タイムアウト東京ブログ

FREEDOMMUNE 2013 開催。瀬戸内、ボア、あまちゃんで幕張は大フィーバー

2011年の震災から2年がたち、列島が参議院選挙を経て311後3度目の夏を迎えようというなか、7月13日に幕張メッセにてFREEDOMMUNEが行われた。2011年、天候不順により中止となってしまった幻の第一回から数えれば3回目となる今回もまた、DOMMUNE主宰の宇川直宏の呼びかけにより、被災孤児の支援、被災動物の支援のため募金を募ることを目的に開催、総勢91組のアーティストが出演した。

今回は、ボアダムスが99DRUMSなどの海外プロジェクトで披露してきたプロジェクトの『FREEDOMMUNE』版ともいえるBOREDOMS presents 7×13 BOA DRUM(91人のドラマーがメンバーの指揮により一斉に演奏)が目玉アクトとして登場、巨大ホールを曼荼羅絵巻のように浅野忠信などの著名人も含むドラマーが囲む圧倒的な光景と音の洪水をみせた。

BOREDOMS終演後、マクハリブドウカンには瀬戸内寂聴が登場。法話として、愛の在り方などについて語り91歳とは思えぬ生命力を満員の会場に放った。続いて、同ステージでライブを披露したのは、エクストリームなノイズギターと良心的なパーソナリティで知られ、いまやNHKの朝ドラを支える音楽家となった大友良英率いる大友良英&あまちゃんスペシャルビッグバンド。多くの人が期待したであろう『潮騒のメモリー』の演奏、そして“キョンキョン”の登場は残念ながらなかったが、ドラマ制作のエピソードを交えながら深夜に国民的サウンドトラックを奏でた。

DIY精神を実践してきた伝説的パンクスの一人であるPENNY RIMBAUD co-founder of CRASSはトークとライブにて登場、自身のキャリアについて、お金と教育の関係について、何を精神的な価値として自らの音楽キャリアを実践してきたのかを語った。トークブースでは、そのほか日本アーティスト有意識者会議の三宅洋平も登場したほか、東浩紀と金子勝による福島をめぐる議論なども行われ、原発や福島というテーマが随所にみられた。

そのほか、最大規模のダンスフロアであったAMAZING DOMEでは、TOWA TEI、MILTON BRADLEY、MOODMANなどが盛り上げ、大トリには冨田勲が登場。元GONG(現SYSTEM7)のスティーヴ・ヒレッジが参加し、「ドーンコーラス / Dawn Chorus」をパフォーマンス。ドーンコーラスとは、電磁波が太陽の黒点の影響を受け引き起こされる自然現象で、その電磁波をコイルアンテナで採集し、日の出にあわせて奏でられた電子音が朝の幕張に鳴り響き有終の美を飾った。

宇川は最後に「このフェスを体験することで、被災地のことを考えてもらいたい。彼ら震災孤児の子供たちや、動物達の発育と共に、0の起点に立ち返った我々FREEDOMMUNEも、賛同してくれた方々と支援活動として成長できたならば、より未来が開けるはずだと信じています。想像力は創造力に成りうる。復興はまったく終わっていないということを年に一度でも再認識させられるような現場を作る。それがもっとも重要なことだと考えています」と語り、約15000人が来場した空前絶後のイベントの幕を閉じた。


BOREDOMS presents 7×13 BOA DRUM


瀬戸内寂聴



大友良英&あまちゃんスペシャルビッグバンド


冨田勲



会場に置かれたレクサスはなんと、スクリーンの映像をコントロールする装置として機能

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