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原宿 Vacantの1階がリニューアル

原宿にあるフリースペース『ヴァカント』の1階スペースが、13日にリニューアルオープンした。ヴァカントというと、ライブや展示などのイベント時のみオープンするスペースという印象を持っている人も多いかもしれない。でも、実は、イベントが無い日でも、1階はオープンしていて、カフェでは美味しい食事が楽しめ、ショップスペースはセンスよくセレクトされた商品を買う事ができる。今回のリニューアルでは、そのカフェ部分とショップ部分の2つの要素がパワーアップされた。

入口を入ると、以前は、小学校にあるようなパンチングボードだった壁が、ホワイトグレー色のシンプルな壁になっていた。奥の壁面だけはメタリックな素材で、その前はカフェ『Vacanteen』のスペースで、長いダイニングテーブルが3つ並んでいる。各テーブルに8人ほどが座れ、グループでもの利用にも重宝しそう。このダイニングテーブルの制作、そしてリニューアル全体の内装ディレクションを手がけたのは、今話題の『DAIKEI MILLS』だ。DAIKEI MILLSは、ヴァカントを運営するNO IDEAによる内装プロジェクトで、ギャラリー『ロケット』やブックショップ『ユトレヒト』のテラスにある小屋などを特色ある内装やディスプレイを多く手がけている。

カフェ『Vacanteen』は、その日だけの一種類のメニューをワンプレートで食べるスタイルから、好きなものを選んで食べられるデリスタイルへと変わった。入口を入った左にあるカウンターには、以前から『Vacanteen』を担当しているyoyoを中心とした複数のシェフがつくる日替りデリアイテムや焼き菓子、TRE FLIPのベーグルやマフィンなどが並ぶ。リニューアル後もワンプレートでの注文も可能で、日替わりデリ1品に、玄米ごはんかTRE FLIPのベーグル、有機リーフサラダ、さらにドリンクも付いて850円だ。健康的な食事ができて、この値段は嬉しい。味は、今まで通り、どれも美味。デリのテイクアウトも、もちろん可能。選ぶ楽しみが加わった新しい『Vacanteen』は、毎日通ってもいいぐらい美味しい場所になっている。

ショップスペースでは、平台や棚などが中央に集まり、今まで以上に“ショップらしく”なった印象だ。入口すぐの平台では毎月のテーマに合わせたメイン・ディスプレイが展開される。今月のテーマは『植物』ということで、DILIGENCE PARLOURが手がけるアイテムが並ぶ。ショップスペースでの取り扱いアイテムは、これまで通り「自分たちがお金を出してでも欲しいものを」というポリシーを貫きセレクトされている。イラストレーターNoritakeのグッズなどの他、リニューアルを機に、富山の『FUTAGAMI』の真鍮プロダクト、浅草橋『syuro』のブリキ缶、長崎県波佐見町『HASAMI』の陶磁器などが、ラインナップに加わった。アートブックやZineなどブック・セレクションも変わらず充実している。世界各国から集めたインディペンデントかつ、クオリティが高い出版物をさらに追加するプランがあるそうなので、注目だ。

2009年のオープン以降、イベントも含め、常に面白いことが発信されているスペースだけに、このリニューアルがきっかけとなって、今後も何かダイナミックな動きが続くのではないかと、期待が高まる。2012年、新しく生まれ変わったヴァカントに注目したい。

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