タイムアウト東京ブログ

元『ドンチッチョ』のサービスマンが、 シェフ&パティシェの双子とタッグを組んで独立


米津真寛氏(左)、伊沢浩久氏(中)、伊沢和明氏(右)

南青山にある『ドンチッチョ』といえば、東京を代表する人気シチリア料理店のひとつ。そんな同店で、長らくサービスを務めてきた米津真寛氏が独立。広尾、天現寺の裏手にイタリア料理店『AMBIGRAM』をオープンさせるということで、一足先にオープニングディナーが催された。

AMBIGRAM』で腕をふるうシェフの伊沢浩久氏は、フリウリやピエモンテで修行し、銀座『エノテーカ・ピンキオーリ』や、丸の内『イル・カランドリーノ』などで研鑽を積み、米津氏との開業に踏み切った。しかし、この店がユニークなのは、双子の弟である和明氏がパティシェを務め、イタリア料理とフランス菓子のコラボが楽しめるというところ。パリやブルターニュで修行を積んできたという和明氏だが、「まさか2人で厨房に立つ日がくるなんて、不思議ですね」と笑顔を浮かべる。

本格オープンは、2012年7月12日。「リストランテでありつつ、トラットリアのようなカジュアルな雰囲気で食事を楽しんでいただきたい」と話すオーナーの米津氏。料理人とパティシェ、兄弟それぞれの持ち味を出していきたいという意向のもと、昼過ぎから夕方までは、和明氏の手がけるデセールとコーヒー、お茶を楽しめるカフェとして営業。ディナーでは、兄の手によるイタリア料理に、弟のデザート、ソムリエでもある米津氏が厳選したイタリアワインをトータルに楽しむことのできるレストランとして営業する。

店内は、米津氏がシチリアのアグリツーリズモ(農家が宿泊施設を提供し、地産地消の料理やワインを楽しめるところ)で効果的なアクセントとして使われていた“青”という色にこだわり、マホガニーブラウンと合わせて、凛とした雰囲気を演出。テーブル30席に加え、店内奥に設けられたオーバル型のカウンターは、「気のおけない友人と、ちょっとつまみながらワインを飲んで語らいたいお客さま向けの“仲間席”というスペースにしたいんです」と話す米津氏の狙い通り、居心地のいい空間。

カフェ、食事、ちょっと飲みたい時など、さまざまなシーンに対応してくれる店になりそうだ。


ストゥツッキーノ『バッカラ・マンテカートとカリッと揚げたポレンタ』


アンティパスト『さっと炙った帆立と人参、オレンジのムース(右)沼津産アカエビとレモンゼストのクリーム(中)チェリートマトとモッツァレッラ・ブッファラのカプレーゼ』


プリモの『手打ちのビーゴリ、牛頬肉のラグーの黒トリュフのせ』


セコンドの『大山鶏のインボルティーニ、黒トリュフとレバーのムース、マルサラ酒のソース』は、真空低温で火入れをした肉のしっとりさと、パリッと焼き上がった皮目の食感の差が楽しい


ドルチェは、フロマージュ・ブランのムースとソルベ、エキゾチックソース(奥)、チョコレートのムースリーヌ(中)、ピスタチオのパウンドケーキとベリーのソース(手前)


シチリア、エトナまでワインの生産者を訪ね、その土地が育んだブドウ品種、ワイナリーの歴史などについて聞いてきたという米津氏

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