ニューヨークLGBTシーン2

セックス美術館から最新観光案内所まで

ニューヨークLGBTシーン2

ニューヨーク市は、世界のLGBTシーンのメッカである。ことの発端は、1969年6月28日に、ゲイバー『ストーンウォールイン』で起きたゲイと警察官達の衝突“ストーンウォール事件”だ。翌日の日曜日にはゲイの権利を獲得するためのデモが暴動へと発展。その歴史的な日曜日をきっかけとして6月の最終日曜日に毎年「プライドマーチ」(勇気ある行進…現在の呼称「ザ・マーチ」)が開催されることとなった。そんな確固たるプライドを未来へ受け継いでいるニューヨーク市は、LGBTシーンにおいて今も新鮮で堂々たる存在感である。だからこそ、毎年6月のプライドウィーク「NYCプライド(nycpride.org/)」では40年以上経った今でもLGBTの権利を獲得していくというコンセプトにブレがない。

前回紹介したブロードウェイ・ミュージカル「プリシラ」などのエンターテインメントをはじめとし、ニューヨークでは普段の生活の中において様々な形でLGBTカルチャーに触れることができる。そしてそれは違和感なく街の中に溶け込んでいる。これこそニューヨークでLGBT達がプライドを持って生きてきた証とも言えるだろう。今回はタイムアウト東京がトラベラーにオススメするヴェニューを紹介。ニューヨークへ行く際には是非チェックして欲しい。

泊まるべき場所

ACE HOTEL NEW YORK


目覚めから眠りに落ちるまでトータルにニューヨークを満喫したいならここしかない。なぜならここは、まるでニューヨークに住んでいるかのような感覚で過ごせるユニークなホテルだからだ。ミッドセンチュリーテイストなデザインがスタイリッシュな印象を与えるが、このホテルのこだわりはデザインだけではない。冷蔵庫のドリンクのセレクトからアメニティの石鹸まで、挙げたらキリがないほどだ。しかも部屋ごとにデザインが異なるため、泊まる度に新鮮な気分に浸れる。もし気に入った部屋があったならば次回も同じ部屋を予約して、ニューヨークにおける自分の別宅のように使うのもいいだろう。ホテルのラウンジ・ロビーは宿泊者だけでなくニューヨーカーも集まり、ラウンジ系ミュージックがガンガン流れるクラブスペースに変身することもある。そんな気の利いた空間やカジュアルなバーを持っているホテルだからこそ気軽に地元ニューヨーカーと交流出来る絶好のチャンスを与えてくれる。ドアマンから受付のスタッフまでフレンドリーに接してくれるのも嬉しい。エンパイア・ステート・ビルやメイシーズ、さらにタイムズスクエア、ブロードウェイの劇場などに近く便利なロケーション。1階にはレストランとカフェが併設され、筋トレを欠かすことのできないゲイ達に必要不可欠なジムも地下に完備。無料のインターネットも各部屋に配備され、会議室やビジネスセンターもあるので、仕事から観光まであらゆるシーンに対応できる才色兼備なホテルだ。



住所:20 West 29th Street, New York, NY
電話:212-679-2222
ウェブ:www.acehotel.com/newyork


体験するべきもの

Museum of Sex


オール・アバウト・セックス美術館。日本の“秘宝館”とは異なり、ここでは“セックス”がスタイリッシュに展示されている。もちろんゲイ、レズビアンについても映像やエッジの効いたイラストなどで紹介されている。日本のセックスカルチャーのひとつとしてやおい漫画も紹介されている。1階のショップで、キッチュでユニークなセックスグッズをギフトとして探すのも楽しい。


住所:233 Fifth Ave. New York, NY
電話:212-689-6337
ウェブ:museumofsex.com/


Keith Haring

マンハッタンに現存しているキース・ヘリングの壁画は2枚しかない。彼の貴重な“生きた”アートに出合えるのもニューヨークならではの魅力のひとつだ。そして、プライド月間中にはチェルシーのBarbara Gladstone Galleryにてキース・ヘリング展も開催される。キースの生きていた街で、彼の息吹を感じよう。

壁画「Crack is Wack (1986)」
キースのアシスタントが‘86にオーバードーズにより急死。その出来事に胸を痛め、ドラッグへの警告メッセージを描いた壁画。無許可で制作されたが現在はNY市によって保存されている。

場所:East 128th St & 2nd Ave (the Harlem River Drive), New York, NY

壁画「Carmine Street Swimming Pool (1987)」
5m×50mという巨大な壁画。子どもたちのために市営プールの壁に作成された。プールサイドにぴったりの涼しげなカラーリングとリズミカルでキネティックなイメージが印象的だ。

場所 James J. Walker Park , Carmine Street pool. Carmine St & 7th Ave. New York, NY

「Keith Haring」展
日程:2011年5月4日(水)から7月1日(金)
場所:Barbara Gladstone Gallery
住所:530 West 21st Street, New York, NY
電話:212-206-7606
営業時間:火-土 10時00分から18時00分
ウェブ:www.gladstonegallery.com/haring.asp


The Ride


3000個ものLEDがギラギラと光り、IMAXデジタルシアターに匹敵する音響システムを完備したバスはマンハッタンの街をスクリーンに見立てた映画館のよう。全席、窓側を向いたひな壇型のシートが新鮮だ。75分間のツアーのファイナルにはフランク・シナトラの「New York,New York」を全員で歌わされる一体感が何とも言えない。

場所:チェックイン ニューヨーク マリオット マーキーズ 1F タクシー乗り場横
住所:1535 Broadway, New York, NY
電話:212-398-1900
料金:59~65ドル
ウェブ:www.experiencetheride.com/


知るべき情報

Official NYC Information Center(ニューヨーク市観光局インフォメーション・センター)


ニューヨークを観光するならば、ニューヨーク市観光局インフォメーション・センターで最新の観光情報をゲットすることから始めよう。ブロードウェイから歩いて5分ほどのインフォメーション・センターへ行けば、立体的かつ大きな映像でニューヨークの街を紹介してくれる。詳細情報をプリントアウトすることもできメールによるサービスも充実している。もちろん、ゲイ&レズビアンに関する情報もデータだけでなく、スタッフから直接聞くこともできる。ニューヨークならではのLGBT観光情報を聞き出してみてはどうだろう。


住所:810 7th Ave. New York, NY
電話:877-727-5464
ウェブ:www.nycgo.com/venues/official-nyc-information-center


食べるべき場所

CHIPOTLE


メキシカングリルのファストフード。ブリトー、タコス、タコサラダなどをメインにしたメニューだ。ハーブとライムの効いたライスとボリュームたっぷりの野菜で非常にヘルシーだったブリトー・ボールは美味しくガッツリ食べたい人にオススメだ。

ウェブ www.chipotle.com/en-US/Default.aspx?type=default


Shake Shack

アメリカでビッグサイズのハンバーガーを期待している人には物足りないかもしれない。しかし、上質で濃厚なサーロインを使用した小ぶりサイズのハンバーガーは一度食べたらヤミツキになるほどの美味しさ。オーナーは、Gramercy TavernやUnion Sq. Cafeなど、ザガット・サーベイでNo.1レストランにも輝いた店を多数経営しているDanny Meyer。マディソン・スクエア・パーク内の1号店のほか、ニューヨーク市内に6店舗ある。

住所:Southeast corner of Madison Square Park
電話:212-889-6600
営業時間:月-日11時00分から23時00分
ウェブ:shakeshack.com/


行くべきショップ

Limelight Marketplace


教会を改造して作られた巨大ナイト・クラブとして1980~90年代にかけて、ニューヨークのクラブシーンの中では絶対的な地位を確立していた『The Limelight』。2001年に閉鎖されたが、2010年5月に『Limelight Marketplace』へと変貌を遂げた。地上3階建てのスペースには、40以上ものショップがある。ブラジルのビーチサンダル・ブランド『ハワイアナス』をはじめ、ブーツブランドの『ハンター』やキャビアの老舗『ペトロシアン』、ブラジリアン・ワックスで有名なサロン『J シスターズ』など豪華なラインナップで飽きることがない。

場所:656 6th Ave. 20th Street, New York, NY
電話:212-359-5600
営業時間:月-土 10時00分から21時00分、日曜日11時00分から20時00分
ウェブ:www.shoplimelightmarketplace.com/


行くべきバーラウンジ

Industry Bar

カラフルなバーカウンターや大きなカウチなどがあり、スタイリッシュで居心地の良い空間。DJイベントやドラァグクィーンショーまで様々なジャンルのイベントが行われている。

住所:355 W 52nd St (between Eighth and Ninth Aves), Hell's Kitchen
電話:646-476-2747


Therapy


NYのゲイエリア、ヘルズ・キッチンに位置し、もはや欠かすことのできないヴェニューのひとつ。2フロアからなるラウンジに夜な夜な集まる客層はスタイリッシュで、ウェイターもハンサム揃いな上にフレンドリー。曜日ごとに様々なテーマのイベントがあり、それに出演するドラァグクィーンやGOGOたちによる刺激的なショーで楽しませてくれる。

住所:348 W 52nd St, New York, NY
電話:212-397-1700
ウェブ:www.therapy-nyc.com/


現在、H.I.S. 海外団体旅行営業グループ・新宿営業所では、「プリシラ鑑賞チケット・LGBTシーンを巡る市内観光付!プライドウィークのニューヨーク5日間」が予約受付中。『ストーンウォールイン』などのあるチェルシーエリアをLGBTガイドと一緒に巡るスペシャルコース、宿泊はスタイリッシュな『ACE HOTEL NEW YORK』、さらに前回紹介したブロードウェイ・ミュージカル『プリシラ』観劇も付いたニューヨークのLGBTカルチャーを満喫できる豪華内容だ。是非チェックしてほしい。


毎年恒例の世界最大規模を誇るLGBTイベント「NYC プライド2011 http://nycpride.org/」が6月18日~26日に開催される。今年のテーマは“プラウド・アンド・パワフル”。初日のオープニングイベント『ザ・ラリー』から、プライドウィークの一番の見どころとなるプライドマーチ『ザ・マーチ』、ストリートフェア『プライドフェスト』やダンスパーティー『ダンス・オン・ザ・ピア:ダンス25』まで、LGBTコミュニティーへの理解を深める様々なイベントが行われる。詳しくは、ニューヨーク市観光局のLGBTサイトをチェックしてほしい。

テキスト 透海零
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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