LGBTトロント特集2: ゲイプライド2010レポート

クリスマス同様に街全体が祝う北米最大のゲイプライド

トロントで、毎年6月下旬から10日間ほどに渡って開催され、約100万人の観客が集まる北米最大のゲイプライド『トロント・プライド』。2010年は、6月25日から7月4日まで開催、記念すべき30周年を迎えたこともあり、会場は猛暑に劣らぬ熱気に満ちていた。

『トロント・プライド』のメインとなる最後の週末には、異なるセクシュアリティによるマーチのほか、ライブパフォーマンス、クラブパーティ、ギャラリーでのアート展、パネルディスカッション、ファミリーイベントなど、40あまりの彩り豊かなイベントが行われた。また週末は、ゲイエリアのメイン・ストリートを歩行者天国にするため道が閉鎖され、その界隈全体が、飲食や雑貨等のブースの建ち並ぶクィア(LGBT)のフェスティバルと化した。

週末はゲイエリアの道が歩行者天国になり、オープンテラスや道がごった返している。


街の至る所にある一般のお店も、ショーウインドーをレインボー・モチーフ(LGBTのシンボル)や“HAPPY PRIDE!”の文字で飾るなど、期間中は街中がお祝いモードとなり、トロントのクィアたちにとってはまさにクリスマス同様の一大イベントに。もちろん、セクシュアリティを問わずストレートの参加者も非常に多く、誰もが気軽に楽しめる夏の最も熱いお祭りとなった。ここでタイムアウト東京が、トロント・プライド2010のイベントをいくつかピックアップする。

ゲイエリアから離れた一般のお店もクィアを大々的に祝福する。


トランスジェンダー、レズビアン、ゲイの3大マーチ

7月2日の金曜日から日曜日までの3日間、3大コミュニティのマーチが日替わりで行われた。金曜日の夜はトランスマーチ(トランスジェンダーのマーチ)、土曜日の午後にダイクマーチ(レズビアンのマーチ)、そして、日曜日の午後にはプライドパレード(LGBTのマーチで、最大規模)と、毎日ひと味違うパレードが堪能できた。中でもプライドパレードは、警察署や消防署の職員から学校の教師、クィアの両親の団体など180ものグループが歩く大規模なものでありながら、「サンタクロースのパレードよりもセイフなマーチ!」と言われているほど、トロントでは最も安全でピースフルなマーチなのだ。

トランスマーチ
オフィシャル・イベントの一環としては、この2010年が初参加となるトランスマーチ。金曜日の夜、ゲイエリアの中心通り、チャーチ・ストリートで行われた。


ダイクマーチ
2010年は、レズビアン・コミュニティの一部が趣旨の相違でオフィシャルのマーチに反発、同日同時間に別の場所で行進した。そのため二分化し規模が縮小してしまったが、双方とも熱気は健在だった。公式のマーチは、世界最長の通りであり、ショップが立ち並ぶ主要道路ヤング・ストリートを歩いた。


プライドパレード
ダイクマーチ同様、ヤング・ストリートを主に歩き(ただし距離は若干長い)、100万人もの参加者で賑わった。


プライドパレード ウェディング
最後尾のフロートのテーマは、同性婚が合法なカナダならではの“ウェディング”。10組の同性カップルが結婚式を挙げ、周りから温かい祝福を受けていた。


反イスラエル団体

反イスラエルのLGBT団体が、主催側からパレードへの参加に難色を示され、プライド団体とLGBTコミュニティの一部が対立し熱い議論を交わしていた。ボイコットの呼びかけも多々出され、一時期はその開催までが心配されたが、最終的には歩けることとなりおさまった。


プライドトロントウェブ:www.pridetoronto.com/

ゲイエリアに泊まる

ゲイプライドやゲイタウンも満喫したい旅行者には、ゲイエリアから徒歩5分に位置するサットン・プレイス・ホテルがオススメだ。

The Sutton Place Hotel Toronto
場所:955 Bay Street, Toronto, Ontario, Canada
ウェブ:www.toronto.suttonplace.com/

取材協力:
トロント観光局(www.seetorontonow.com/ja.aspx
カナダ・オンタリオ州観光局(www.ontariostyle.com

TokyoWrestling.com共同取材

テキスト・撮影 カイザー雪
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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