Britta Jaschinski / Time Out
2009年12月11日 (金) 掲載
毎年11月後半から年末にかけて、ヨーロッパ各地の都市ではクリスマスマーケットが開かれる。プラハの歴史溢れる広場やコペンハーゲンの美しい庭園などが会場になり、露店が軒を並べている。ユニークなお土産を探しながら、ヨーロッパの伝統を体験してみよう。
1786 年以来の伝統を誇るバルセロナのクリスマス市には、ヤドギリやポインセチア、クリスマスツリーと共に、手作りのオーナメントやギフトを扱う露店が出現、その数は300店にものぼる。数あるキリスト誕生を題材にしたグッズの中で、最も人気が高いものは、カガネルというカタルーニャ地方の伝統的な人形だ。この人形は、男がズボンを足首まで下げていて、尻の下には大便があるというユニークなもの。子供たちには大きなカガディオが人気だ。カガティオは丸太に笑顔が描かれたオブジェ。木の棒でたたくと、プレゼントを生み落とすといういわれがあり、子供たちに愛されている。小さなカガティオであれば、露店で買い求めることができる。サン・ジャウマ広場では、キリスト誕生場面のコンテスト、ミュージカルパレード、実寸大のキリスト誕生人形の展示などを楽しむことができる。
ベルリンはクリスマスマーケットの“首都”と呼べる存在だ。街全体で、60にも及ぶマーケットが開催される。カイザー・ヴィルヘルム記念教会で行われているものが一番の規模と人気を誇り、訪れる人の数は、400万人ほど。多くの人は、宝飾品、クリスマスオーナメント、アートなどを楽しみ、栗をつまみにワインに酔いしれる。
ドイツのクリスマスマーケットは、ヨーロッパの中でも質の高いものが多い。ほぼ全ての都市で開催されているが、中でも、ケルン、ニュルンベルグ、フランクフルトのクリスマスマーケットは秀でている。
詳細はhttp://www.germany-tourism.co.uk、www.christmas-markets-germany.de でチェックしよう。
ブリュッセルのクリスマスは年々盛大になっている。グランドパレスからセント・キャサリンまでの2キロ(1.2マイル)は、クリスマスマーケットの露店で溢れかえる。一つ一つの露店は木の屋根のついた小屋で、主にアート作品、民芸品、飲み物や食べ物などを販売している。セント・キャサリンにつくと、そこはにぎわいの中心で、程よく体も温まっているはずだ。そこには、メリーゴーランド、サイクリングコース、ヨーロッパ随一の大きさを誇る移動式観覧車(高さ48メートル、1万8000のライトが点灯)、そしてもちろん、アイススケートリンクが待ち受けている。
その他の注目すべきベルギーのクリスマスマーケットには、アンワープのグランプラスとブルージュのブルージュクリスマスマーケットがある。
ヴルシマルティ広場では、11月中旬から、コテージ風の露店と共に、ホットワイン、フランクフルトソーセージ、フォークダンス、生演奏が楽しめる。ペスト地域の“ファッション街”の中心に位置するこのマーケットでは、およそ150の露店と、人形劇劇場を含む地元のアートや文化を堪能することも可能だ。マーケットの信頼性を高めるため、ここで販売されているものは全て、ハンガリー民芸作家協会の保証の付いた手作り品となっている。
多くのヨーロッパ都市と同様、この時期のコペンハーゲンはクリスマスデコレーションとイルミネーションにより飾られる。しかし、この街は他の都市とは一味違う。コペンハーゲンのマーケットは、商業的ではなく、純粋に“クリスマス”を祝っている(もしかしたら氷点下の気温が関係しているのかもしれないが)。
チボリ公園は、11月中旬から、マーケット、クリスマスフード、ニッセ(デンマークのクリスマスにまつわる妖精)のいたずらが溢れかえる巨大なクリスマス街と化す。庭園にはアイススケートリンクや、ジェットコースターなどの遊園地で楽しめる乗り物が特設され、露店だけでは物足りない客も楽しめるようになっている。コペンハーゲンの中心部にあるため、100万人が訪れる。混雑は覚悟しなければならない。
ヨーロッパのクリスマスマーケットの中では比較的歴史の浅いマーケットだが、2008年、ダブリンの『12 Days of Christmas』は9万人もの人を集めた。近年再開発されたダブリン・ドックランズが会場になり、手作りの宝飾品、ステンドグラス、木のおもちゃや手工芸品などが売られている。メリーゴーランド、賛美歌にドイツ風バー。これらが揃ったドックランズは家族連れが存分に楽しめるスポットだ。
『ラフェットデヌエ』は冬の日光浴を楽しめるマーケットとして知られている。12月を暖かい気候の場所で過ごしたい人にとって、ジャージーよりも良い候補地はたくさんある。しかし、セント・ヘリアに行けば、イベント盛りだくさんのクリスマスマーケットがある。ノルマンディーマーケットの露店と、驚くほど美しい夜景と共に、肝試しや歴史に関するツアー、ディケンズの話し手、賛美歌、クリスマス工芸、アートフェスティバル、ムーンライトパレードが待っている。
プラハのクリスマスマーケットは、オールドタウン広場とヴァーツラフ広場(ヴァーツラフ王にちなむ)で行われる。多くの来訪者は、ギフトやデコレーションではなく、一風変わった食べ物や飲み物を楽しむ。クリスマス休暇に合わせて、道端には、チェコの伝統的なクリスマス料理の食材である鯉が入った水槽が並び始める。グロッグ酒とハチミツリキュールといった、チェコ特融のアルコールも一度はトライする価値がある。チェコ語の讃美歌が美しく鳴り響くマーケットは、素晴らしい建築物と、まばゆいほどの夜景に囲まれている。
スカンセン野外博物館のクリスマスマーケットは、クリスマスイブ(スカンセンの唯一の休館日)までの12月の週末に開催される。スウェーデンの民芸品、わらで作られた伝統的なクリスマスオーナメント、手作りのキャンドル、そしてスモークソーセージ、ウナギ、サーモン、ジンジャークッキー、ホットワイン、サフランのパンなどを楽しむことができる。
オーストリアの四季を代表する冬。雪が街を覆い始めると、クリスマスマーケットが始まる。『Christkindlmärkte』は11月中旬から開催されるマーケットだ。ウィーンに住む人にとって、クリスマスは友人たちとの親睦を深める時。マーケットで地元のホットワインを飲みながら、栗とスパイシーなクリスマスクッキーを楽しむ。以下がお勧めするスポットだ。
Rathausplatz market 露店はあまりお勧めできないが、地元のアーティストによって作られたキリストの降臨を描いたタウンホールの窓と公園のイルミネーションは一見の価値がある。
追加情報 www.christmasmarkets.com にて、世界のクリスマスマーケットのリストが確認できる。
Copyright © 2014 Time Out Tokyo
コメント