2011年07月11日 (月) 掲載
ほぼ日刊で書き続けている『世界のタイムアウトから』は、世界35都市にあるタイムアウトネットワークから発信される最新情報をチョイスしてゆくというトラベリング・ウィズアウト・ムービングを地で行くような連載シリーズ。本日、7月11日は、2008年にアップル社からiPhoneが発売されたというガジェット好きには記念すべき日。もしかしたら近い未来にこの日が『メディア革命記念日』として制定されるかもしれない。今日はそれを記念して、アップル本社のあるタイムアウトサンフランシスコからはじめてみよう。
タイムアウト サンフランシスコのウェブサイトにはインタビュー記事などがなく、主にトラベルガイドとして活用されている。登録されているヴェニューの情報も744カ所と、それなりに読み応えはありそう。『サンフランシスコでするべき20の素晴らしいこと』と題された記事をまず読んでみる。数ドル払うだけで、サンフランシスコの街をローラーコースターのように跳ね回るケーブルカーに乗ることができるとある。この街を走るケーブルカーは、バスや車が作られる前の時代の遺物であり、そのレトロでキュートな車体に乗ってユニオンスクエアやチャイナタウン、フィッシャーマンズワーフなどお気に入りのエリアに行ってみよう。その他、ハリウッド映画『終身犯/Birdman from Alcatraz』(1962)や『アルカトラズからの脱出/Escape from Alcatraz』(1979)の舞台にもなったアルカトラズ刑務所を巡る観光ツアーや、ニューヨーク近代美術館の次に規模の大きいサンフランシスコ近代美術館など観光スポットは目白押し。その他オーガニックフードのスポットや、ノスタルジックな音楽を体験できるスポットまで、ニーズに合わせていろいろ使えそうだ。
IT関係でなくとも、いまや「インドのシリコンバレー」と呼ばれている街バンガロールの名前を耳にしたことがある人は多いはず。高原にある涼しく穏やかな“庭園都市”と呼ばれるこの街には、IT産業から宇宙産業、航空産業、防衛産業などが軒を連ねている。さすがバンガロールのタイムアウト、今回の特集は『Play Time』と題されたゲームの特集記事。「今年はゲーム業界が大きく進展する」などと書かれていると、ついつい読みたくなる。最初に紹介されている『Infinity Blade』はiPad用に大きく進化した超美グラフィックと高操作性のファンタジックアドベンチャーゲーム。その他、PS3用の『inFAMOUSE2』は、2009年にリリースされたオリジナルの『InFamous』の第2弾。『InFamous』(悪名高き男)という名のこのゲームは、電気を操る超能直を持った青年コールが、ならずものがはびこる街エンパイヤシティーでいろいろと頑張る、というゲーム。この他、『Shadows of the Damned』(PS3, Xbox 360用)、『NOVA2』(Android,iPad用)、『Dungeon Hunter 2 HD』(Android,iPad用)、『Samurai II: Vengeance』(Android,iPad用)などの他にも沢山の注目ゲーム情報が掲載されているので、“ゲームオタ”は間違いなくチェックすべきウェブサイトだ。
ペルシア湾に面したカタールの首都ドーハにあるタイムアウトのウェブサイトには、ちょっとユニークな読者アンケートが。「あなたにとって、一番好きなドーハの温度は?」というもの。答えは4択になっており、「20度以下ならクール」「20~29度ならわたしには完璧」「30~39度が私の生活にはぴったり」「40度以上でないとハッピーになれないの」という、冗談なのか本気なのか分からない内容…。現状では71%の人が20~29度が最適と答えているようだ。他にも興味深い記事が沢山あって選ぶのに困ってしまうが、あえて選ぶなら『女性のためのドーハのベストナイトライフ』という記事。ドーハの街は女性に優しいということで、日月火水木金土と一週間にわたって足を運ぶべきスポットの情報が細かく掲載されているのが面白い。例えば日曜はMadison Piano BarでDJ Roger Choueiryのダンスチューンで踊り狂った後にLa Cigaleに行ったら良いよと書かれていたり、月曜はCigar Loungeで優雅に革のアームチェアーで葉巻を楽しんだ後にSharq Village & Spaでのんびりリフレッシュ、といった感じ。ドーハの街を満喫したい人には是非読んでもらいたい記事だ。
スコットランドの首都エディンバラにあるタイムアウトからいくつかピップアップ。一番人気の記事は、『カメラ・オブスキュラとイリュージョンの世界』という体験型ヴェニューについて書かれたレビュー記事。1850年に光学者のマリア・ショートによって生み出されたカメラ・オブスキュラは、ピンホールカメラと同じようなもので、小さなピンホールを開けると外の光景の一部分からの光が穴を通り、穴と反対側の黒い内壁に像を結ぶというもの。つまり、街の風景が小さな暗室の中心に設けられた白い円盤に浮かび上がってくるのである。暗室に据えられたレンズを左右に動かすことによって、エジンバラの街のさまざまな場所の風景をガイドしてまわることができる。ビクトリア時代に始めて発明されたときの度肝を抜くような驚きはないものの、内部に隠された知的な仕組みには、いつも感心させられる。エディンバラを訪れたなら、一度は足を運んでみたいスポットだ。とくに子供は大喜びするはず。
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