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国や世代を超えて愛されているフィンランドのデザイン・カンパニー『マリメッコ』を徹底解説した図版が、2013年9月13日に発売される。
編著者は、フィンランド・デザイン美術館館長を務めるマリアンネ・アーヴ。ファブリックだけでなく、ファッション、インテリアまでの幅広い活動を網羅し、国内生産のこだわりや、創業者の哲学が継承されたものづくりを分析。さらに、世界中のデザインへのマリメッコの影響を考察し、総合的に研究したはじめての本であり、マリメッコ本の決定版に相応しい読み応えたっぷりの専門的な内容となっている。
マイヤ・イソラによる『ウ二ッコ柄』(右)は、マリメッコのシグネチャーとも呼ぶべきデザイン
マイヤ・イソラの作品を補完する「第2世代」マリメッコ・デザイナー、脇坂克二のテキスタイルについての解説
1958年当時のマリメッコの作家の個性や業界の動向などを交え歴史を紐解く
左の図は、1960年にケネディ夫人がマリメッコのサンドレスを着て雑誌の表紙を飾ったもの。右下にある、1965年発行ヴォーグ誌の野心的なグラビアも
あまり知られていないマリメッコの建築への試み『マリハウス』についての資料
マリメッコの1959〜1972年の雑貨類。バッグは現在も人気でその多くが製造されている
マリメッコの歴代デザイナー達個人についても徹底解説
A4変型大型本336ページのずっしりした図版の中には、マリメッコのテキスタイルだけでなく貴重な写真や図版資料も多数掲載。350超のオールカラーの図版で視覚的にも楽しめる。デザインについての解説だけでなく、「なぜマリメッコが企業として成功することができたのか」など、企業としてのあり方までを徹底研究してあり、「アートと商業」の融合といったテーマでも読み解くことができる一冊。マリメッコファンはもちろん、デザイン関係者や研究者、ファッションやテキスタイルを勉強する人々にとっては必読の書といえるだろう。価格は3,990円(税込)で、読み応えに対し破格の設定。ファンはもちろん、デザイン関連の職に従事する人に是非手にとってみて欲しい1冊だ。
『マリメッコのすべて』
著:マリアンネ・アーヴ(フィンランド・デザイン美術館館長)
訳:和田侑子
価格:3,990円(定価)
発行:DU BOOKS
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