東京で繋がる

成功を生むネットワーキンググループ

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東京で繋がる

Artalkingイアン・リナム

2009年の経済危機は東京に大きな打撃を与えたが、それは同時に、2010年に向けて人々がキャリアを見直すきっかけを生み出した。転職が当たり前となった今の時代、企業を訪問する典型的な転職活動より、ネットワーキングに参加することが最も効率的に良い仕事を見つける方法かもしれない。
Facebook、LinkedIn、MySpace、Mixiと言ったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が一般的に使われるようになったことで、情報の伝達スピードは圧倒的に速くなった。しかし、だからと言ってパソコンのモニターの前に座り続けるのはどうか。オンラインのソーシャル・ネットワークから少し離れ、リアルのソーシャル・ネットワークにチャレンジしてみよう。 東京のような大都市で仕事を探すならば、魅力的な性格と社交術は必須だ。それらの要素を活かして、新たな形での出会いに挑戦し、その後は継続的な情報交換でネットワークを維持しよう。
東京を新境地として考えていようが、転職の真っ最中だろうが、ゴール設定と、その状況に至るまでの過程を説明できるようにしておこう。人との上手な付き合い方が、あなたの2010年を成功させる鍵を握っている。今こそ、隠れ潜んだ機会を最大限に生かし、あなたを正しい方向に導ける人に出会おう。
東京における国内外のコミュニティでは、独特で一風変わった機会に触れるチャンスがあるため、冒険する価値がある。ネットワーキングは、参加者同士が共通点を見つけ、互いの特技を披露し、アイディアを交換、開発する場を提供している。目的が起業にあろうが、年収を上げることにあろうが、この世の中には人々がアドバイスをし合い、励まし合い、アイディアをどのように具現化するかを助け合う特殊な世界が存在する。以下に挙げるグループのミーティングに参加し、キャリアアップを考えてみるのはどうだろうか。

International Breakfast Meeting (IbM)

夕方のハッピーアワーに足を運ぶのをやめて、エネルギッシュに一日を始めるため、モーニングコーヒーを飲みながら多様な分野のプロフェッショナルが集まるモーニングミーティングに参加してみるのはどうか。IbM設立者の伊藤“Tak”潤は、ロバート・キヨサキ著書の『金持ち父さん 貧乏父さん』に出会うまでは、仕事に人生を捧げる典型的な日本のサラリーマンだった。伊藤はIbMを通じて日本人と外国人が互いに刺激を与え合い、その出会いが何らかの相乗効果を生むことを望み、このグループを作った。最近の木曜日に行われたモーニングミーティングには、マクロビオティックのシェフ、起業家、不動産開発業者、会計士、ITスペシャリストなどが参加。余りにも幅広いトピックスが議論されていたため、ミーティングを抜け出すのがもったいないと感じるほどだった。ミーティングは参加者が会社の始業時間に間に合うように、東京、品川、池袋などの都心にあるカフェで行われることが多い。参加者の国籍は問わず、参加費はカフェでの飲食代のみ。場所や日時は都度変動するので、インターネット上でチェックしてから参加をしよう。

時間:7時30分から8時30分
インターネット上の情報:
 Mixi:mixi.jp/view_community.pl?id=4634817
 Gree:gree.jp/community/1134167
 Twitter:twitter.com/jun_ito
 Facebook:www.facebook.com/takesen?ref=profile

Tokyo Black Professionals (TBP)

毎月第1金曜日に、黒人の弁護士、会社幹部、英語教師、エンターテイナー、コンサルタント、サラリーマン、キャリアウーマン、観光客、米国、アフリカ、欧州の政府関係者、カリブ人が、日本人、白人、その他の人々と東京の中心部にある店に集い、軽食を食べながら仕事に関する話題でざっくばらんに盛り上がる。グループの設立者、ヘンリー・モアランド・シールズは1998年に東京に移り住み、以後国際的ビジネスの分野で幅広く活躍してきた。シールズは、日本で働く外国人のために書かれた本『Making it in Japan(日本で渡り歩く方法)』の著者でもある。シールズが掲げるミーティングの目的は、黒人のプロフェッショナル、学生、その仲間たちに出会いの場を提供し、共通の問題について話し合ったり、暗黙のサポートを与え合ったりすることだ。「黒人、または黒人社会に興味がある人にとっての情報源になりたいと考えています」とシールズは言う。Entrepreneur Nightは 創業したばかりの企業がその会社のプレゼンテーションをし、それに対する実用的なフィードバックを受けられるという人気のあるイベントだ。参加者は英語が話せることが望ましいが、殆どの出席者は会話レベルの日本語は話せる。参加費は店での飲食代飲み。場所と時間はウェブでチェックしよう。

日時:第1金曜日
ウェブ:blackprofessionalstokyo.ning.com/

People for Social Change (PSC)

内部告発者である必要はないが、もし貴方が企業の社会的責任(CSR)や社内外の問題に興味があるのであれば、PSCを覗いてみよう。NGOのスピーカーをゲストに呼んだパネルディスカッションには、30カ国以上から、300人以上の参加者が集まり、民間非営利団体の能力開発ワークショップのための資金調達イベントを行った。東京在住の民間非営利コンサルタントのサラジーン・ロシアットは、能力開発、国際問題に対する組織の理解力、効果的連携に関するワークショップ、セミナーのファシリテーターを務めていて、PSCは海外と日本の非営利団体を繋ぐ役目を果たしている。2009年の活動の中には、パレスチナの若者への食料支援プログラムや、カンボジアでの健康プログラムなどがあった。日英両方の言語が使われており、無料で参加ができる。日時、場所などはウェブでチェックしよう。

ウェブ:people-for-social-change.blogspot.com/

Media Tectonics

新聞が廃れ行く中、2008年には米国だけで1万5000人ものジャーナリストが職を失い、言葉の達人たちはオンラインでの活動を開始することを余儀なくされた。
新たな状況で秀でる術を身につけたいのであれば、Media Tectonicsのシンディー・ムリンズとダグ・ジャクソンが主催する、出版業、ソーシャルメディア、オンラインテクノロジーに関するワークショップとセミナーに参加してみるのがいい。Tectonicsとはギリシャ語で“構築”を意味する。Media Tectonicsは参加者が自身の書いた文章で成功と収入を“構築”する手助けをしたいという思想を持っている。 Facebook、Twitter、またはその他のソーシャルメディア内で、プロジェクトの説明や“出版社に刺さる本”のプレゼンテーションをすることで、著名なポッドキャスター、学者、受賞歴のある演出家やその他のクリエイティブ分野の専門家の興味を引くことができる。セミナーやワークショップで使われる資料には英語が使われているが、Media Tectonicsではこれらを日本語、韓国語、中国語など他の言語に翻訳できるスポンサーを募集している。イベントは南青山と六本木の国際文化会館で行われている。詳細はウェブでチェックしよう。

時間:18時30分から21時00分
参加費:2000円から4000円
インターネット上の情報:www.facebook.com/group.php?gid=193129522857

Artalking

現代的美学について語らう時間を楽しみたいのであれば、予定表にArtalkingを書き込んでみよう。 Artalkingは毎月決められたアートのお題を、クリエイティブな料理を食べながらディスカッションする会を主催している。 Loredana di Procia e Brugnera とジュリア・バーンズがこの有益で濃厚な会を企画。毎回、アート愛好者の五感が刺激されるような知覚体験を提供している。今年のイベントの中には、世界から見た若き日本のアーティストの未来と、ワタリウム美術館が所有する80年代の東京でキース・へリングがどのように登場したかをおさめた古い映像が上映された。マイアミで行われるアートバーゼルに参加することが難しくても、東京で行われるArtalkingがあなたの創作力を刺激してくれる。スピーカーが配る限定の冊子が欲しい場合は、早めに行くことを勧める。イベント会場は毎月変更、イベントは英語で行われるのでその点は注意が必要。

時間:19時30分 / 20時00分から22時00分 / 23時00分
参加費:5000円(飲食代込)
 チケットは、オンライン、または、info@nonaca.netに連絡することで購入可
ウェブ:twitter.com/nonacaart

Tokyo Writers’ Salon (TWS)

ローレン・シャノンが主謀しているこのカジュアルでも積極的なサロンは、詩、フィクション小説、ノンフィクション小説の創作、作品の評論、作品へのヒントの交換などを目的としている。雑誌の発刊や脚本の書き下ろしを考えているのであれば、Serious Saturday Critiqueセッションがお勧めだ。言葉や文章のブラッシュアップができる。イベントの日時、場所は毎回変動するので、参加を希望する場合はウェブから参加要請をしよう。

ウェブ:writers.meetup.com/648/

Foreign Executive Women (FEW)

能力の高い女性のために作られたこのプロフェッショナルなソーシャルネットワーキングは、1981年に創立された。現在、このグループには法律、エンターテイメント、経済、アートなどのあらゆる分野にまたがったメンバーが200人も所属している。キャリアアップへのヒントや、履歴書の書き方、イベント情報などをウェブ上でチェックしてみよう。FEWは日本国籍の英語スピーカーにも情報を提供している。キャリアセミナー、定期ミーティング、スペシャルイベントが一年を通して定期的に行われているので、合わせてチェックしよう。

ウェブ:www.fewjapan.com/

Mobile Monday (MoMo) Tokyo

Mobile Mondayは2000年にフィンランドのヘルシンキで初めて開催され、日本には2004年9月に上陸。MoMo Tokyoが行うイベントには毎回100名から200名の参加者が集まる。MoMoは新商品のデモンストレーションや情報交換、グローバルのトレンドなどを発表することで国境を越えたビジネスチャンスを提供。イベントやミーティングの日時、場所は変動的なのでウェブをチェックしよう。

ウェブ:www.mobilemonday.jp/

テキスト Damion Mannings
翻訳 古知杏子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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