パブリックアイ 第26

秋永りろ(24)四ツ谷にて

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パブリックアイ 第26回

秋永りろ 自動車教習所指導員

四ツ谷にはよく来るんですか?

秋永:まだこっちのほうで生活し始めて日が浅いんですけど……。小さい頃、父の出張についてよくニューオータニに泊まっていたので、なんだか懐かしくて。当時はニューオータニの地下に焼き鳥屋さんがあって。ちょっと高級な感じの(笑)。父が好きだったんですよね。

どちらの出身なんですか

秋永:生まれも育ちも京都です。

小さい頃、東京では何をしていたんですか

秋永:私としては原宿とかに行きたかったんですけど、だいたいが親の趣味で銀座に行くことが多かったですね(笑)。あとアルタは行きました。好きなブランドが入っていたんで。東京に来た時に服を買う必要もないんですけど、特別な日じゃないと買ってもらえなかったんですよね。

買い物は1人で?

秋永:小学校の1、2年の頃だったと思うんですけど、初めて1人で原宿に行ったんですよね。その時、初めて1人で電車に乗ったんですけど。でも親が心配して、どうしても迷ったらタクシーで帰れということで、バッグの底に2万円ぐらい入れてくれてたんですけどね(笑)。

こちらに住むようになった理由は仕事ですか

秋永:そうです。京都を出てみようと思って。それでこちらの自動車教習所に就職しました。

ということは指導員、なんですか

秋永:そうですよ(笑)。

指導員の方って、年齢が高めな男性が多いイメージがあったんですが……。

秋永:確かに平均年齢はわりと高めですね。でも女性の先生もいますよ。女性用の控え室もありますし。

生徒から指名されるようなことはないんですか

秋永:うちはランダムなんで、機械が決めます。私じゃないんですけど、ある先生の指導が良かったので、「この前の先生でお願いします」っておっしゃる生徒さんはいるみたいですね。

逆に、嫌な先生を外してもらうことはできるんですか

秋永:非希望指導員というのがありますね。この先生はやめて下さい、ということはできます。それが5回あると呼び出されるんです。生徒さんからこういうことがあったと言われて、それで上の先生から直々に指導されるんですよ。

その非希望を出されたことはあるんですか

秋永:1回だけあったんですよ。ビックリして。やっぱり初めてだから気になるじゃないですか。聞いてみたら、担当したことのない男の子だったんですけど、女性指導員は全部外してっていう変わった方で……。女性だと緊張してしまうんで、同性がいいということだったんですけどね(笑)。

こちらで生活してみて、何か気になったことはありますか

秋永:気になるというほどではないんですけど、関西人だと言うと、「面白いこと言って」って言われるんですよね(笑)。これにオチつけて!とか。関西人よりも、こっちの人のほうが無茶ぶりが多い気がします……。

交通マナーなんかはどうですかね

秋永:京都に比べたら全然いいと思います(笑)。もう河原町のタクシーなんかはひどいですし、そういう面では、向こうでやるよりもこっちに出てきて良かったなって。

大阪の運転マナーは怖いなんていうのはよく聞きますけど

秋永:そうですかね。そんな感じはしないですけど、どちらかというと歩行者のマナーが怖い印象があります(笑)。

さらに秋永さんから

「まだ言葉が抜けないので、しゃべってると生徒さんに笑われたり突っ込まれたりすることが多いんですよね……」

「しょーもないいたずらが好きで、ちょっと頭髪が薄い先生の頭にこっそりふりかけをかけたりしたら、小悪魔じゃなくて悪魔だって言われました(笑)」

「しばらくはこっちに居ると思いますけど、将来は京都に帰ると思いますね。でも流れに身をまかせているので、ひょっとしたら帰らないかもしれませんけど」

テキスト・撮影 Takeshi Tojo
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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