ヒュミドールで展示管理されている。その後ろ側にはテイスティングルームが併設されており、購入後すぐに味わいたいという人の要望に応えている。百貨店で葉巻のテイスティングルームを設けているのは、大変珍しい。
7階紳士服売り場には、男性用のコスメや香水を扱うグルーミング・コーナーがある。その一角に併設されているのが『グルーミング・ルーム』だ。ヘアカット、シャンプー、シェービング、フェイシャルスキンケア、ハンドトリートメントなど、男性の身だしなみに欠かせないメニューが揃っている。アイブローカットは10分1000円、ネイルケアは20分2000円と手頃な値段。非の打ち所がない紳士を目指したい男性はもちろんのこと、女性の買い物を待つ間などにも利用したい。また旅の疲れを癒やすにも最適だ。
9階に位置するのは、くつろぎと癒やしのスペース『銀座テラス』。西側には芝生や植栽スペースからなるテラスガーデン、東側にはカフェやレストラン、託児所や親子休憩室といった施設もあり、買い物途中の休憩や、待ち合わせに最適だ。「銀座は休憩スペースが少ない」という声に応え設置されたため、銀座を訪れるあらゆる人に、23時まで開放している(一部施設を除く)。テラスガーデンには明治時代に祀られたと言われている『銀座出世地蔵尊』と『三囲神社銀座摂社』が安置されており、運試しの“おみくじ”を引くこともできる。銀座出世地蔵にはいくつかのいわれがあるが、関東大震災や太平洋戦争などで何度も土の中に姿を消しながら、最終的には地上31メートルの屋上にまで上りつめたことから、出世や希望のシンボルとされている。
11階と12階は、日本初上陸や東京初進出のレストランなどが集結しているレストランフロアだ。寿司、そば、うどん、とんかつなど代表的な日本食のほか、イタリアン、フレンチ、飲茶、中国四川料理、タイ王宮料理など世界の料理も味わえる。注目は京都花背の名料亭旅館『美山荘』の4代目当主、中東久人による京料理店『石楠花』だ。食材を生かした料理、おくどさん(かまど)で炊いたご飯、器の彩りなど、東京に居ながらにして京料理の神髄に触れることができる。また同店には月見台(テラス)があり、光と風を感じながら、風流な食事を堪能できる。
Copyright © 2014 Time Out Tokyo
コメント