パブリックアイ 第27

ブライアン・スコット・ピーターソン(33)広尾にて

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パブリックアイ 第27回

ブライアン・スコット・ピーターソン フォトグラファー

大きな鞄ですね。何が入っているのですか?

ブライアン:カメラが入っています。いつもは4台くらい入れているのですが、今日は1台だけです。

フォトグラファーなのですか?

ブライアン:そうです。写真を撮ったり、自分でもさまざまなプロジェクトを運営していますし、文章を書いたりもします。祖父母はジャーナリストだったんですよ。父がたくさん古いカメラを持っていて、その中のひとつを“拝借”したのが始まりです。

東京にはどれくらい住んでいるのですか?

ブライアン:6年です。子供のころから日本が好きで、なぜか気になっていたんですよ。説明するのは難しいのだけど……。アメリカには、「エレファント イン ザ ルーム」っていうことわざがあって、部屋に大きな象がいて、みんな気づいているのに、いないふりをする、というような意味なんですが。僕にとって日本は、そんな象のような存在でした(笑)。とてもユニークで、ちょっと風変わりで、ほかに東京のような都市はないと思います。

なぜ東京に住むことにしたのですか?

ブライアン:日本に住む前に、日本だけじゃなくて、ネパールやタイやほかの場所も旅していたのですが、そのころ丁度、ジョージ・ブッシュが再びアメリカの大統領になって、しばらく帰りたくないな、と思って。僕はアメリカのオクラホマ出身なのですが、そう、それでそのままアメリカに帰ってないんです。
だけど、タイムアウトって!旅していたころに使っていたのは、タイムアウトのガイドブックなんですよ(笑)。

それは嬉しいですね。じゃあ、ガイドブックを持っていろんな場所へ行かれたと思いますが、東京で写真を撮るならここ、という場所はありますか?

ブライアン:下北沢ですね。あとは、横丁が大好きです。谷中、千駄木とか下町も好きです。何が好きって、チャキチャキなところ!みんなフレンドリーだし、人々の生命力を感じるんですよ。あと、フォトジェニックだと思うのは神社です。狛犬がファンタスティックですね。先日、水天宮に行ったのですが、素晴らしかったです。日本の神社のような建築物は、ほかにはないですよ。

カメラはどこに買いに行くのですか?

ブライアン:新宿、上野、中野、銀座など、いろんな場所、カメラを売っている場所は全部行きます。横浜、京都や大阪にもカメラを探しに行きますよ。マミヤやリコー、フジといった日本オリジナルのカメラは海外でとっても人気がありますよ。ポラロイドも好きです。中でも僕が一番気に入って使っているカメラは、1960年代のもので、フジペットのサンダーバードというもの。だけど、昨日落として、粉々になってしまったんです。本当に残念ですね。

帽子をかぶっているから気づかなかったですが、髪が長いんですね。

ブライアン:最近、坂本龍馬に似ているっていろんな人に言われます(笑)。それから気になって龍馬に関する本をいろいろ読んでみましたが、たくさんのことを実現した人で、影響されますね。結婚式は和服でやったし、最近は暑いので浴衣で出歩いています。帯も自分で結べますよ。浴衣は、ちょっとお腹が出てるくらいの方が似合うから良いですね(笑)。

さらに“ブライアンさん”から

「妻は日本人ですが、料理がとても上手です。彼女が作ってくれるメニューで一番好きなのは焼き魚です」

「友達が、坂本龍馬のポスターをくれたので、オフィスにはっています。素晴らしいひらめきがありそうですよね(笑)」

「下町に行くと、1+1=3のような、人の輪の広がりを感じます」


ブログ:zokyo.jp/
ウェブサイト:brianscottpeterson.com/

テキスト 東谷彰子
撮影 道辻麻依
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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