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ファッションの街、原宿で美味しいハチミツが収穫されているのをご存じだろうか。
なんと原宿交差点近く、コロンバン原宿本店のビルの屋上では、2010年5月から養蜂が行われている。
コロンバン創業85年にあたる2009年、社会貢献への取り組みを考えた同社は、花から花を飛び回り花粉を媒介し、生態系を守るミツバチの飼育を計画。ビルの屋上で、なんと経験者ゼロという状態から、養蜂家から指導を受けながら、12万匹のミツバチの飼育を始めたのだ。
養蜂メンバーは、株式会社コロンバンの社員R4名。その努力が実り、年々収穫が安定し、平均で年間約200キロのハチミツを収穫するまでとなった。原宿周辺は、実は豊かな自然に恵まれている。ミツバチの行動範囲は半径3キロだが、その行動圏内には明治神宮、代々木公園、新宿御苑、赤坂御苑、神宮の森、都立青山公園が含まれている。また、ミツバチは青山界隈の住宅の庭の花からも蜜を集めるという。
ハチミツの採取は、毎年5〜7月頃。今年も採取作業が始まったので、採蜜のプロセスを紹介したい。
屋上には5つの巣箱が設置されており、ここには現在、合計20万匹ものミツバチが飼育されているのだ。
まずは巣箱からミツバチがたくさんついた巣板を取り出し、ミツバチをやさしく払い落とす。そして、蜜に蓋をした状態になっている蜜蝋(蜜ブタ)を切り取った後、遠心分離器にかける。
専用の遠心分離器に巣板を2枚セット。手でハンドルを40回ほど回し、蜜をはじきとばす。
下に溜まったミツを集めれば、出来上がり。全てが丁寧な手作業で行われており、ミツバチに愛情を持って接するスタッフの様子が印象的だった。
採取したてのこのハチミツを味わってみたが、それは何ともいえない美味しさ! 様々な花の香りが感じられ、そのさわやかな香りとともに、風味の余韻がとても長く続く。季節ごとに蜜源となる花が違うため、ハチミツの味も色も変わる。たとえば、5月頃はツツジやバラなど、夏から秋にはサルスベリやクローバー、クチナシなどが主な蜜源となり、秋が近づくにつれてハチミツの色が濃くなるそうだ。
コロンバン原宿本店では、この自家製ハチミツを使った『原宿はちみつプリン』、『原宿はちみつロール』、『原宿はちみつショコラ』(夏は販売休止)を販売している。採取できるハチミツの量が限られているので、いずれも限定数での販売。原宿産ハチミツの風味を楽しめる人気スイーツとなっている。
原宿はちみつプリン(カラメルソースの代わりに自家製ハチミツを使用している)
都心で洋菓子店が独自でミツバチを育て、そのハチミツで菓子を作り、販売しているのは非常にまれ。原宿在住のミツバチが集めた贅沢なハチミツを味わってみよう。都心で行われる養蜂に関心を持つことで、東京の自然環境に興味を持つきっかけとなるだろう。
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