タイムアウト東京ブログ

外国人エディターがコンビニのアイスコーヒーを飲み比べてみた

今や、コンビニのレジカウンターの片隅に、必ずと言っていいほど設置されているコーヒーマシーン。バリスタが淹れた東京のベストコーヒーと比較することはできないが、淹れたてのコーヒーを1杯100円程度で気軽に楽しめるのは有り難いことに違いない。

基本的な手順は、どの店にいっても大きく変わらない。カウンターでカップを購入し、それをマシーンに置きボタンを押すと、すぐさまコーヒーが注がれるという仕組みだ。しかしながら、そこには日本語を母国語にしない者を惑わせる、いくつかの「違い」も存在する。だが心配は無用。ここでは、紹介する各店のアイスコーヒーのテイスティングレビューをお届けすると共に、店頭でスムーズに淹れたてのコーヒーを手に入れるべく、それぞれのマシーンで淹れるコーヒーの作り方も一緒に紹介していく。

ファミリーマート
同店のマシーンは、最も優れたルックスであることは間違えないだろう。モノクロの内蔵モニターには、まるでコーヒーを作りながら往年のゲームボーイで遊んでいるかのような感覚を覚えるはずだ。カタカナので書かれた表記に、英語を求めてはいけない。左上のボタンがアイスコーヒー、その下がアイスラテ、右上がアメリカーノで、その下にあるのがスタンダードなラテだ。

コーヒーの味は、コクがあるとは言えないがビター。180円という価格は、今回紹介する5つの中でも最も高値である。しかし、ドライバーや早朝から働くサラリーマンにとって、この大きなカップで提供されるコーヒーはぴったりだ。
★★★☆☆


セブンイレブン
英語が公用語として使われる国に、数千と店舗を展開するセブイレブン。同店のマシーンは外国人にとって最もやさしい。全てに英語の表記が記載されているのだ。マシーンの下にカップを置く前にフタを剥がし忘れない限り、大きな間違えを起こすことはないだろう。

100円ポッキリのこの格安コーヒーよりも安い1杯を探すのは難しいはず。にもかかわらず、苦味、香りはファミリーマートのもとさほど変わらず、スコアはわずかにおよばす星2つ。
★★☆☆☆


ミニストップ
同店のコーヒーは、初心を思い返させる一杯だ。事実、ミニストップは数年にわたり、朝を行き交う人々にコーヒーを提供し続けている。フラッペのことは忘れよう。ミニストップでは、コーヒーはホットとアイスの2種類を販売。それぞれ、日本語のみが書かれたサーバーで提供しているが、青と赤のステッカーであからさまに区別されている。(どちらがどちらかというのはご想像にお任せしたい)。私が店を訪れた時は、どちらのサーバーも空になっていた。5分待ったところで新しいコーヒーが足され、スタッフは待たせてしまったことを詫びていたが、待つだけの価値があったと言えるものであった。

地方では、ミニストップはどこにでも存在するようなコンビニではないが、シンプルなアイスコーヒーは驚くべき美味しさだ。わずかに豆の風味が広がるその味は、我々のテイスティングテストで見事に4つ星のトップに輝いた。
★★★★☆


サンクス
今回紹介する5軒の中で、最もややこしいマシーンを採用していたのがサンクスだ。他店に比べ、コーヒーポーションをセットするという、さらなるステップが加わっている。ミニストップと同じように、ホットかアイスの2つのボタンの選択、そしてでかでかと貼られた赤と青のステッカー。ミルクと砂糖が必要ならば、カウンターに置かれた小さな箱の中から好きに取ればいい。

実際に出される特価の100円カップは小さなもので、作り方が描かれているステッカーだけを見て期待すると誤解を招く恐れがある。コーヒーそのものは1つ星。コーヒーというより、まるで新ブランドのコーヒーフレーバーのビタミンウォーターかのようである。この薄味の飲み物に、リンカーンの格言が頭によぎる。「これがコーヒーなら紅茶を持ってきてくれ。これが紅茶ならコーヒーを頼む」と。
★☆☆☆☆


ローソン
ローソンはセルフサービスのトレンドを取り入れず、カウンターの奥にコーヒーマシーンを設置し、注文を受けたキャッシャーが作り、提供するようになっている。燻したよい香りのコーヒーはミニストップに次ぐ評価をするが、180円でレギュラーサイズカップというのは、やはり最も高いコーヒーとしてリストに記さなければならない。よく利用するのならば、都度30円のディスカウントを受けられるポンタカードに加入するといい。

ローソンのコーヒーは、アイスコーヒーの冠を持つにふさわしい一杯ではないかもしれない。が、彼らのホットドリンクのセレクションは、コンビニ界きってのベストなものと言える。ダージリンティー(180円)や抹茶ラテ(240円)など、試すにふさわしいものだ。
★★★☆☆

By Cal Widdall

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