夏の終わりに日帰りビーチ

残暑厳しい東京の夏、週末は、都会を離れて海辺で過ごす

夏の終わりに日帰りビーチ

撮影:Jun

東京の中心地で生活していると、この巨大都市が太平洋に浮かんでいることをつい忘れがちだ。アスファルトを焼き付ける太陽と、エアコンのヒートアイランド効果が最高潮に達する真夏日は特にそうだ。気温が30、35、40度と上昇するにつれ、体が温かくて美しい日本の浜辺を欲するようになる。東京駅から最寄りの浜辺は最短で14分。人気のない奇麗なビーチまでは、電車に乗れば2時間でたどり着ける。車があればいろいろなものを運べるのでオプションは広がるが、夏は数時間の渋滞に巻き込まれるかもしれない。

少し日が短くなったこの季節に、ときには都会を1日離れ、夕日が沈むまで海辺で過ごすのも悪くない。8月最後の週末を、ビーチで過ごしてみるのはどうだろうか。

葛西臨海公園

東京駅からJR京葉線で14分(ディズニーランドから一駅)の葛西臨海公園は、ビーチサイドパークだ。整備された芝生と樹木と、水族館、バーベキュー施設、巨大な観覧車と子供用のプレイグラウンドが設備されており、小さなビーチもある。水に入ることはできないが、昼下がりに心地よい海の風を楽しむには充分だ。整備された歩道も多く、足を水浸しや砂まみれにせずとも水辺を散歩できる。また、レストランや屋台も充実しているので、持ち物も必要最小限ですむのがうれしい。ビーチや園内にはカップルが多いが、家族連れにも人気スポットなので走り回る小さな子供に要注意。入場は無料だ。

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お台場海浜公園

東京駅から有楽町線で約24分。1980年に近代的なデザインのもと、東京湾の埋め立て地に建設されたこの場所は、ショップやレストランが集まり美しい風景も見られる、東京で最も人気の高いデートスポット。水質には問題があるが(2003年には下水の水質汚染が深刻化したが、東京都は浄化を約束した)、都心を離れずにしてリラックスできるロケーションだ。年間100万人が訪れるので混雑は予測しておく必要がある。太陽をたっぷり浴びた後は、公園のそばに、シネマメディアージュや、東京ジョイポリス日本科学未来館など、涼しい室内で楽しめる場所もたくさんある。

住所:東京都港区台場1-4-1
ウェブ:www.tptc.co.jp/park/tabid/tabid/395/Default.aspx

湘南海岸

神奈川県の湘南エリアは、まるでカリフォルニアビーチにいるかのような気分にさせてくれる。地元住民が自転車に乗り、サーフボードを抱えて歩く、海との間を行ったり来たりしているそんな光景が一日中見られる。JR総武快速線と江ノ島電鉄を使えば都心からたったの1時間半程度なのに、鵠沼海岸のは都会とはまるで別世界だ。人気も高く、夏の海水浴客数は新聞に掲載されるほど大混雑になるビーチでもある。7月と8月は海水浴規制により、広域に渡って早朝から午後5時まではサーフィン禁止に。ビーチ沿いにはサーフボードショップが並んでおり、サーフィンに必要なものは全て入手できる。レストランにはアウトドア席も用意され、マクドナルドでさえリラックスした雰囲気で、サーフボードラックが設備され“ノーシューズ”ポリシーを掲げている。

他にもこのエリアには、スケートボードのメッカでクォーターパイプがある鵠沼公園、また水族館、バー、ホテルはもちろん、お寺や神社も数多く点在する。

住所:神奈川県茅ヶ崎市中海岸3丁目
ウェブ:www.fta-shonan.jp/

鎌倉 材木座海岸

神奈川県鎌倉市の海岸には、驚くほど穏やかな波、バー、レストラン、シャワーが全てビーチ上に存在する。そして鎌倉は歴史上でも重要な観光地だ。すなわち、海岸や道路は混雑し、移動は困難。自動車はやめて電車やバスを使った方が無難だろう。鎌倉のウィンドサーフィンは世界的にも有名で、いつでも波上には帆が見える。ここでもサーフィン禁止地区があるので注意を。サーフボードのレンタルとレッスンは受けられるので、1日を楽しくリラックスして過ごしたいときにはおすすめだ。

住所:神奈川県鎌倉市材木座

九十九里浜海岸

66キロにおよぶ砂浜は、波も良好、まっすぐに伸びる海辺と“くらげ”が名物で、都会の喧噪を抜け出して一息つくのにぴったりの場所だ。出かけるには、渋滞がなければ首都高を約1時間、片道1600円(ETC搭載であれば1000円)で到着する。電車とバスを使うと3時間程かかるので、できれば車で出かけたい。

湘南や鎌倉のビーチタウンと違い、九十九里浜近辺の風景は千葉の田舎といったところ。周りは農場や郊外大型店があり、ときどきサーフボード修理店の看板がちらほらと見える。浜辺には屋台は少ないが、コンビニやスーパーは徒歩圏内にある。浜辺は奇麗で海水も透明なため心地よい。海水浴エリアは多少の混雑が予測される。サーフィンやボディボードをするなら、または海水浴をしない場合は、サーフポイントに行こう。駐車場もこちらの方が空いている。コインシャワーは浜辺もしくは近場のコンビニやサーフショップにあり、日焼け止めやボディボードなどもそこで購入できる。

住所:千葉県山武郡九十九里町片貝
ウェブ:www.99beach.com/beach/


もしどの海岸に行くか迷っているのなら、リンクでライブウエブカメラを見て国内の目的のビーチを探すのも便利だ。
ウェブ:www.surf-reps.com/nami.html




テキスト C•マーク・スミス
翻訳 佐藤環
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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